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謝名アヤチ獅子(今帰仁村謝名)

謝名アヤチ獅子(今帰仁村謝名)
4年に一度(つまり5年目に行う)の5年マールといわれる沖縄県今帰仁村謝名(なきじんそんじゃな)の豊年祭を取材してきました。注目したのはこの地区に古くから伝わるアヤチ獅子(操り獅子)。

一説には300年以上の歴史があるといわれていますが、その渡来や歴史はまだ解明されてはいませんが地域の伝統芸能文化として大事に継承されているものです。

全国的にみても「操り獅子」は沖縄にのみ現存する芸能といわれ、先にryuQでお伝えした本部町伊豆見、そして名護市川上、この今帰仁村謝名の3箇所にのみあるという貴重な「糸操り獅子」なのです。
謝名アヤチ獅子(今帰仁村謝名)
2007年9月29日(土)
今帰仁村謝名の豊年祭は道じゅねー(豊年祭の舞台で演技を披露する出演者のお顔お披露目の道練り歩き)で始まりました。

夕方5時とはいえ、まだまだ日差しはまぶしく気温も30度を超す暑さの中、大人も子どもも本番と同じ衣装と化粧を整え、汗をふきながらも、晴れ晴れとした表情で地区の繁栄を願う喜びいっぱいの豊年祭道じゅねーがスタート。

地区内のメイン道路(筋道)を、豊年祭と書かれた横断幕を掲げ、区長を中心に地区の役員が先導。そして旗頭、華やかな衣装の出演者の長い列がゆっくりと道じゅねー(行進)していきました。
謝名アヤチ獅子(今帰仁村謝名)
謝名アヤチ獅子(今帰仁村謝名)注目のアヤチ獅子2匹も<謝名アヤチ獅子保存会>メンバーが担ぎ、真ん中付近に参加。にこやかな人々に担がれ、ゆっさゆっさと獅子の揺れる姿はまるで生きているようでもあり、愛らしく貴重な獅子の姿を一目見ようと沿道からは住民も駆けつけて拍手が送られていました。

実はアヤチで使う獅子は2組あり、5年マールのときにだけ使用されるのが、この道じゅねーからお披露目するカミアヤチ獅子(神獅子)といわれるもので、地区住民も謝名アヤチ獅子保存会メンバーも豊年祭の時だけ、4年ぶりにカミアヤチに触れ合えるという貴重な機会なのだそう。
もう1組は「遊びアヤチ」と呼ばれ、地区外にて演技披露をする場合などに使用する凱旋用になるのだそうで、つまり豊年祭だけに本物獅子が使われています。
謝名アヤチ獅子(今帰仁村謝名)
(※カミアヤチは昔は神アシャギに納めて保管していたが、近年は湿気カビ対策などを考慮しして公民館にて厳重に管理保管されるようになった)

アヤチ2匹は雌雄の対。
鼻先から尻尾のつけねまで70cm 胴回り85cm 前足を下げた時は45cm(2007豊年祭パンフレット解説より引用)。
(※雄のほうが若干大きいという専門家の話があるが、見た目にはわからないぐらいの差にみえた)

頭や顔、耳などは段ボール紙、胴の部分は麻や芭蕉で作られ、糸で獅子を吊して手で操るのため、躍動感や動きの鋭敏さを演じる為にもできるだけ本体の重量を軽くすることを考えて作られているのだそう。

謝名アヤチ獅子(今帰仁村謝名)また足先には「クンジュミー」という古銭(寛永通宝)が数枚ずつ各足先に糸で付けられ、獅子が動くたびに軽やかな音が響くようになっている。

豊年祭の舞台会場は地域の神アサギの庭に特設舞台がつくられ、大勢の観客がつめかけ歩くすきまもないほどになり開演。
長者の大主(ちょうじゃのうふしゅ)で長寿の喜びを披露する演目から始まり、琉球舞踊や芝居、我那覇隆盛区長の挨拶など27演目のプログラムが組まれ、アヤチ獅子は最後の27番目の登場となりました。

夜7時からスタートした豊年祭の舞台も、夜9時を過ぎていよいよ待ちかねたアヤチ獅子の出番。

遠くは名古屋、東京など県外からも「アヤチ獅子」をどうしても見たいと駆けつけた観光客や研究者たちもいるなど、地元住民も楽しみに待っていました。
謝名アヤチ獅子(今帰仁村謝名)
祭のステージにはアヤチ獅子専用の台が設置され(高さ50cm/奥行き2m/横4m)
その台の上で獅子2匹が舞台で黄金色の玉(ムンダニと方言でいう)を中心に、三線の演奏にあわせて2匹は向かい合うようにじゃれあい、激しく動く!!
とにかくものすごいスピード感にびっくり!!

動きが素早く、生きているようであり、2匹は噛みつき合うぐらいのケンカもしそうな獅子の動きに目は釘付け!!
謝名アヤチ獅子(今帰仁村謝名)
謝名のアヤチ獅子の演技の特徴はなんといっても踊らせ方の激しさ、躍動感!とは説明もきいていたけれど、休むことなく三線の演奏に合わせたたくみな動きが素晴らしい!! 最後の盛り上がりのカチャーシーまでとにかく勢いあるド迫力がみものでした。

生きている獅子に見える=まさにカミアヤチだったのでした!!

演技終了後すぐに、獅子の操りを担当した保存会メンバーにお話を伺うと、満足した充実感の笑顔がいっぱい。

舞台裏のカーテン後ろ側では天井にパイプから滑車を利用し糸を通し、保存会メンバーがかなりのスピード感で手を上下左右に動かしていたそうで、
大汗をかきながら「とにかく素早く糸を引いた」「手がつりそうだった」「4年ぶりだから緊張した」「うまくいった」「迫力がでたよ」など、感激の興奮の言葉がいっぱいでした。

アヤチ獅子の舞台は、獅子舞をさせる舞台、操り人、玉を操る人、生演奏のドラ、太鼓、地謡(三線・太鼓など数人)など、裏方には大勢の人が携わっています。
謝名アヤチ獅子(今帰仁村謝名)
豊年祭の舞台の最後をしっかり務める責任も大きく、
「よく獅子が舞うといい年になる」という、地区の吉凶を占い、祈願する意味もあるといわれ大事な意義があるのでした。

もちろん、2007年「アヤチ獅子」も大成功!演技も最高!!
謝名アヤチ獅子(今帰仁村謝名)
観客からの大拍手も止まることなく、アンコールのかわりに最後にはカーテンをあけて舞台裏も少し見せるほどのサービスまでしてくださるほどのゆとりもあり、謝名の豊年祭は感謝と喜びに包まれて夜が更けていきました。

県指定民族文化財に「謝名アヤチ獅子」は平成14年1月18日に指定を受けました。
貴重な芸能文化「操り獅子」を誇り高く継承され、素晴らしい芸能文化を益々地域の発展に寄与されることを願っています。

(取材: 吉澤直美、編集: KUWA)
(取材協力: 謝名公民館、謝名アヤチ獅子保存会)

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Posted by ryuQ編集室 at 2007年10月18日   00:00
Comments( 0 ) 沖縄の芸能・文化
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