2007年07月31日
カンカラ三線製作名人・宮里昌秀さん

エイサー祭シーズン到来!あちらこちらでエイサー演舞が行われ、沖縄はエイサーの夏になりました!
エイサーといえば、太鼓や手踊りなどの勇壮でエネルギッシュな演舞に加え、重要なのが地謡(三線の唄&演奏者)。
エイサーが盛んな沖縄市の中で、現在では男性だけのエイサーでその勇ましさが有名な山里青年会のエイサー地謡を長く担当した宮里昌秀さん(70歳)に今回は大注目!
すでに宮里さんはエイサー地謡の現役は卒業していますが、OBとして後輩の唄&三線指導をしたり、時には国際交流やボランティアで、エイサー地謡や三線を披露する活動をしている一方、本職の大工という腕前を発揮して10年前からオリジナルのアイデアで「カンカラ三線」を製作、なんともユニークで魅力的な三線を数々作り上げています。旧盆までのこの時期はエイサーの練習シーズンまっただ中、近所の公民館での後輩への三線・地謡の指導にと多忙な中、夏休みだからこそ全国の沖縄ファンや三線ファンに沖縄ならではの「カンカラ三線」の魅力を紹介したいと工房へ取材突入してきました!
宮里さんのモットーは、
「1つとして同じものはない!同じものは作らない! 世界に1つ」の個性を創作し続ける「カンカラ三線」をご紹介しましょう!
「カンカラ三線」は那覇の国際通りでも、沖縄の各観光地のお土産店でも販売され、鮮やかな色柄のカラフルな缶を胴にしたものなどが多くみられ、値段も手頃な三線楽器です。
戦後、沖縄中が復興に向け、まだまだ焼け野原の時代の最中でも沖縄県民は暮らしにかかせない楽器「三線」をなんとか復活させようと、
戦後の捕虜収容所等で、米軍が食べ終わり空き缶となって捨てた缶を拾い、それを三線の胴の部分にして使い、弦はパラシュート訓練の残骸から糸を工夫して作ったのが「缶カラ(カンカラ)三線」のはじまりです。
宮里昌秀さんが作る「カンカラ三線」は規格や規定にとらわれない、三角、四角、楕円などあらゆる形の御菓子の空き缶を利用したり、よく見ると蚊取り線香の缶だったり、椰子の実や本物の電池式壁掛け時計や、タッパウエアー、炊飯器までも胴の部分として使い、三線に仕上げています!
多様な数々のバリエーションにはビックリです。
さらに全部がちゃんとちんだみ(調弦)して実際に弾けるように仕上げてあるのが驚きの素晴しさです! なんでも創造するユニークさは、あっぱれです!!

弦も「三線」だけでなく「六線」のほか、さらにはナント、棹が3本の「九線」まで!
遊び心だけでなく、演奏者の楽しみが発揮できる工夫がこらされ、アンプに接続できるようにマイクを仕込んであったり、音の響きを重視するため、磁石や蚊取り線香の穴あきのフタを活用したりと、様々なアイデアが取り入れられています。
弦を調節する「カラクイ」もそれぞれに細かい工夫がこらされて作ってあるのでした。
宮里さんはこう言います。「2つと同じものは作らない、いつも違うものを創るのが楽しいし、これでも出来るかな?といつも自分でも挑戦していくのが面白い」のだとか。
他ではまず作れないと思われるものをあえて使って「カンカラ三線」を創りだすのが何より面白いと言います。
それにしても、そもそもなんでこんなにユニークな「カンカラ三線」を作るのでしょう?
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2007年07月17日
三線名器・富盛開鐘を人間国宝が響かす

三線の名器として琉球王朝時代から伝わる「富盛開鐘(とぅむいけーじょー)を聴く会」が沖縄県立芸術大学の開学記念日の特別企画公演として、先日(5月15日)大学内の奏楽堂で行われました。
一般にも広く鑑賞してもらおうと入場無料で行われ、三線や古典ファンなど約400名がつめかけ、満席で上演されました。

およそ300年前に作られたという歴史に名を成す富盛開鐘は、旧東風平村富盛の豪農が所蔵していたとされる名器で、戦後、ハワイの古典音楽家・仲宗根盛松氏が所蔵していたところ、ハワイに度々でかける機会のあったジミーベーカリーの社長・稲嶺盛保氏が仲宗根氏と交流を重ねる中でこの名器に惚れ込み、何度も何度も譲ってほしいと熱望してやっとの思いで買い取ることができ、ハワイから沖縄へ持ち帰りました。
その棹を、1987年には芸大に寄贈したというユニークなエピソードを持っています。

その後、1994年に沖縄県の指定文化財となり、昨年('06)には胴(チーガー)の部分を翁長良明氏が芸大に寄贈したことで、棹と胴が組み合わさった三線として、名器・富盛開鐘が蘇り、開学記念特別公演として初めてお披露目演奏となったのでした。

富盛開鐘を演奏したのは、沖縄県が誇る重要無形文化財保持者・人間国宝の照喜名朝一氏、島袋正雄氏、城間徳太郎氏。人間国宝から奏でられる悠久の音色は、3人3様の魅力で観客を惹きつけ、歴史の音を感じ取ろうと熱心に観客も聞き入っていました。
また、人間国宝の宮城能鳳氏が名器の音色と共に「諸屯(しゅどぅん)」の踊りも披露し、厳かで優雅な貴重な公演となり会場からは熱い拍手が送られました。

この公演について、名器を管理している同大学内図書館所蔵庫関係者から「次という機会があるかどうかもわからないほど貴重な公演でとても感動しました。というのも、県の文化財として普段は蔵の中で厳重に管理しているもので、文化財に触ることそのことさえ滅多に実現できることでは無く、ケースに入れて大切に保管されているものです。今後、人前に出すことがあるかどうかもわからない程の貴重な機会だったのです。
棹と胴が組み合わされた事としては初のお披露目となり、まったく奇跡的な演奏会でした。
また、人間国宝の方々に弾いていただくとしても、とても慎重に扱わなければならず、本番1時間前にようやく所蔵庫から出す事が出来て、そこで初めてご使用頂いた程でした。それくらいですので、先生方も調弦(チンダミ)に苦労されていた様子でした。」と、この演奏会の実現そのものが、非常に稀少な機会だったことにあらためて感動をかみしめていました。

琉球王国時代の三線の名器にだけ与えられた“開鐘(けーじょー)”という貴重な尊称の三線・富盛開鐘。次に演奏が聴ける日が来るかは誰にもわからない。歴史の音を聴けた貴重な機会に感謝と感動を忘れずに、琉球の時代から伝わる名器を後世にもずっと伝えて欲しいと願います。
いつの日かまた機会あるまで、富盛開鐘は芸大の所蔵庫に管理され、静かに歴史を繋いでいます。
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2007年07月13日
WEB三線レッスン♪『♪いちゅび小』

沖縄民謡の(有)キャンパスが発行している人気工工四シリーズ『ポップス工工四集』(緑版)をWEB上で体験できるシリーズ。
レッスン4では、エイサーでもよく知られる沖縄民謡『♪いちゅび小』をお届けします。
採譜&筆者の武田由美子さん自身によって、出版された工工四に忠実に一音一音、奏でてゆきます。
(ご協力:(有)キャンパス)
・音声ファイルで試聴できます♪
・工工四(サンプル)付きです!
・武田由美子さんからのワンポイントアドバイスもあります。
(※試聴は記事中の再生ボタンを押してしてください)


※イントロがはじまる前の冒頭の「トン・トン・トーン」という3音はチンダミ(調弦)用の音源です。
(取材協力:(有)キャンパス/武田由美子・川村健一)
■採譜&著者プロフィール紹介:武田由美子(たけだ ゆみこ)
2001年第17回二見情話大会優秀賞受賞。
2002年全島ナークニー大会本選出場。
2004年から北村三郎芝居塾『ばん』にて、沖縄の芸能・伝統・文化・島言葉などを学ぶ。
また、緑版のほか2003年に発売された『沖縄島うた工工四集』(赤・青)のCDにも参加しています。
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