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2008年02月05日

「サルサとチャンプルー」

映画「サルサとチャンプルー」
●「キューバ」と聞いて、何を思い浮かべますか?

撮影がスタートした2000年から7年の月日が流れ「サルサとチャンプルー」というドキュメント映像が2007年に完成した。東京の単館で2回ほどの上映はあるものの、2/9〜22という期間上映は、桜坂劇場がスタートとなる。

“キューバ”と“オキナワ”、そして“サルサ”と“チャンプルー”。
文字を見ているとおぼろげながらでもキューバの歴史とオキナワを含む“何か”を感じることはできるが、その具体性が何か…ということを文字だけで汲むことはなかなか難しい。

「バックパッカーのはしりだったんですよ。」という波多野哲朗監督は、それまで世界のマイノリティ=少数民族をテーマに辺境と言われる場所へ出向いていたが、2000年3月、大学のゼミの一環として、学生たちと共に訪れたキューバで出会ったのが約90年も前にやってきて根を張った、日本人の移民たちだった。

波多野監督:「ゼミでキューバを訪れた時、始めは学生たちに何かテーマを見つけなさい、という課題を出したんですが、誰もテーマを見つけられなかった。でも話を聞いていくうちに“ピノス島に日本人がいる”という情報が入り、一世である二人の日本人と会うことができたのです。」

映像の冒頭から登場する日本人一世の一人である島津さんは2007年12月に100歳を迎えた。19歳でキューバへ渡った彼に直接的な戦争体験はないそうだ。
劇中でもナレーションが入るが19歳の時にやってきた島津さんの日本に対する想いはとても深い。全編通して時間や時代の経過を感じさせてくれる、映像のキーパーソンでもあるようだ。と、映像の内容に触れるのはこのくらいにして…。

南北アメリカやハワイ、ブラジル、南洋などに日本人は渡ったが、その中でもぺルーやメキシコから出稼ぎにやってきた人たちが、最初のキューバ移民だった。そして、この映像に出てくる一世の島津さんが渡来した1924〜25年以降に日本人がキューバへ渡った時代は、砂糖産業の全盛期から4年もあとのブームが終わった1929年の世界恐慌で、砂糖産業は壊滅的な打撃を受ける。

この時代に日本を出た人たち…それは日本政府の移民政策だった。

キューバは白人、白人と黒人の混血の“ムラート”、アフリカ系黒人、チャイナ・アジア系、とまさに多種民族の島。そして「サルサ・ミュージック」も“ジャズ”“ソウル”“ロック”が融合してアメリカで確立されたいわば、ミックス音楽。そう、まるでそれって沖縄の中国、東南アジア、そしてアメリカとのチャンプルーのよう。単なる移民先という場所だけではないつながりがあった。

移民という選択で、外国に働き口を求め出なくてはいけなかった時代。家族・つながり・誤解・持って帰るもの・帰れないもの…。
劇中では一世の二人の他に、沖縄以外の出身や沖縄にルーツを持ついくつかの家族が紹介され、中でも柱の一つとなる瀬底島出身の上間ファミリーの歴史や背景をはじめ、いくつかの家族のストーリーが紹介されている。

——撮影で一世から四世の方々と向き合って、何か感じたことは?

波多野監督:「7年という月日が経てば、人が亡くなり、また赤ん坊が生まれたり、それがドキュメンタリー映画の面白さだと思うんです。
撮影の中心的な舞台となった“イスラデ・ピノス”=“青年の島”=“松の島”を日本人は郷愁をこめて“松島”と呼んでいたそう。両親が日本人であれば子供たちも日本語を話しますが、片方だけが日本人の場合は日本語を話すことはできません。特にここは日本語のメディアがない場所なんです。そして移民史の研究においてもキューバ移民という存在は、埋もれてしまっていたのです。」

●映像における象徴の削除と音楽

——撮影で苦労した事は?

波多野監督:「シンボリックな映像をできるだけ表現として使わない、という事でした。キューバといえばホセ・マルティやカストロ、チェ・ゲバラが浮かびます。そういう象徴的なものを入れた方が映像は撮りやすいんです。
私も最初は、例えば外国に住んでいる日系人を描こうとする時、飾られた富士山の絵だったり、そういうものを思い浮かべましたが、それではダメなんですね。もちろん私の映画の中にシンボルが全くないわけではありません。ギリギリのところで表現はしています。」
ただし、と言葉が続きます。
「映像の場合、音楽で表現することが可能なんです。上間敬子さんと旅立ちの話になった時、見送りの歌である“だんじゅかりゆし”を歌って下さったんです。聞けばいくつもの歌詞があって、そしてそれを沖縄民謡の照屋政雄さんに歌っていただき、そしてKACHIMBA1551 にサルサとして歌ってもらうという流れ。この映像の制作は偶然の重なりではありますが、そこにハバナの映像と音楽が自然に混入します。音楽はこうして、私がともすれば論理や象徴によって結びつけようとしたキューバと沖縄という二つの世界を、イメージとして一挙に溶かし込んでしまうのです。」

ハバナの映像とは日系人…と言っても日本人の面影がない大人や子供たちが「おじぃちゃんの国の歌をうたおう」として歌のレッスンをし、アフリカンダンスを踊るシーンだ。
また、映像の中で二世の方の言葉に“僕達は果たして日本の文化を維持しているんだろうか?”という言葉があります。遠く離れたキューバで日系人が感じる疑問。しかし果たして日本人である今の日本人が日本の文化を維持しているかどうか…。

「移民がテーマになると重くなりがちですが、ミックスのカルチャーという点でキューバというオキナワに共通するエネルギーを観ていただきたい。」
と波多野監督は最後にコメントをくださいました。

波多野監督のお話を聞き「サルサとチャンプルー」は、取り残されてしまったキューバへ渡った日系の方たちの貴重な映像を、歴史的事実として知っておくべきドキュメント映像だと感じました。ぜひこの機会に桜坂劇場ほか各会場へと足を運んでみて下さい。

■東京での上映(特別先行上映会)※トークショー付き
会場 渋谷・アップリンク・ファクトリー http://www.uplink.co.jp/
日程 2008年2月7日(木)
開場 18:30/上映 19:00〜20:40
トークショー 20:40〜 監督×ゲスト・諏訪敦彦(映画監督)
当日券のみ 1,800円 1ドリンク付き

■沖縄での上映
会場 那覇・桜坂劇場 http://www.sakura-zaka.com/
日程 2008年2月9日〜22日(11日は上映無し)
上映 11:50〜13:30/14:20〜16:00
料金 劇場に問合せ下さい。

■上記以降の上映について
東京:5月連休明けよりアップリンク劇場での上映予定。
大阪:シネヌーヴォ劇場にて数週間公開予定。

[サルサとチャンプルー Cuba/Okinawa]
http://www.cuba-okinawa.com/

(取材: YANTY藤原、編集: KUWA、取材協力: 桜坂劇場)

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2008年01月25日

半世紀ぶりにDVDで復刻『エラブの海』

半世紀ぶりにDVDで復刻『エラブの海』
半世紀前の屋久島〜奄美大島〜徳之島〜沖永良部島の姿が今甦る。
奄美群島が本土復帰直後に映画撮影された作品『エラブの海』(1960年作)は、
当時、世界初のシネマスコープ水中カラー撮影に成功したという
歴史的セミ・ドキュメンタリー映画だった。
それがついに本日1月25日にDVDとして複刻されることになった。

そして注目を集めているもうひとつの話題として、
この映画の主題歌を歌っているのが、奄美島唄の朝崎郁恵さん(現在72歳)が
当時18歳の時、その若き日の歌声がこの映画の中に収録されたという
ほかには無い貴重な音源だ。

最近、“主人公・地球”の映画『EARTH』が世界で上映され話題のなか、
琉球版のこの映画にもそれに通じるものがある。
それがこの貴重な記録映画『エラブの海』。

しかも、昔のフィルムなのに、ゴミや傷も近代技術によって修復され、
ほんとうに昔の風景がそのまま、目の前に甦るようだ。

この映画を復活に情熱をかけた(有)ゆめ企画の喜原代表(沖永良部島出身)と、
当時、主題歌を歌ったという唄者・朝崎郁恵さん(奄美・加計呂麻島出身)から
お話を伺い、その軌跡をたどってみることに。

喜原弥穂子:私が当時5歳の時に、島の学校の校庭で上映されたこの映画の映像がとても印象に残っていたのです。この映画を子どもながらに観ていた時の、心が優しくなるようだったというか、心が楽になる(開放される)ような感覚でした。今の時代だからこそ、そういう心の底から温まる映画が必要なのではと思いまして。

それでこの映画を製作した日本映画新社の倉庫に眠っていたのを探し当て、それを掘り起こしました。“想えば、巡り会える”ものですから不思議ですよね。さすがに50年前のものですからフィルムが途中切れていたり汚れもあったのですが、そこも世界初の技術で修復して複刻させました。

50年も昔の映像だというのにクリアーな映像で、それはまるで昔の風景にタイムスリップしたような感覚になり、島人でなくても、なんだか懐かしい“母なる島”に訪れたような気分にきっとなれる、そんな映画だ。


喜原弥穂子:この映画『エラブの海』の魅力的な映像から、昔の自然の良さを共鳴して感じてもらうことで、人間が自然との共存を意識してもらえたらという想いもあります。

現在、島人であっても自分たちのルーツを忘れかけているかもしれません。ここに登場する少年(ルーツは北山王の末裔)、おじいちゃん、海女さんたちからも美しさを感じ取れることが、たった60分の映画ですがそれがいっぱい詰まっています。

この映画は、制作した当時から様々な初挑戦をしてきました。海の中の映像を撮る水中カメラのケースも自分たちで手作りしたり、すべてにおいて魂を込めて作られました。今の時代、情熱が薄れてきているような中で、この映画で活き活きと描かれている登場人物の姿や大自然を、まずは観て触れて頂けたらと思っています。

監督やカメラをはじめ錚々たる映画スタッフによって、難しい映画をやさしく表現しているところがまたポイントという。
そして、注目のひとつに、奄美島唄の朝崎郁恵さんの18歳の頃の歌声が収録されているところもお宝だ。


朝崎郁恵:この映画『エラブの海』には、10代の頃の私の唄が3曲収録されています。『黒だんど節』『糸くり』『ヨイスラ節』です。
当時は島唄を歌うのは年輩のかたが多かったので、珍しかったようです。うちの家系は唄を歌う家だったものですから、唄の中で自然と育ったようなものです。
当時、奄美には録音スタジオは無いので、古仁屋(瀬戸内町)の小学校の体育館で録音しました。三味線は名人の勝島徳郎さんです。

驚くことに、18歳の歌声ながらも“あっ、この唄は朝崎郁恵さんだ!”とはっきりわかる。


朝崎郁恵:18歳ですから、“18歳の歌”ですよ。その若さにして、今のような歌い方だったらおかしいですからね。やっぱり、人生の年輪を積み重ねて、唄は深みを増してゆくものです。
でも、あれは私の原点。メジャーデビューしたのは67歳でしたが、はじめてのレコーディングは18歳の時に撮ったこの映画の主題歌だったんです。そのフィルムがDVDに複刻して、こうやって皆様に聴いて頂けることは幸いです。

ところで、ポスターやチラシに「ナマ ククル ヌクサン」と書かれた1行にはどのような想いがあるのでしょう。


喜原弥穂子:環境は、人の心が作っています。環境の再生も破壊も、人間の心次第だと思うんです。
「ナマ ククル ヌクサン」は、「今、心が温かくなる」という意味です。“自分さえ良ければ”という心が蔓延しないように、世の中が冷え切らないようにと、そんな希望を持っています。

朝崎郁恵:半世紀前の映画に記録されている奄美群島のエメラルドグリーンの海は、今の海よりもさらにもっと綺麗なので、見比べて頂いてどう変わっていっているのか、そして私の若い頃の歌声もぜひ聴いて頂きたいですね。

それはまるで奄美の海のような唄です。そしてどこか懐かしい心の故郷の景色があります。復刻版のDVDは、下記HPより入手可能です。


※問い合わせ先HP:(発売元(有)ゆめ企画)
http://www.yumekikaku.org/

※購入先HP:(販売元(株)ソニマ)
http://company.sonima.co.jp/erabunoumi/

(取材協力: (有)ゆめ企画、おぼくり、桜坂劇場)   

2007年11月08日

話題の映画『琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。』

話題の映画『琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。』
沖縄で只今話題沸騰中のあの映画『琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。』がついに沖縄を飛び越え、11月10日よりテアトル新宿にて、いよいよ上映となりますヨ!
「あじくーたーでなだぐるぐるー(濃い味で涙がこぼれるー!!!)」と、
うちなーぐちのCMが県内のメディアでPR展開している県産品マーク付きの琉球映画『琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。』!
10月下旬に那覇の桜坂劇場から上映開始となり、県内では各地での上映会も展開中。連日その面白さは口コミで噂となり、県民から県外にまで話題が飛び交っていますでゴザイマス!
その証拠に、右をむいても左をむいても誰かと会話をした最後には、ついつい「よろしくゴザイマス!」と言ってしまうようになる〜のが、この映画のスゴさ!
よろしくゴザイマス言葉が伝染している人が急増中なのでゴザイマス!
もしかして、流行語大賞にもエントリーするのでは?!と噂になっているとかいないとか?

そもそも「よろしくゴザイマス」は、沖縄喜劇界一の大人気女優・仲田幸子さん(75歳)が、普段から口癖で使っている言葉。その口癖がそのまま起用されて、映画のタイトルにまでなっちゃったワケです。
県民に愛される喜劇の女王仲田幸子さんは、どの舞台でも大いに観客を沸かし楽しませてくれます。笑顔が最高な幸子さんパワーは、まるで地球を駆け巡るかのような勢いです!!でも意外なことに、映画ではこの『琉球カウボーイ』が記念すべき初出演作品というから驚き!初めての映画出演を承諾したのもこの作品が“初の100%純県産品映画”だからなんだそうです。沖縄を愛し、沖縄を誇りに、世界中で沖縄県作映画をみてもらいたいと出演。ショートムービーの3作品からなるこの映画をつなぐ重要なナビゲーターとして登場し、楽しく映画に引き込んでくれます。

3作品を手掛けた3人の監督さんにryuQ特別インタビューし、この映画のツボを教えて頂きました。もう観た人も、これから観る人も、パンフレットにも載っていないお話もあるかもですヨ。要チェック〜!

■□■當間早志監督脚本作品『See Me ?』■□■

沖縄の年中行事の1つお墓参りの「清明祭(シーミー)」を軸に、あの世とこの世が現実で交差する不思議でリアルな『See Me ?』。

——清明(シーミー)をテーマにしたのは?

當間監督:沖縄が人気になり、いろんな形で表現されてきていますが、僕にはとても違和感があったんですよ。自分の身の回りの沖縄暮らしとの違いが大きかったので、ごく普通に沖縄にあるものを、映画にしようと思ったんです。

僕の実体験をもとにストリーも展開していくのですが、撮影した墓は本物の僕の一族の門中墓なんです(親族一同の墓)。沖縄県民でもこれは映画だから大げさに描いているように感じられる方もいるようですが、僕には子供のころから参加している普通のシーミー風景で、100人とか200人ぐらい集まるんですよ。
毎年、墓の前で結婚した人や進学、就職した人などは次々紹介されて挨拶したり、みんなで先祖さまたちと一緒に食事をするわけですが、本土にはこんなに大きな墓も行事も無いから、なかなか実際にはピンと来ないかもしれませんが、この清明(シーミー)も“当たり前の沖縄の暮らし”なんです。
僕のところは、ユタさんも専属契約でいるんですよ。毎年清明の時には、ちゃんと朝拝みもしてもらっているんです。今回は、映画撮影で墓を使用する前にもこの専属のおなじみのユタさんに来てもらい、無事の撮影成功となるよう拝んでもらいました。

——タイトルの『See Me?』は清明のゴロ合わせ?

當間監督:「私がみえる?」という意味ですが、清明だけでなくそこから広がるニュアンスで、映画への想像をふくらまして観てほしいと思ったんです。
沖縄ならではの“死生観”や“先祖を敬う心”などを感じてもらえればと思いました。

——県内はもちろん、東京や県外でご覧になる方々にメッセージを

當間監督:この映画は沖縄の監督脚本、キャスト、撮影など沖縄初のオール沖縄で製作した初の県産品の興業映画です。沖縄には確立していなかった映画システム(配給先や興行など)に初めて全部沖縄で取り組み完成上映になる映画です。全国で、そして世界で多くの人にみてもらいたいと願っています。


■□■福永周平監督脚本作品『Happy☆Pizza』■□■

ディアマンテスのアルベルト城間さん出演で人気の県内TVCMでお馴染みのシリーズが映画に発展した、恋愛ショートムービー。

——3作品の中でも最も短めのショートムービーですネ

福永監督:もともとCM製作などの仕事をしていますので、「いかに短い時間でもっとみたくなる、知りたくなる、気になる商品」をみせるかというベースがある為か、12分ほどの短い作品になりました(苦笑)。

——歌手アルベルトさんを起用されたのは?

福永監督:沖縄で好評いただいたTVCM製作でご一緒して、アルベルトさんはとても魅力があり「沖縄のチャップリン」だと感じたんです。
とても素晴らしい役者としてこれからもますます活躍されると思いますが、今回、セリフのない表情が重要な、ハートフルでコミカルで哀愁のある役でしたので、CMのイメージそのままで彼に是非にと、コザで撮影したそのムードも似合い適役でした。

——これから映画をご覧になられる皆さんにメッセージを

福永監督:とにかく沖縄県産品の映画が出来たことを知ってもらいたいです。本当の県産映画は今まではなかった、できなかったことをやって、念願の沖縄で生まれた映画なんです。多くの人に観てもらいたい。まったりと構えずにゆったり気分で見て楽しんでくださいね。沖縄で恋したくなるかもしれませんヨ。


■□■大城直也監督脚本作品『マサーおじいの傘』■□■

1975年の糸満が舞台。糸満に実在した伝説の空手名人と少年の交流を描く。

——とにかく個性が濃い出演者が勢ぞろいの映画になりましたネ

大城監督:かっちゃん(沖縄県民ではしらない人はいない?!コザの有名ライブハウスJACK NASTY'Sオーナーで現役ロック歌手として迫力ライブが知られているロックバンド・元コンディショングリーンのかっちゃん)が、主役の伝説の空手名人を演じましたが、この方以外にはいないなと思うほどハマリ役でした。

新良幸人さんは民謡歌手でバンド活動もしてますが、沖縄空手をやっていることを聞いていたのと、割と三枚目役が似合うと耳にしていたし、俳優が本業でなくても多芸多才な人材が沖縄は豊富ですので、ジョニー宜野湾さん、津波信一さんなど県産品で上等な配役になりました。

——監督さんも糸満出身。糸満ならではのこだわりがこの映画に?

大城監督:オール糸満方言にこだわりました。
なので県民でもわからない方言もあるかもしれません(苦笑)。

30年以上前の糸満を舞台に描くため、ロケーションもこだわりまして、当時を感じる場所探しなども苦労しました。

糸満ならではのハーレーシーンや、糸満で伝えられている黄金言葉なども採り入れて、歴史を今につなぐ作品にと。それに糸満はあんまー(母ちゃん)たちが元気で有名ですが、だからこそ糸満の男側から描いてみたかったんです。

——県内外でこれから映画をご覧になる皆さん向けメッセージを

大城監督:土地や空気、湿度、人々の個性や黄金言葉の奥深い力など、どこか沖縄でも懐かしさも感じる暮らしも描いています。キャストの面々の濃さだけだけでなく内容も濃いので、糸満の土地柄も感じてもらえればうれしいです。

芸能、音楽界など各界から幅広い個性派が役者に起用され、沖縄でオール製作!
微妙なうちなーニュアンスを全国でもぜひぜひ皆様でお楽しみくださいませ!!

★☆★桜坂劇場☆追加舞台挨拶!決定しました★☆★
◎11/11(日)14:40の回終了後のアフタートーク:
ROKラジオ・ティサージパラダイスのパーソナリティー・ひーぷーさんこと真栄平仁さんが登場します!
◎11/11(日)17:00の回終了後のアフタートーク:
ラジオテレビでおなじみの役者! 信ちゃんこと津波信一さんが登場します!

★☆★『琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。』(in 東京)★☆★
◎上映案内:
東京・テアトル新宿(http://www.cinemabox.com/schedule/shinjuku/info.html)
11月10日(土)〜11月30日(金) レイトショー(21:10〜)
◎初日舞台あいさつ:
當間早志、福永周平、大城直也、藤木勇人さん、奈須重樹さん。
◎特典:
毎日先着10名様にオリオンビールと島豆腐おからスティックの無料配布!
初日限定、ムーチー(月桃餅)販売なども予定!
毎週末、エイサー演舞と盛り沢山なイベントあり!
http://www.ryukyucowboy.com/
(東京ほか、順次主要都市などで上映予定です)

(レポーター: 吉澤直美、編集: KUWA)

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2007年10月10日

映画『黒帯』主演・八木明人インタビュー後編/空手に先手無し

映画『黒帯』主演・八木明人インタビュー後編/空手に先手無し
——今では、大晦日に格闘技番組が放送されるほどの時代ですが、
この映画『黒帯』では、そんな今の時代にあらためて、攻めるものではなく護るためのものとしての空手の心を示すものではないかと。
そのような本物の伝統空手が、映画のスクリーンに登場することになりますね。


八木明人:護身のための武道というのも、物騒な今の時代にこそ、必要とされているのもあるようで、公園に子どもを遊びに行かせるより、お子さんを道場に預けてゆく親御さんも多いですね。
また、今の時代、いじめとかも凄いですよね。
道場でその心を学ぶことで、“いじめない人間”になってもらいたいと。

——弱肉強食にがむしゃらに勝ち続けるのではなくて、弱いものを攻めずに護るということですね。
その“攻めずに護る”って結構難しいですよね。
相手が武器を持って向かってくるかもしれない可能性もある世の中で、その精神を貫くというのは、
“暴力の応酬を招くものとは対極”の“平和の心”にも通ずるものがありますよね。
そして、この映画を通して何を伝えたかったのでしょう。


八木明人:空手の精神から、人間が本来あるべき姿を描きたかったんじゃないかなと。
映画の中で英賢先生の言葉「空手に先手無し。先に攻撃してはならない」は、
例えば、身近な師の“親の言葉”に置き換えてみるなら、
“人の教えを守る”“人の道を外れない”など、人としてどうあるべきかというような事ではないのかなとも思うんです。

——なかなか、試合などではみることができない部分ですよね。

八木明人:この映画『黒帯』を通して“空手”を格闘技というか“武道”として、日本から世界へ向けて発信してゆきたいと思っています。
またこの映画をきっかけとして、沖縄の文化である空手に少しでも興味を持ってもらえたらと思います。

——この映画『黒帯』が沖縄で先行上映(10/6〜19日まで桜坂劇場にて公開中)されるのは、もちろん八木さんの地元でもありますけど、“空手”にとっても沖縄が故郷になるわけですよね。
13日(土)からの全国上映を前に、ぜひ最後にひとことメッセージをお願いします。


八木明人:“大事な何かを守ってゆく”ということに特に男子は何か感じると思いますし、
やはり映画であるからこそ、ぜひその“何か”を感じてほしいですね。

甘いマスクはまるで韓流スターのようで、インタビュー中もスクリーンの中でも物静かで穏やかな八木明人さん。
その彼が黒帯をしめて空手の型を始めだすと、今までとはまったく別人のようにきりりと勇ましい表情に変わり武道家の姿に。
もし空手からその精神が失われたら、それはただの戦闘マシーン。殺伐とした今の世の中に、武道は技術のほかその心が尊いのかもしれません。
→インタビュー[前編]を読む

(取材+文+写真: 桑村ヒロシ、取材協力: 桜坂劇場

※只今、沖縄で先行上映中!(19日まで/桜坂劇場にて)
 10月13日(土)からは、いよいよ全国上映開始です。
 →詳しくは、公式HPにて!

※読者プレゼントのお知らせ:
 桜坂劇場様より、映画観賞ペア券×2組にプレゼント。
 →応募はコチラまで

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2007年10月09日

映画『黒帯』主演・八木明人インタビュー前編/陰と陽

映画『黒帯』主演・八木明人インタビュー・前編
——“本物の空手映画”が登場しましたね。
何が本物かというと、映画のタイトルが『黒帯』とあるように、
“黒帯を締める人間としての心・武道家(そして人として)の精神”にクローズアップしている映画ではないかと思うのですが、
さて、その空手ですが、そもそもは日本では沖縄が発祥とお聞きしました。


八木明人:もともとは中国から沖縄に渡ってきたもので、
“手(てぃー)”と呼ばれていました。
それが沖縄で発展したのが“唐手(とぉでぃー)”で、そして空っぽの“空(くう)”に変わって“空手”と。
その意味は、“手には武器を何も持たない”という意味なんです。
棒とかサイとかありますが、これは“古武道”と言いまして、空手のほうは“まったく武器を何も持たない”武道なんです。

——“何も持たない”どころか、映画の中では度々「空手は防御のみで、自ら攻めるものではない」(!!)と、主人公・義龍の師匠の言葉が繰り返し語られますよね。

八木明人:剛柔流の空手の型もすべて“受け”から始まるんですよ。つまり、護身の為のもので、決して自らが武器となって危害を与えるものではないんですね。

——沖縄で空手といえば、一般的に“沖縄空手”のことをさしますが、全国的に空手といえば極真とかK1系の派手なフルコンタクト空手のイメージが強いですよね。
例えばK1のように、徹底的に相手をKO(ノックアウト)して、観ているほうもその派手なKOシーンを望んでいるのが現代の姿ですよね。


八木明人:フルコンタクト空手のパイオニア・極真会館も、創始者の大山倍達氏は、剛柔流空手の出身なんです。

——K1を興した正道会館もそのルーツは極真空手ですよね。ということは、すべての元を辿れば沖縄空手の剛柔流からの流れなのですね。

八木明人:沖縄空手には三大流派があり、剛柔流、少林流、上地流とその中でも剛柔流が最も伝統が古いものになります。
剛柔流は“那覇手”からの流れで、少林流は“首里手”、上地流は“泊手”がルーツになります。
その剛柔流の開祖は宮城長順先生で、祖父の八木明徳先生はその後継者なんです。

——試合などで、組み手(対戦)とかはあるのですか?

八木明人:組み手はなく、型ですね。
その型は“受け”(護り)から入り、また的確に相手の急所を打ち抜くものなのですが、
試合のような“勝ち負けではない”んですよ。

——普段は組み手が無いとのことですが、撮影現場では苦労されましたか?

八木明人:撮影では、蹴りも突きも全部実際にバンバン当てた相当ハードなものでした。
それは、映画の中だからといって演技ではなく、リアルに映像に残す為に実戦となりました。
また、実戦シーンに登場する役者もすべて空手経験者です。
ですので、最後のシーンは、真剣勝負でたった一度きりのワンカットで撮ったものです。

——そこに登場する主人公・義龍とライバル・大観は、同門で同じ師匠から学びながらも、その教えの受け取り方は、様々でしたよね。

八木明人:僕は義龍を演じましたが、
大観のように「空手を学びながら、それを実戦しないなんて。もっと強くなりたい」というその気持ちも分かるんです。
もしかしたら、2人でひとつだったのかもしれません。

——2人でひとつというのは?

八木明人:私の名前の明人の“明”、剛柔流明武館の“明”も、“日(太陽)”“月”で“陰・陽”で対(つい)なんですが、
空手の“受け・攻め”も“陰・陽”でひとつなんです。

——その“陰陽で対”というのはつまり?

八木明人:“相手は自分の鏡”だと思うんですよ。
なので“自分に勝てない者は、相手には勝つことはできない”のではないかと思うのです。

“本物”のリアルファイトは自分との闘い。
そして、この映画の中で語られる主人公・義龍の師の言葉、
「空手に先手無し。先に相手を攻撃してはならない」という究極の教えとは。
さらに興味深いお話は明日も続きますインタビュー後編もどうぞお楽しみに!
(取材+文+写真: 桑村ヒロシ、取材協力: 桜坂劇場

※只今、沖縄で先行上映中!(19日まで/桜坂劇場にて)
 10月13日(土)からは、いよいよ全国上映開始です。
 →詳しくは、公式HPにて!

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 桜坂劇場様より、映画観賞ペア券×2組にプレゼント。
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