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食事をしながら、飲みながら、沖縄民謡や島唄の三線ライブ、琉球舞踊を鑑賞できるお店は現在那覇市内だけでもたくさんありますが、これまでありそうでなかったのが“琉球古典音楽”の三線ライブを気軽に鑑賞できるお店です。

三線ブームといわれ、県内外での三線愛好者も増え、民謡だけでなく、伝統的な古典音楽の三線コンクールにも県内外からの挑戦者が増え続けているにもかかわらず、これまでは、“古典”というと、芸能舞台公演などで古典演奏を堪能する機会はあっても、民謡のようにライブハウスなどで身近に聴いて楽しむお店はありませんでした。

だからこそ、古典ファンが熱望し、観光の方からも「あったらいいな」と期待されていたのが“古典三線を鑑賞できるライブハウス”の誕生でした。

そんな古典ファンの声に応えるように、沖縄で初の“古典三線ライブ”を楽しめる“Cafe＆ライブ空間”が、９月11日・那覇にオープンしました。

開店したお店の名前は『てんてん』。場所は、世界遺産・首里城のすぐ近くにあるお花屋さんの２F。客席は30人ほどのスペースで、マイクを使わないライブが特徴で、真近で弾き方や息づかいまでも感じられるライブを堪能できます。

開店祝いとして初日から３日間は、野村流古典音楽保存会師範・山内秀吉さんと琉球箏曲保存会師範・上條三枝子さん２人のベテランコンビによる三線と箏の組合わせで、“琉球古典音楽ライブ”が行われ、『仲間節』『赤田風節』『伊野波節』『散山節』『辻懐節』など、10曲余りが披露されました。

古典の世界に初めて触れる方々にもわかりやすく解説を加えながら、数々の名曲の中から、古典三線コンクールの課題曲でおなじみの曲や、琉球舞踊で人気曲、十五夜にちなんだ楽曲などを幅広く披露。

ライブカフェ空間というスペースで楽しまれたお客様のほとんどが、
“古典というとどうしても敷居が高いイメージがあった”という方や、“ちょっと難しいなぁと思っていた”という方、また“身近で触れる機会がなかった”方など、舞台ではなくて“どこかで身近に聴いてみたかった”という方ばかりで、興味はあるがきっかけを探していた方々が、このお店に集っていました。

中には、県内でも遠方の伊江島や名護からもぜひ鑑賞したいと駆けつけた古典三線ファンの姿もあり、
「台風でしたが、どうしても聴きに来たくてフェリーに乗り伊江島から来ましたが、とても感激しました。古典三線を勉強しているので、こうした場所ができたことが何より嬉しいです。またぜひ聴きに来たいと思います。指使い、息の使い方までとてもありがたく拝見しました」と、こうした場所ができたことの喜びと、生で聴けることの感激がひとしおの様子でした。

『てんてん』は、これまでのどこにもなかった新しいコンセプトに、沖縄の“古典音楽”を専門としてライブを楽しんでもらうカフェ空間(スペース)として誕生。

古典ならではの演奏は、生のライブとしてじっくり聴いてもらい、
ライブ終了後にカフェで出演者とお客様と古典談義や三線、沖縄ゆんたくを楽しむカフェを併設。

今までのライブハウスや民謡酒場のように、飲みながら食べながら鑑賞するライブハウスのスタイルではなく、古典音楽はライブとしてその生演奏を、観て・聴いて・体感してもらい、そしてお互いが古典の話ができるような場になるように、とのこと。

古典はどうしても“難しい”と思われることも多く、なかなか気軽に交流や語らうスペースもなかったことから、“ライブだけでなく交流できる空間を”と誕生したのでした。


嬉しいことに、こちらのカフェには、古典愛好者やファン拡大のために、沖縄古典の大家といわれる秘蔵の名盤レコードや貴重な音源もコレクションされており、ライブ後には、そんな貴重な演奏音源をBGMにして、カフェ空間でゆんたくできるのもここだけの特別なひととき。

ゆっくり過ごすゆとりも、古典ならではの悠久の歴史を感じる時間としています。

なお、当面の古典ライブは毎週金曜日のみ。
（１F店舗Flower&cafe「フローリスト花枝」は毎日営業）
沖縄古来の伝統である“古典音楽ライブ”を開催し、より多くの人に気軽に古典の世界に触れてもらい、その魅力を感じてもらいたいと、古典愛好者など「我こそは」という出演者も広く募集していくとの事です。

そんなユニークなコンセプトで開店した古典音楽ライブが楽しめるCafe＆ライブ空間『てんてん』。
古典音楽にふれる機会に、ライブ体験はいかが？


Cafe＆ライブ空間『てんてん』
住所：那覇市首里山川１-７-2F
　　（首里高校正門向かい）
電話：098-894-7796
mail : tenten34@fs-hanae.com
Hp http://www.fs-hanae.com/tenten.htm
　　　※料金やライブ開始時間などはお気軽にお問い合わせください。

（文+写真: 吉澤直美、編集: KUWA、取材協力: てんてん）