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「まず何よりも最初に“テーマが大事”なんですよ。
今同じ時代に生きている人たちへの“fou You”だと思っています。」

——今回、阿部敏郎さんにとっては４年ぶりの新譜を出されるということですが、“赤いハート”のイラストが印象的なジャケットのCDですね。

阿部敏郎：もともとそれを表紙にする予定ではなかったのですが、僕が気にいってしまって、直感で“これだ！”と思いました。
宮古在住のデザイナー・斉藤さんがデザインしたものです。

——新曲は、タイトル曲にもなった『for You』と『元気出していこう中城』の２曲あるそうですね。

阿部敏郎：あとは、録音はすべて新バーションだったり、初めて録音をした曲なども多いです。また旧譜も収録されています。

——CDにはイクマアキラさん(D-51のプロデューサー)のクレジット名もありますね？

阿部敏郎：イクマさんは、１曲目の『for You』のアレンジなどを手掛けましたよ。

——この新曲があったからこそ、アルバムを作るきっかけになったそうですね。

阿部敏郎：南城市で毎朝朝日を撮ってブログに掲載している仲本勝男さん(カフェ『くるくま』のオーナー)のところに、ある朝その様子を見に現場まで行ってみた時に、
“あぁ、この光景を、この瞬間を歌にしてみたいな”、そして“その歌をプレゼントしたい”と思いました。
出来上がったその歌を仲本さんに贈った時にすごく喜んで頂いて、「ぜひ、この歌をCDにしてください」とお言葉を頂きました。
『for You』が生まれるきっかけはそのようなエピソードですが、出来上がってみるとこれは普遍的なメッセージだなということで、今同じ時代に生きている人たちへの“fou You”(あなたへのギフト)だと思っています。
そして“そういえば、しばらくCDを出していなかったな”と思い、また他の曲も「この歌をCDにしてもらえませんか？」というリクエストをたくさん頂いていたので、せっかくの機会なので全８曲入りにしました。

——歌を作る時、最初に歌詞から浮かぶのですか？

阿部敏郎：まず何よりも最初に“テーマが大事”なんですよ。

——沖縄に暮らしながらここ沖縄の地で製作されたアルバムですが、沖縄的エッセンスはあえて控え目にも感じられますね。

阿部敏郎：『元気出していこう中城』の前奏にはギターで『かぎやで風』のイントロが入っていますが、取って付けたみたいな感じになってしまうよりは自然体がいいなと思っています。
また歌詞には沖縄の地名が入っていますよ。久高島のカベール岬とか、与那原とか(今アルバムには未収録)、そして中城とかですね。あとは沖縄の神様で、アマミキヨという名前が出てきますね。

——これから沖縄を拠点に、どのような展望をお持ちですか。

阿部敏郎：どんどん活動のスケールが大きくなっているんですよ。自分でこうしようと計画した訳ではないのですが、自分で“波に乗っている”と感じています。お陰様ですよ。
那覇の母屋を今月いっぱいでクローズして、来年からまたこのお店を今度は南城市玉城にオープンする予定です。沖縄に来てから出会った人たちとタイアップでコラボレーションしてゆきます。

——最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

阿部敏郎：この７年という時間は、短いようでたくさんの影響を沖縄から与えられた期間だったと思う。
７年が経ちましたが、伝えたいことは今も変わっていないです。

「今、たとえあなたがどのような人生を歩んでいようとも大丈夫ですよ。心配ないですよ。」って、最後に一言だけ、皆さんにお伝えさせてください。

ブログ『いまここ』と『随(かんながら)神』で毎日更新していますのでお越しください。
→最初を読む「魂を込める。心を込める。それが相手に伝わる」(阿部敏郎)

→阿部敏郎・復活７周年記念特別ロングインタビュー[前編]('08.5.2掲載)はコチラ

●そのほかの阿部敏郎関連記事バックナンバー：
・阿部敏郎スペシャル・インタビュー［前編］('07.5.28掲載)
　→http://ryuqspecial.ti-da.net/e1587193.html
・阿部敏郎スペシャル・インタビュー［後編］('07.5.29掲載)
　→http://ryuqspecial.ti-da.net/e1588456.html


（取材: 桑村ヒロシ、取材協力: 母屋）