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宮良牧子×島幸子【対談】世願ぇ〜姉妹神ぬ祈り

宮良牧子_島幸子_対談
うちなーぐちで平和の世を願う詩を、アメイジング・グレイスのメロディーにのせて歌った宮良牧子さんの『世願ぇ〜姉妹神ぬ祈り』が感動を呼んでいます。魂を奮わす歌声の宮良牧子さん(石垣島出身)と、作詞をされた島幸子さん(伊是名島出身)との対談が実現しました。奇跡の中で誕生したこの歌とは。

——たくさんの歌がある中で、この歌『世願ぇ〜姉妹神ぬ祈り』を選んだ理由は?

宮良牧子×島幸子【対談】世願ぇ〜姉妹神ぬ祈り宮良牧子:『世願ぇ』を作詞された島幸子さんが育成された音楽ユニット「coi-na」(コイナ)が歌っているのを聴いたことがあって、そこから感じるものがあったんですよね。
“自然を通しての礼儀”って、島幸子さんがよくおっしゃられていますが、あらためて教えて頂けませんか?

島幸子:私たちには、先人達が行ってきたことから学ぶものがあってね。身近なところでは私の母から。両親は、そのまた両親から継いできました。

例えば、朝、茶盆に5つの茶碗のうち3つにお茶をさして、ひとつは家を守る神様のために、真ん中の茶碗が仏様(ご先祖達)へ、もうひとつが浮かばれない霊のためのものであると母から教えられていた。(あと2つはお客さん用と、旅のお客さん用に)
そうやって毎朝仏壇に報告をして、そして「どうか見守ってくださいね」と祈っていた。

そこから感謝し一礼して、仕事に出てまた家に戻ってきたら一礼して。暮らしの中にそういうのが自然にあったんですね。先人たちからの教えとは、“感謝”と“礼儀”が自然なんですね。

それが(その心が)実はとても大事な事だったんだなと、今の社会の状況などを見て、ちょっと私を動かすものがあったんですね。

いろんな宗教があっても、様々な考え方があっても、みんなが願うのは“平和の世”だよ、というのが両親からよく聞かされていたものですから。

私の実家の仏壇の上には、キリスト教でも無いのにイエス様が飾られていたりして、子供の頃から“なんで仏壇の上にイエス様が飾られているんだろう?”なんて思いながら。そしたら、
「みんな兄弟で一緒だよ。向こうの神様も平和を願っているんだよ」って。
その言葉に感動して。だから、これを伝えなければいけないな、って思っていたんです。

さらにエピソード話を続けると、私は『世願ぇ』の原曲となっている『アメイジング・グレイス』を知らないまま、うちなーぐちの詩を作詞していたんですよね。私が感じた通りに作ってみました。
イエス・キリストを讃えた歌だと知ったのは随分あとの話で、私は自然を讃えた歌詞を作っていました。

——沖縄は自然信仰でもあるので、自然=神ということで一致していますよね。

島幸子島幸子:だから凄い!と大変驚きました。ご先祖達の教えがとても大事なものだという事を、あらためてその時に思いましたね。

私は交通事故に遭い、声を失っていた時期があり、歌手活動は出来なくても、それを詩に書いて後輩たちにその大切な部分を歌ってもらえたらと、それが詩を書くきっかけだったんですね。

そこにcoi-naのメンバーたちとの出会いがあって、彼女たちにこの歌を歌ってもらい、そして今度は、宮良牧子さんがキャッチしてくれて歌ってくださることになりました。この歌をどんどん歌っていくことで、平和への想いが拡がっていくと思いますね。

——宮良牧子さんが“キャッチした”というのは?

島幸子:彼女の場合、“魂を感じている”というところですね。
ですから琉歌のツラネを入れるのにcoi-naの時は“神様〜”と強く祈るという感じで収録しましたが、宮良牧子さんの時には、暁の太陽が昇るように、おじいちゃんやおばあちゃんたちが自然に唱えるように入れました。

宮良牧子:レコーディングの時って通常は立って録音するのですが、島幸子さんのツラネを収録する時は、床に正座してふだんお家で唱えている時のような感じで、自然体で録音して頂きましたね。
ツラネの言葉も、謡うというより、強く“お願い”というよりは、自然体で話す感じでやるほうが通じるような気がしたし、そのほうが想いも強いような気がするんですよね。

島幸子:また、マッキー(宮良牧子)の声自体も、自然体で魂が籠もっているように感じますよね。

マブイウタ——そういう事だったのですね。だからか、この1曲目の『世願ぇ』が、アルバム『マブイウタ』を物語っているように感じましたね。

宮良牧子:周りのみんなからは、「ダントツで“マブイウタ”がいいよね」って言われるんですけど、『マブイウタ』はタイトルであってそういう曲目は実は無いのですが、それだけ1曲目の『世願ぇ』が、アルバム『マブイウタ』を代表しているような曲だという、そんなエピソードもありましたね(笑)。

——この曲は、エンヤの録音のように、ボーカルを重ねて録音するのに大変時間を掛けた作品だとお聞きしました。

宮良牧子×島幸子【対談】世願ぇ〜姉妹神ぬ祈り宮良牧子:ちょうどこの曲のレコーディング時期にプロデューサーの赤川さんが3週間も海外出張しなければならなくなるというエピソードがありました。
「僕が帰国するまでの間に、世界観を音で表現できるものを用意しておくように」と言い残して彼は海外へ。
赤川さんの頭の中ではエンヤなどのイメージもあったみたいなんですが、それよりもさらにもっと“神”という(神々しい)イメージがあって、彼からはその一言だけが伝えられただけでした。

そのあと、残されたスタッフみんなで真剣に考えましたよ。実はそうやってプロデューサーが旅に出てくれた事がマイナスではなくプラスにもなるような、そういう偶然がたくさん重なって、そして必然的な流れに導かれるように生まれた作品でもあるんです。

——プロデューサーの赤川さんが帰国してからの感想の第一声はどんなコメントでしたか?

宮良牧子:「よく頑張った」と言われました。(想定していた以上のものだったそうです)

島幸子:そんなエピソードがあっただなんて、私も今日知りました…。(と感慨深く)

宮良牧子:制作前のイチオシ曲の予定では、五輪真弓さんの『少女』(6曲目)だったり、『サンゴぬファーの物語』(3曲目)だったので、それが実際に出来上がってみると圧倒的に『世願ぇ』がイチオシ曲になっていました。ぜひ聴いて頂きたいです。

※宮良牧子の『世願ぇ』が収録されたCD『マブイウタ』はこちらから購入可能です→

——最後にもう一言、読者の皆さんへメッセージを。

宮良牧子:詩とメロディーには歌の魂がもともとあって、そこに導かれるように歌っていった歌なので、今度はそれを聴いてくださった方がそれぞれに“自由に”聴いてもらえたらなぁと思っています。

※宮良牧子単独インタビュー記事はコチラ→
※宮良牧子CD『マブイウタ』はAmazonでも購入できます→
※宮良牧子公式HPはコチラ→

(取材: KUWA、取材協力: aten recordings)


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Posted by ryuQ編集室 at 2009年03月05日   09:00
Comments( 2 ) 沖縄の人々
この記事へのトラックバック
宮良牧子“マブイウタ”インタビュー 宮良牧子×島幸子【対談】世願ぇ~姉妹神ぬ祈り (以上 ryuQ より) 僕も知らないエピソードが満載でした! なんと「世願ぇ」はイチオシ曲だったの...
宮良牧子さんのインタビュー記事が掲載 【 midunoな日々 】at 2009年03月06日 01:12
この記事へのコメント
うたに、声に感動して涙がこぼれます

ありがとうございます

うちなーんちゅに生まれた事、最近とても

誇りに感じます

この土地のパワーをしっかり感じるから!

早速CD購入しますね
Posted by CREARECREARE at 2009年03月05日 21:07
CREAREさん、コメントありがとうございます。
ほんとうに、心を打つ歌ですよね。

もしこの記事を読まないで何も知らないまま聴いたとしても、
感動の涙がこぼれてくる歌ですよね。

さらにこの歌のことをお聞きすると、こんなにも背景があったことに、
しみじみと納得させられました。

表現者は、何かを伝えたくて“歌”にその想いをこめて
メッセージにしている方々もいらっしゃるんだなと、
ryuQのインタビューを続けてきてそう感じているこの頃です。

(ryuQ編集部・KUWA)
Posted by ryuQ編集室ryuQ編集室 at 2009年03月06日 10:27
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