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東久邇宮文化褒章受賞した沖縄のオペラ歌手・金城久美子

金城久美子インタビュー
今年3月に東久邇宮文化褒章を受賞した沖縄のオペラ歌手・金城久美子さんが、8月15日(日)には南城市のシュガーホールで、イタリア壮行公演『美ら星、地球へ ーイタリアの音楽と沖縄のうたー』を開催します。沖縄の昔の音楽を掘り出し、現代音楽のオペラと融合させて表現するその世界観。そして「琉球ぬ、美ら島。忘りなよ、肝心。語やびら、万人とぅ」というアマミキヨからのメッセージを即興で歌う予定とのこと。ヒーリングシンガーでもある金城久美子さんのドキュメンタリーを今回ご紹介したいと思います。

■子供の頃“息を吸えるというのはなんて有り難いことなんだ”と思った

金城久美子金城久美子:私は生まれて間もなく、風邪がこじれて、気管支炎、肺炎、百日風邪、ぜんそくなど、のどや肺の部分が病気になり、小学生の頃までに何度も医者から見放されたこともあるくらい、とても虚弱体質でした。

夜中に発作が起こると、母が私を抱えて近くの病院に裸足でかけていくんですよ。抱きかかえる母親の心臓のドキドキとする音と病院のシャッターを叩く音が、私の頭の中に今も記憶が残っていますね。

だから子供の頃は、“息を吸えるというのはなんて有り難いことなんだ”と思っていましたね。
こういうことを乗り越えてきたのは、ある意味プラスですよ。生きるバネになる。息が吸えていることが、今この瞬間も感謝ですよ。

小学校にあがっても学校で倒れることがしばしばで、学校に行けない日も多くて友達が出来ないということと、外で遊ぶ事ができないというのが辛かったですね。

家でおとなしくしているしかないので、縁側に出て花に水まきをするんですよね。すると、花がいきいきとするので、「花さん花さん、お水をどうぞ~♪」と自分で歌を作って歌うのが、自分の日常の遊びでした。

小さい頃からピアノを習いたかったのですが「あなたは身体が悪いからダメ」と言われ続けていました。その願いが叶ったのは高校を卒業手前で、「やっぱりどうしても音楽の学校に通いたい!」と相談したら、ようやく通わせてもらうことができました。音大を受験するため、自宅の壊れたオルガンで猛練習しましたね。それでも間に合わないので、一浪して声楽に転向し、念願の音大に入学できました。

■オペラ歌手を目指して一生懸命に積極的に前向きに生きることで好転していった

金城久美子金城久美子:音大1年生の頃、“日本の3ヶ月はイタリアの1週間”といわれ、イタリア国立ジュゼッペニコリーニ音楽院へ7年間イタリア留学しました。イタリアのパロマで有名な歌手(3大テノールのパバロッティーなど)を何十人も診て来た先生にみてもらった時に、「肺もなにもかもが弱いですね。でも、あなたのいいところは、小さな声をどこまでも伸ばせるところ。繊細なピアニッシモの音からあなたの持っている声で聴かせたら、すごくいいような状態で聴けるのでそれを活かしなさい。ピアニッシモをあなたの得意とするものにしなさい」とアドバイスを頂きました。
卒業後は、イタリアでオペラ歌手としてデビューし、いくつかの舞台を経験して、さぁこれからというところで琉球大学の恩師に呼び戻され、帰国して活動の拠点を沖縄に移したのです…
■自分の中に流れている血が、沖縄と西洋音楽を融合させ表現することに

金城久美子:沖縄に帰ってきた時に、カチャーシーを見て「沖縄にはこんな素晴らしいものがあるんだ!」と感激して涙しました。
いろんな人が喜びを分かち合う、それを身体いっぱい使って表すもの。そこを見ないで海外にばかり目を向けているなんてと、私の中に流れている血が沖縄の音楽と西洋音楽を融合させて表現することになりました。
CD作品
五線譜で表現できない歌もいっぱいあるわけで、だからといって民謡を歌っているから表現できるものでもなく、オペラなど西洋音楽を歌えるからといって簡単に歌えるわけでもない。

ではどうするのか。求めているものは自分の中から出てくるものなので、いつも内観して探っているんですよ。自分がこれまで培ってきた経験以外のものは、自分の内側に答えがあると思っているんです。なんども輪廻転生してきた魂はたくさんの経験を積んできているはずなんです。だから、自分の魂はそれを知っている。それを何が邪魔しているかというと、自分の頭(思考)とかがね。今生で生きてきた環境に左右されている。でも、魂のこれまでの経験を活かせば無限。

自分の内側(魂)からそれを引き出す、金城久美子という肉体をとっぱらって、魂でコンタクトを取れば。そういうことを、ふっと気付かされたんですよ。声だけの世界でなく、ウムイもまた重要になってくると思います。

■8月15日に、世界にも通じる平和の想いをみなさんと一緒に共有したい

美ら星、地球へ。イタリアの音楽と沖縄のうた金城久美子:8月15日(日)のコンサート『美ら星、地球へ ーイタリアの音楽と沖縄のうたー』(会場:シュガーホール)は、第1部では私がイタリアで培ってきたバロック音楽とオペラを、そして第2部に今年沖縄タイムス賞を受賞された作曲家・杉本信夫先生の作品で構成します。

第2部では、アマミキヨは島づくりをした神ということですが、どんなユートピアを目指して何をしたかったのかを探ると、今の時代の姿とはかけ離れているのかもしれません。欲がはびこり、戦争がいまだにあったりします。今では、かけ離れてしまっているということを、少しだけでも気づくだけでもいい。それを私は音楽で表現したいと思っています。

「琉球ぬ、美ら島。忘りなよ、肝心。語やびら、万人とぅ」。それをアマミキヨのメッセージとして、コンサートの後半に即興で歌う予定です。

これを沖縄から発信していくのですが、世界にも通じると思っているんですね。来年のイタリア公演に向けて、8月15日という日をきっかけにできたらと思っています。みなさんと同じ空間で共感し合えることができるようにできれば、嬉しいなと思います。

♪『美ら星、地球へ ーイタリアの音楽と沖縄のうたー』
日時:8月15日(日) 開場13時半、開演14時
場所:南城市文化センター・シュガーホール
   住所・沖縄県南城市佐敷字佐敷307(→地図はコチラ)
料金:全席自由2500円、学生2000円
出演:金城久美子、喜納健仁、渡久地さおり他
問い合わせ:FAX098-886-1466(天地人アートスタジオ)

(取材: 桑村ヒロシ、取材協力: イタリアと沖縄を結ぶ実行委員会)



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Posted by ryuQ編集室 at 2010年08月13日   09:00
Comments( 0 ) 沖縄の人々
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