宮良牧子“マブイウタ”インタビュー

本日3月4日・三線の日にご紹介するアーティストは、石垣島生まれの歌姫・宮良牧子。天声の歌声とsoulを持ち、'05年にデビューし、'06年は沖縄&ハワイのスピリッツを伝える音楽ユニット・チュラマナを結成し2枚のアルバムをリリース。'07年には日本郵政のコンピレーションCD『手紙日和』でテーマソングを歌った宮良牧子。そして'08年には2ndアルバム『マブイウタ』を発表した。彼女の放つ“マブイウタ”(魂の歌)について伺ってみた。
——昨年秋に、3年ぶりのアルバムをリリースされましたが、沖縄での凱旋ライブとしては、先月ふるさとの石垣島でライブをされたそうですね。

今回のCDジャケットのイラストは、pokkeさんも私の音源を何度も聴いてくださって、そのインスピレーションで描いてくださったものでした。
——前作のレコーディングでは一発撮りに近い状態であえて録音された作品だったと伺いましたが、今回のレコーディングはいかがでしたか?
宮良牧子:そうですね、前回はギター・三線・ボーカルが同じブースの中で、“せーの”でほぼ一発で同時に録ったんですが、録り直しは一切効かないような状況の中であえて録ったんですね。
でも今回はきちんとブースも分けて、とくに歌の部分は何度も録らせてもらいましたね。というのも今回は、贅沢にも時間を気にしないで録れるスタジオがあったものですから。

——それが、ほぼ1本のテイクでほとんど収録できたそうですね。
宮良牧子:そうなんですよ。通常レコーディングといえば、歌の1番はこのテイクで2番は他のテイクをつなげたりしたりもする場合もあるのですが、今回は不思議で、1つのテイクで収まっていきました。
——今回、タイトルに“マブイウタ”(魂の歌)と名付けたのは? やはり魂のこもった歌、ということでしょうか?
宮良牧子:私の歌が“マブイウタ”と言いたい訳ではなく、その歌が元来持っている音魂・言魂、そのエネルギーを受けて出した表現したというのが、今回のタイトルとなりました。
——また宮良牧子さんの歌声そのものにも“魂の歌だな”って感じておられるお客さんも多いのではないでしょうか。まわりのお客さんからの声はいかがですか?
宮良牧子:そう思って頂けるとしたらとても嬉しいです。
お客さんからも、感動したとか、歌を聴いて鳥肌が立ったとか言われることがあります。
——今回、いろんな曲に挑戦されていらっしゃいますけど、この1枚を通して、あぁ宮良牧子さんだなぁって感じる曲が多いですね。
その中でも今回、意外な選曲だなって思ったのが、五輪真弓さんのデビュー曲『少女』(1972年作)。
宮良牧子:みなさんによく言われますね(笑)。
その歌の時代にはまだ私は生まれていないんですが、ディレクターの赤川さんが私に歌わせたい曲ということで、一度聴かせて頂いたら、とても惹かれました。

——37年前の曲ということで自分もよく知らなかったのですが、こうやって若手の宮良牧子さんが昔の名曲を歌うことで、また僕らもその歌に触れるいいきっかけになったと思います。
宮良牧子:今回の選曲はある意味みなさんを惑わせているかもしれませんね(笑)。
——そのストリングスアレンジが金子飛鳥さんなんですね。
宮良牧子:金子飛鳥さんの演奏って大地を思わせてくれるようですよね。
たとえば、3曲目の『サンゴぬファーの物語』でも弾いてくだっているんですが、サンゴの母が歌い出すと言っただけでチェロを合わせてくださったり、そのストリングスだけでも物語がわかるような演奏をしてくださいました。
——今回はそのように、金子飛鳥さんやドーナル・ラニーさんなど、ゲスト陣も豪華ですよね。
宮良牧子:ドーナル・ラニーさんには、私のオリジナル曲『平和の女神』(9曲目)のアレンジをしてくださいました。アイルランドの大御所の方なので、最初、どう接していいのか分からなかったのですが、とても温かい方でしたね。
この『平和の女神』の作詞は宮良高司となっていますが、私のおじいちゃんです。もう他界してしまっているのですが、詩を書くのが好きなおじいちゃんでした。
詩集に掲載された詩は、歌の1番のみでしたので、2番・3番の歌詞は私が付け加えました。
かつておじいちゃんが出版した詩集にはカテゴリー別にまとめられていて、その中で“きみ子”というカテゴリーがあるんですが、きみ子というのはおじいちゃんの娘(私の叔母にあたる)でダウン症で生まれてきたのですが、そのきみ子叔母について話が多かったですね。“私たちがいなくなったあと、この子はどうなるのだろう”とか心の内が綴られていました。ふだんはそういう事を口にしたりはしないのに、詩を読むと、そういう事を抱えていたんだなぁというのがわかりました。
ですのでそれを私がまとめて、またその詩を歌う事によって、少しでもおじいちゃんの為に何かなればと思いながら。そしてその詩をイメージして歌のタイトルを『平和の女神』と名付けてみました。
——そのようなエピソードがあったんですね…。
それから、同郷の石垣出身の大島保克さんの曲『生り島離り』(5曲目)を、同じく石垣出身の新良幸人さんが三線で演奏をされていますね。
宮良牧子:私は石垣島を離れ、今東京で活動しているので、私にとっても『生り島離り』なんですね。そして同郷の先輩に三線を弾いてもらいたくて、今回も幸人さんにお願いしました。また、幸人さんの名曲『ファムレウタ』(2曲目)も、雰囲気そのままに歌ってみたりしました。
——10曲目の『心の星』は、デビューアルバム(同曲は前回未収録)のタイトルと同じですね。
宮良牧子:ファーストアルバムと同じタイトルですが、この曲は収録されていなかったんですよ。でもそのアルバムのイメージが『心の星』でぴったりきていたので、タイトルだけ『心の星』と付けていたんです。
デビュー以降、ライブでは毎回歌っている歌なのにファーストアルバムには収録されなかったので、それでセカンドアルバムには絶対この曲は収録したいと思っていました。この曲はずっと温めて成長させて来た曲なので、今回それが叶い嬉しいですね。
——ファーストのタイトル名であり、セカンドのラスト曲である、というのも意味深そうですね。
宮良牧子:そうですね。1枚目の題名として始まり、2枚目にラスト曲に終わり、また戻る…。(輪廻転生のような)
——そのほかにもエピソード話があればぜひお聞かせください。
宮良牧子:また詳しくは島幸子さんとの対談でお話しますが、1曲目の『世願ぇ』のコーラスが、1パート5人分をひとりで4回も録ったので、全部で20人分のコーラスパートを重ねて録音したんです。そのあたりが時間も掛かって根気のいる作業でした。
(またこの曲について詳しくは、[後編]の島幸子さんとの対談コーナーにて)
——今後の沖縄でのライブ予定もお聞きしたいなと思うんですが。
宮良牧子:ライブのほか、チュラマナ(ハワイ&沖縄音楽のユニット)として夏頃にアルバムを出す予定でこれからレコーディングに入りますので、また夏頃にみなさんの元に戻ってきたいなと思っています。
([後編]の記事はコチラ→)
※宮良牧子公式HPはコチラ→
※島幸子さんと宮良牧子さんの対談記事はコチラ→
※チュラマナのインタビュー記事はコチラ→
(取材: KUWA、取材協力: aten recordings)
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