中江裕司監督最新作映画『さんかく山のマジルー 真夏の夜の夢』
■沖縄版・真夏の夜の夢『さんかく山のマジルー』
“琉球王朝時代からキジムンたちが守ってきた世嘉富島(ゆがふじま)。しかしキジムンたちは人間に忘れられると消え去る運命になってしまう…。島で最後となったキジムン・マジルーと、東京で恋に疲れて帰ってきたゆり子。三角山がそびえる緑豊かな島で、忘れてしまった大事な何かを取り戻すべく、夢の舞台の幕が降りた”
中江裕司監督の新作映画『さんかく山のマジルー 〜真夏の夜の夢〜』が、2009年7月18日(土)より沖縄先行上映にはじまり、7月25日(土)からはいよいよ全国上映する。
W・シェイクスピア原作、喜劇形式の戯曲『真夏の夜の夢』(邦題)に登場する人間と妖精の物語をベースに、こちらは人間と精霊(キジムン)が繰り広げるファンタジック・ラブコメディーに大胆アレンジ。
キャストとして沖縄県内からは平良とみ、平良進、吉田妙子、玉城満、津波信一、照屋政雄ほか、そして主役・ゆり子役には柴本幸(NHK『風林火山』由布姫役)、その相手役として和田聡宏(『ホテル・ハイビスカス』では能登島役)などが出演。
さらにゆり子の子供時代の役・中村玲月(なかむられいな・小1)と、『ホテル・ハイビスカス』ではウーマクー美恵子を演じた蔵下穂波(くらしたほなみ・高1)がなんと今回はキジムン・マジルー役に! 2人とも、数千人のオーディションを勝ち抜いて見事出演となったようだ。
■監督を交えた3人の記者会見の様子を特別レポート
中江監督:まずゆり子の子供のころの役である中村玲月さんからですが、約1ヶ月間、小1から小3の小学生たちに沢山会ってオーディションをしていたんですが、木を蹴るシーンがあるんですね。オーディションでは木の代わりにゴザを蹴飛ばしてもらったのですが、ガンガン蹴飛ばして5メートル、10メートルと動いていくんです。そのパワフルさと、オーディションをする度にどんどんくなっていくんですね…。オーディションの時に一番良い子を選ぶのではなく、撮影(本番)の時に力を発揮できる子は誰かな、と思っていた時に中村玲月が良かったんです。
次にマジルー役の蔵下穂波さんですが、ご存知の通り『ホテル・ハイビスカス』では美恵子役で一緒に撮影していたのでよく知っていたんですが、キジムンは男でも女でもないんですが、自分はしゃべり方が男の子だと思っていたので、男の子を中心に探していたんです。実は沖縄県内だけではなく何回も東京に通い、千人近く会ってオーディションをしたんです。
穂波は一次のオーディションでは演技ができる状況になっていなかったんです。ホテル・ハイビスカスから5年。どういう生活をしていたか知りませんけど、“今回は難しいかな”という状態だったんですが、もう少し可能性をみようということになりました。
囲み取材後、本人にも伺ってみると、学校でも演劇部に入るなどということもなく、確かに『ホテル・ハイビスカス』以後はまったく演ずる環境は無かったそうだ。
「人間役じゃなかったことや、演技をしていないブランクがあったことから、キジムン役は難しかったんだと思う」と監督は述べた。
中江監督:東京での最終オーディションの時に演技をしてもらうんですね。そこは会議室だったのですが、最終オーディションの時に穂波の背景に森が見えたんですよね。皆、マジルーの演技はしていたけど、“マジルーになっていた”のは蔵下穂波だけだったんですよね。
こうして審査員満場一致でマジルー役が決定したそうだ!
■オーディションにあたって(出演者・蔵下穂波と中村玲月)
蔵下穂波:オーディションではマジルーのイメージがつかなかったんですが、とりあえずやってみようという感じでやっていると、最終オーディションで急に耳鳴りがして、(あ、マジルー来たなー)と思って、マジルーが自分の中に居て、オーディションでそれを出したら合格だった。実際撮影に入ったらロケ地の伊是名島の環境もあって、もっとマジルーになれた気がしました。
中村玲月:オーディションで書類と写真を送った時には「前歯がないから受からないよ」と冗談で言ってたんですが、受かったから良かったです(笑)。オーディションはいろいろあって面白かったです。
また実際の撮影の時には、初めて乗る船で伊是名島に行けたこと。撮影現場にはいろんな人がいてちょっと緊張したけど、楽しかったです!
■中江祐司監督に質問!
ryuQ編集部:この映画を通して、一番伝えたかったことは何ですか?
中江監督:人間は自分たちだけでは生きていけないと思うんですよね。
それは個人・家族・地域・植物・土地というあらゆるもの…、この世界は目に見えないもの…、それは精霊とかそういうものだけではなくって、人の気持ちとか想いっていうのは目に見えないですよね。
そういうものと共にいるという感覚…、昔の人、特に沖縄の人は持っていたと思うし、かつて日本もそういうのはあったと思うんですね。忘れてはいるけど、失ってはいないはずだから思い出せるのでは?と思って、“自分たちだけで勝手に生きているわけではない”と思って創ってみました。
ryuQ編集部:目には見えないものを映像で表現するのは難しいと思うんですが、どういうところが表現が難しかったですか?
中江監督:マジルーの『弥勒節』。聞こえたり、聞こえなかった声が聞こえたり。
映画の中では聞こえるんですけれど、普通、映画的に盛り上げるなら島人たちが感動してる様子でいいんですけど、マジルーの歌声だけですべてを伝えたい、そこにすべてがある、という風に出来ないかなと思っていたんです。
3ヶ月間、『弥勒節』を練習していたという穂波。この最後のシーンでは蔵下穂波ではなく、完全に“マジルーとして”唄っていた、と監督は言う。
マジルーが全身全霊を込めて歌う『弥勒節』は、映画の中でもハイライト・シーンだが、歌と声にはかなりの集中力やエネルギーが必要なのだろう。撮影は真剣勝負で本番1回ないし2回しかチャンスは無かったそうだ。実際、夢の中にいるようなとても不思議なシーンとなっているので、ぜひ劇場でお楽しみに。
ryuQ編集部:ところで伊是名島を撮影ロケ地に選んだ理由は?
中江監督:以前『パイナップル・ツアーズ』という映画を伊是名島で撮影していて、実は本音を言うとここでは撮りたくなかったんです。以前と同じ島で撮るということに、モチベーションが維持できるかというのが不安だった。初めての島の方がいいのではないか?と。元々沖縄のいろんな島には行ってはいたのですが、森が舞台になっているので、森があって山があって水があることで、木が大きくなるので森が豊かだった。だから伊是名島以外には考えられなかった。
私は一人でロケハンに行くんですが、撮影した“さんかく山”は伊是名城(いぜなぐすく)という所で、島の端っこにあるので船が入るのが見えるんです。その山の上で“キジムン・マジルーはこうやって何年も何年もゆり子が来るのを待っているのかな”と思ったりしました。
これまでも沖縄を舞台にしながらも沖縄そのものについてが描かれるというより、恋や子供たちなどのハートフルさをテーマに描いた作品が多かったが、今回監督が試みたのは、人が生活していくうえで大切なこと、“いろんなものと共に生きている・一人ではない”といったような、沖縄から教えてもらった大切な部分を映画を通して伝えたいという。
森の風景、自然に宿る精霊、海に囲まれた島という場、恋や結婚、人間、文化などが盛りだくさんの映画『さんかく山のマジルー 〜真夏の夜の夢〜』。
この映画を観終わった時、何を感じるか…。
あなたもマジルーが伝えたかったことを感じてみて下さい♪
→『さんかく山のマジルー』試写会でのクチコミ情報を検索:
(※今回は特別にてぃーだブロガーの皆さんもクチコミ隊として記者会見に参加!)
◎『さんかく山のマジルー 真夏の夜の夢』の上映に先駆けて、沖縄県内では、あの世界遺産・中城城跡にて『先行野外上映&モーアシビLIVE』が開催決定!
映画上映、役者挨拶、歌、沖縄芝居、獅子舞、飲食出店の大イベント!!
日 程:7月4日(土)、5(日)の2日間限り(小雨決行)
会 場:中城城跡(世界遺産)・二の郭
開 場:午後5時30分、開演:6時45分
料 金:前売2,000円、当日2,300円
小中学生当日1,000円、未就学児は無料
(中城城跡入場料300円含む)
出 演:藤澤ノリマサ(4日のみ)、神村るみ子、平良進、平良とみ、照屋政雄、
獅子舞、桜坂市民大学劇団、普久原明(司会)
前売券:桜坂劇場、リウボウ8FPG、ローソン各店、ファミリーマート各店、
コープあぷれ、他。
お問い合わせ:098-860-9555(桜坂劇場)
※『さんかく山のマジルー 真夏の夜の夢』上映情報:
7月18日(土)より、那覇・桜坂劇場、リウボウホールにて先行ロードショー決定!
7月25日(土)より、シネカノン有楽町2丁目、シネマート新宿ほか、にて全国ロードショー決定!
(※ちなみに、全国ロードショーの際のタイトルは『真夏の夜の夢』のみ。フライヤーも沖縄仕様、全国版仕様はそれぞれ違うのだそうです)
監 督: 中江裕司
製 作: 佐々木史朗、川城和実、久松猛朗、李鳳宇、武政克彦、多井久晃、白石弘幸
プロデューサー:佐藤美由紀、新井真理子、上山公一
原 作:ウィリアム・シェイクスピア
脚 本:中江素子、中江裕司
撮 影:高間賢治
美 術:中岡陽子
編 集:宮島竜治
配 給:オフィス・シロウズ、シネカノン、パナリ本舗
製作国:2009年日本映画
上映時間:1時間45分
キャスト:
柴本幸、蔵下穂波、 平良とみ、平良進、和田聰宏、中村優子、吉田妙子、親泊良子、照屋政雄、玉城満、晋久原明、津波信一、川満聡、島袋寛之、高宮城実人、小波津正光、中村玲月
公式HP:http://www.natsu-yume.com/
公式BLOG:http://majiru.ti-da.net/
(文: YANTY藤原、編集+撮影: KUWA)
映画上映、役者挨拶、歌、沖縄芝居、獅子舞、飲食出店の大イベント!!
日 程:7月4日(土)、5(日)の2日間限り(小雨決行)
会 場:中城城跡(世界遺産)・二の郭
開 場:午後5時30分、開演:6時45分
料 金:前売2,000円、当日2,300円
小中学生当日1,000円、未就学児は無料
(中城城跡入場料300円含む)
出 演:藤澤ノリマサ(4日のみ)、神村るみ子、平良進、平良とみ、照屋政雄、
獅子舞、桜坂市民大学劇団、普久原明(司会)
前売券:桜坂劇場、リウボウ8FPG、ローソン各店、ファミリーマート各店、
コープあぷれ、他。
お問い合わせ:098-860-9555(桜坂劇場)
※『さんかく山のマジルー 真夏の夜の夢』上映情報:
7月18日(土)より、那覇・桜坂劇場、リウボウホールにて先行ロードショー決定!
7月25日(土)より、シネカノン有楽町2丁目、シネマート新宿ほか、にて全国ロードショー決定!
(※ちなみに、全国ロードショーの際のタイトルは『真夏の夜の夢』のみ。フライヤーも沖縄仕様、全国版仕様はそれぞれ違うのだそうです)
監 督: 中江裕司
製 作: 佐々木史朗、川城和実、久松猛朗、李鳳宇、武政克彦、多井久晃、白石弘幸
プロデューサー:佐藤美由紀、新井真理子、上山公一
原 作:ウィリアム・シェイクスピア
脚 本:中江素子、中江裕司
撮 影:高間賢治
美 術:中岡陽子
編 集:宮島竜治
配 給:オフィス・シロウズ、シネカノン、パナリ本舗
製作国:2009年日本映画
上映時間:1時間45分
キャスト:
柴本幸、蔵下穂波、 平良とみ、平良進、和田聰宏、中村優子、吉田妙子、親泊良子、照屋政雄、玉城満、晋久原明、津波信一、川満聡、島袋寛之、高宮城実人、小波津正光、中村玲月
公式HP:http://www.natsu-yume.com/
公式BLOG:http://majiru.ti-da.net/
(文: YANTY藤原、編集+撮影: KUWA)
【ryuQ最新記事】
今月のryuQプレゼント!!
プレゼント情報をもっと見る>>
今月のryuQプレゼント!!
プレゼントの応募は下記の応募フォームからご応募ください。
※酒類のプレゼントへの応募は20歳未満の方はご応募できません。
応募フォームはこちらから
ryuQは携帯からでも閲覧できます!!
ブログランキング【くつろぐ】
ランキングはこちらをクリック!人気ブログランキング【ブログの殿堂】
にほんブログ村 沖縄情報
この記事へのトラックバック
沖縄県伊是名島で撮影された映画「さんかく山のマジルー 真夏の夜の夢」の試写会に行って来ました。「ナビィの恋」「ホテル・ハイビスカス」などの中江裕司監督作品です。マジルー役...
映画「さんかく山のマジルー 真夏の夜の夢」
【
ヤポネシア南島通信
】at
2009年05月18日 16:37
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
てぃーだな特集新着記事
お気に入り
QRコード
読者登録(更新のお知らせ通知)
アクセスカウンタ
ryuQ特集記事>検索
バックナンバー
ryuQプロフィール
ryuQ編集室
カテゴリー
観光・レジャー (70)
グルメ (29)
ビューティー (6)
アウトドア・スポーツ (3)
エンターテイメント (6)
沖縄の芸能・文化 (36)
ビジネススタイル (1)
暮し生活 (41)
趣味・遊び・お得 (100)
健康・医療 (3)
沖縄の人々 (196)
ペット・アニマル (12)
沖縄の匠 (10)
THE泡盛 (14)
壁紙 (57)
ショップ紹介 (29)
三線 (15)
ECOライフ (8)
戦争と平和 (16)
スピリチュアル (11)
沖縄のスポーツ (11)
CD新譜情報 (35)
映画情報 (23)
南島詩人・平田大一『シマとの対話』 (75)
ryuQ編集部から (4)
琉球百科シリーズ (163)
エイサー (10)
写真でみる沖縄 (7)
新製品情報 (8)
過去記事・月別に表示