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昨年12月、25カ国から700作品が参加し、シンガポールで開かれた国際映画祭『第五回アジアン・フェスティバル・オブ・ファースト・フィルム』で、沖縄県出身・宮平貴子監督の『アンを探して』(Looking for Anne)が、最優秀作品賞と最優秀監督賞の２冠に輝きました。

この映画祭では初の日本作品の受賞ともなったことを祝し、１月９日より、北谷町のミハマセブンプレックスでは、受賞作・映画『アンを探して』を凱旋上映中！ 今後は全国各地で上映が展開される予定です。
沖縄県出身・宮平貴子監督に受賞の喜びの声などを伺いに、お会いしてきました。

——このたびは初の長編映画監督を務めた作品で、日本人初ともなる受賞おめでとうございます。Ｗ受賞(最優秀作品賞／最優秀監督賞)となられた快挙も素晴らしいですね。重ねておめでとうございます。

宮平貴子監督：名前が呼ばれたときには、まさか自分が受賞するとは思わなかったので、すごくびっくりしました。とても嬉しかったです。フェスティバルの開催に合わせて、実はシンガポールには一人で行っていまして、各国から参加した関係者と交流したり、会場では他の国々のエントリー作品を拝見して、どれもがクオリティが高く、みなさん初監督作品だからこそ思い入れが強く感じられました。
アジアの映画祭ですから、インドなどアジアをテーマに描かれたものも多い中で、私の監督した映画『アンを探して』はカナダが舞台の作品ですので、まさか自分の作品が選ばれるとは正直思いもしませんでしたので、とても名誉なことと嬉しく、応援してくれた方々に感謝しています。

——最初の作品で大金星となったわけですが、日本の作品としてもこのフェスィバルで初受賞という快挙になりましたね。

宮平貴子監督：光栄なことで、とても嬉しく思います。

——映画『アンを探して』は、沖縄では昨年(2009年)那覇の桜坂劇場で上映されまして大変好評でしたが、新年早々、今度は受賞記念として北谷町のミハマセブンプレックスで凱旋上映され好評です。今どんなお御気持ちですか？

宮平貴子監督：独立系の映画が大きな映画館で上映していただけることは、稀なことで、大変嬉しいです。新人監督の作品が、大手の劇場で上映されることは前例が無いといわれるほど、特別な機会をいただいていることに感謝しています。多くの方にご覧いただければ嬉しいです。

——作品は、小説『赤毛のアン』の島、カナダのプリンスエドワード島で撮影されていますが、実は沖縄でも部分的にロケがあったそうですね？

宮平貴子監督：そうなんです。設定は東京なのですが、実は沖縄でロケを行ったシーンがあるのです。
吉行和子さん演じる祖母の出演シーンが沖縄でロケをしましたが、リラックスしたいい映像が撮れています。吉行さんも沖縄での時間も撮影もとても気に入ってくださっています。

——映画は、『赤毛のアン』出版100周年記念映画として、『赤毛のアン』をキーワードにしたオリジナルのトリビュート作品ですが、制作でこだわった部分というと？

宮平貴子監督：『赤毛のアン』の物語自体がプリンスエドワード島抜きには語れない作品ですので、映画制作に際して、プリンスエドワード島の空気感を感じて撮ることにこだわりました。
セットではなく、そこにある島の景色も、登場する家も、そのまま島にあったものを使いました。島のムードということにこだわり撮影しました。

100年も前に書かれた『赤毛のアン』の本を、映画の企画話をきっかけに、実は私は初めて読んだのですが、100年も前に書かれた物語から、人間の偉大な力が今の自分にも伝わり、とても感動しました。

人間にある偉大な力や良さを信じていいのだと思うことが感じられる本で、感動を受けて、この映画『アンを探して』という作品が生まれました。

——映画の主題歌は、宮平監督の実のお姉さんである歌手のjimamaさんが担当されていることも話題になっていますね。

宮平貴子監督：映画の音楽監督も、jimamaならではのハスキーヴォイスがプリンスエドワード島の風のような声だと採用になり、映画好き姉妹で一緒に参加でき嬉しく思っています。

——映画に欠かせない大事な音楽で、姉妹が一緒に携わるというのもとても大きな喜びでしたね。
では、これから全国各地で映画をご覧になられる方々に、メッセージをお願いします。

宮平貴子監督：最近は、暗いニュースや心を痛めるニュースがとりあげられていることが多いのですが、身近にがんばっていることや楽しいこともあるんだと、この映画をみて、人間っていいなって、感じてもらえると嬉しいです。
ぜひ全国で、多くの方にご覧いただきたいです。

【今後の各地の映画上映予定】

★沖縄 県内：
ミハマ７プレックス(北谷町)にて上映中
TEL:098-936-7600
http://www.startheaters.jp/mihama7plex/

★札幌：
１月30日(土)〜 シアターキノ　TEL:011-231-9355
http://theaterkino.net/

★岐阜：
２月６日(土)〜 CINEX　TEL:058-264-7151(代)
http://www.cinex.jp/

★富山：
2月27日〜 フォルツァ総曲輪(旧とやまWIZシネマ)　TEL:076-493-8815
http://www.tmo-toyama.com/forza-sogawa/

★福岡県：
１月31日(日)　コミセンわじろ
２月６日(土)　大野城まどかぴあ

■映画『アンを探して』公式ＨＰ：
http://www.grandjete.jp/lookingforanne/

■映画「アンを探して公式」公式ブログ：
http://blog.goo.ne.jp/anne_partners

（文+写真: 吉澤直美、編集: KUWA）