阿部敏郎・復活7周年記念特別ロングインタビュー[前編]
阿部敏郎さん、復活7周年の節目に、復活記念ライブとCDをリリース。
『復活7周年記念特別ロングインタビュー[前編]』
「誰もが見放されていないし、
みんながすでに今この瞬間に満たされている。」(阿部敏郎)
——沖縄で果たすことになる復活までの17年間に、大きく人生を変える出来事があったようですね。
阿部敏郎:誰もがみんな“より良く生きたい”、“幸せになりたい”と思って生きていると思います。
では、その“幸せの在処はどこなのか?”“そこに行き着くにはどういう事が的を得るのか”というのは、意外とわからないものですよね。
僕自身もそうでしたが、普段の生活をしているとみんなと同じ生き方を足並みを揃えてしまったり、同化してしまったりする中で、自分が埋没してしまってね。
でもなぜか自分はその因果に気付く出来事があって、だったら気付いた人間の役目として、そのことを手探りで生きていて堂々巡りをしてしまっている人やそのままでいいと思ってしまっている人に、“こっちだよ”ってそういうメッセージを伝えていかなきゃって、そういう自覚みたいなものがあったわけです。
——その体験が、阿部敏郎さんのもうひとつのブログ『随(かんながら)神』に書かれているような出来事なのでしょうか。
阿部敏郎:ブログ『随(かんながら)神』は、全体的な流れとしては大まかそうですが、すべてが体験そのままではなく物語としてまとめたものです。
そして今はその第2部を企画しているところで、沖縄に来てからのストーリーにしてゆくつもりですが、それはフィクションではなくドキュメンタリーとして事実をお伝えしたいと思っています。
本当に“事実は小説よりも奇なり”というのが実際にあったりするので、これから事実を語ってゆきたいと思いブログを編集し整理しているところでした。
そこにチベット問題が勃発したりしました。
そもそも、みなさんに“お伝えしたいな”と思ったきっかけというのが、自分の“気づき”をどう言語化して(文章に)表現したらいいのかわからない時に、最初に読んだ本がチベット仏教の本だったんです。それは整合性のとれた論理的な本だったんです。あぁ、こうやって文章をまとめればいいんだということをチベット仏教に関する本で学び、それがヒントとなりました。
ですので、チベットの問題というのも他人事には思えなかったんですね。だから何かご恩返しをしたいと思って、ブログにも書かせてもらっています。
——仏教といえば、阿部さんも禅の修行をされた期間があったのでしょうか。
阿部敏郎:禅の修行というとおこがましいけれど、禅について触れていた事があります。仏教は、学問としてもとても優れている伝統だなと思いました。でも僕は仏教徒ではないのです。
まず自分には伝えたいメッセージがあって、それをどう翻訳すればいいのか、禅を通して学ばせてもらいました。しかし僕は禅のお坊さんでもないのです。
禅との出会いについては、ブログ『随(かんながら)神』で書かれているままではないのですが、出会った時のインパクトや、そこでお坊さんと出会う必然性や、お互いの信頼性が生まれてくるプロセスなどはそこに書かれている通りです。
——阿部さんがそうやって貴重な体験をされた“気づきの出来事”というのは、皆さんにも共有できる情報として、ブログ(日々書き綴る短編集『いまここ』と長編物語『随(かんながら)神』)でオープンに表現されたり、音楽で表現されたりしているほか、それと『いまここ塾』という講座も中城村(吉の浦会館)で開かれていますよね。私も二度ほどおじゃまさせて頂きましたが、毎週毎週新しく語れるものがあるというのは凄いことだなと思いました。
阿部敏郎:ライフワークとして毎週火曜日に開いている『いまここ塾』の講演はもう140回を越えましたが、お客さんが僕から引き出してくれるものがありますね。
肉体の中に閉じこめられているものばかりでなく、実はお互いに電波を発しているものがあって、お客さんと同じ空間にいるだけでお互い影響しあっているんですよ。
(例えば、ある人といるとイライラする時もあれば、ある人と一緒にいると何も語らなくても気持ちがゆったりしてくるという事もありますよね)
1/3は常連さん、1/3は時々参加されるかた、そして残り1/3が新しく来られるかた、というふうにその時その場で違いますから、お客さんが引き出してくれるものでもあるんですね。
——講演会『いまここ塾』ではどのようなことをされているのかご紹介ください。
阿部敏郎:話を聞くことで“あぁ、そうだったのか!”というような“気づき”になるような時間を共有できると思います。ですのでそれは、一般のテレビやラジオ、新聞や雑誌からは得ることができないような情報をお伝えしています。
それはどういう情報かというと、自分の外側の世界のことを言っているのではなくて、自分の内側にあるものの洞察です。私はそれのガイド。気づくのはその人なので、つまり“気づき”の道案内ですね。
——つまり“自分の中(内側)に答えがあるはずだよ。答えを外に求めなくてもいいんだよ”“誰かだけが特別なのではなく、みんなそれぞれが特別な存在なんだよ”ということですね?
先日は4年ぶりにリリースするCD『for You』のレコ発ライブにおじゃまさせて頂きましたが、ライブのMCでもそのようなお話を伺うことができて面白かったです。
阿部敏郎:ライブでは歌が好きで歌いたいということもあるんだけど、“歌は歌、講演は講演”と分けることができなくて、“歌うように講演し、講演するように歌う”んです。
もちろん、歌の中にもメッセージはありますし、歌を通して講演しているようなものです。また講演の時には、みなさんが飽きないように強弱の抑揚をつけたり、それは歌のようなものですよね。
それはそもそも“伝えたいこと”が、言葉だけでは表しきれないものだからなのです。
——阿部さんのブログのタイトルにもなっている“いまここ”というキーワードですが、みなさんに“伝えたい”と思った“気づき”のきっかけとなった体験は、どれくらい前の出来事だったのでしょうか。
阿部敏郎:もうかれこれ23年前のことになりますね。ブログ『随(かんながら)神』では階段から落ちたことになっていますが、実は突然、それは起こりました。
それは僕だけの特別な経験ではなく、人間の本質はみな同じようなものですから、遅かれ早かれ皆さんもいずれ経験されることだと思います。
その深い体験の共通点には“因果関係がない”こと。つまり何かをしたから結果こうなった、というような原因と結果に基づいたものというのはこの世(三次元)のものなんですね。
次元の違う体験というものは、突然起こってくるものなんです。
——沖縄でもそうですが、精神世界でいわれる事というのは因果関係はあると。例えば、前世からの因果によるものが今世にも影響しているとか、ご先祖様を大切にしていないからこうなった、とかいわれますよね?
阿部敏郎:それは三次元の中での解釈であって間違いではないのだけど、それもひとつの解釈であって、真理というものは言葉ではいい表せない、それを超えたものなんです。
次元が変わると、時間というものが変わり、過去とか未来とかが消えるんです。すべてが“今”の中に同時に起きている。実はこの世には“今”しか存在していないんですよ。
頭の中には過去はありますが、実際のリアリティーとしては“今”しかないですよね? これまでもずっと“今”の連続だったんですよ。
——実は今とても気になっているキーワードが“今、ここ”なんです。“今、この瞬間しかない”と。そこでネット検索をしたら、阿部さんの『いまここ』ブログに再び辿りつき、『いまここ塾』にもおじゃまさせて頂きました。そこで自分の直感で感じていたことを整理することができました。
阿部敏郎:“阿部さんのおっしゃるようなことを語る人がいますよ”とか“そんなことが語られている本がありますよ”といわれることもあるんですが、それはそうあるべきで、全てはひとつであることなんです。
——またライブのMCの中でも、
「誰もが見放されていないし(誰もが祝福され)、みんながすでに今この瞬間に満たされている。
奪い合いは“もっと足りない”からきているので、
すでに満ちていることを知れば、自分さえよければとか、奪い合いではなくなり、
お互いが与え合うしかない」という言葉が印象的でした。
阿部敏郎:もっともっと幸せになれるんだという欠乏感からくる思いから奪い合いが生まれるんです。
外側にではなく、すでに自分の内側にあること、“満たされている”ことに気づくことが大切だと思うんです。
——小さいところでは夫婦喧嘩から、大きいところでは世界紛争(チベット問題など)もすべてそうだということでしょうか。
阿部敏郎:「自分さえよければいい」という気持ちは、自分を幸せにはしないんですよ。
「自分だけはこうなりたいから」という願いとして行動することは、一見合理的なようにみえるけど、実はそうはなっていないんです。
「水を張ったタライの水を、自分だけに引き寄せようとして抱え込んでも、水はヘリをつたって向こうに逃げてゆく。ところが“与えること”で自分に寄ってくる」という話をブログで書いたんですけど、それが仕組みなんです。
——“いつまでたっても満たされない”と、奪い合いをずっと繰り返してきましたね。
阿部敏郎:わかっているだけでも、メソポタミア文明から5千年以上続いてきたわけですよね。
多くの人が、なぜ争ってきたのかという問題の本質を見抜いて理解し、人類の夢だった平和な世の中を作り出す。そうしないとうまくやっていけない、と人類が追いやられている。
経済も環境そうですし、そういう流れがいろんな方面から起きているところだと思います。
だからといって「この時代、どうなってしまうんだろう?」と不安に思う人もいるかもしれないけど、これも良くなってゆくための浄化期間なのだと思います。
阿部敏郎さんからの深い話はまだまだ続きます。
インタビュー[後編]では、復帰7周年にリリースするCD『for You』をご紹介し、
歌を通してまた阿部さんのメッセージをお届けしたいと思います。
●阿部敏郎関連記事バックナンバー:
・阿部敏郎スペシャル・インタビュー[前編]('07.5.28掲載)
→http://ryuqspecial.ti-da.net/e1587193.html
・阿部敏郎スペシャル・インタビュー[後編]('07.5.29掲載)
→http://ryuqspecial.ti-da.net/e1588456.html
[インフォメーション]
●阿部敏郎『復活7周年記念ライブ』
日時:5月2日(金)・3日(土)
20:00〜
場所:母屋(那覇市西1-7)
問い合わせ・申込:098-866-5880(母屋)
(取材: 桑村ヒロシ、取材協力: 母屋)
阿部敏郎:“阿部さんのおっしゃるようなことを語る人がいますよ”とか“そんなことが語られている本がありますよ”といわれることもあるんですが、それはそうあるべきで、全てはひとつであることなんです。
——またライブのMCの中でも、
「誰もが見放されていないし(誰もが祝福され)、みんながすでに今この瞬間に満たされている。
奪い合いは“もっと足りない”からきているので、
すでに満ちていることを知れば、自分さえよければとか、奪い合いではなくなり、
お互いが与え合うしかない」という言葉が印象的でした。
阿部敏郎:もっともっと幸せになれるんだという欠乏感からくる思いから奪い合いが生まれるんです。
外側にではなく、すでに自分の内側にあること、“満たされている”ことに気づくことが大切だと思うんです。
——小さいところでは夫婦喧嘩から、大きいところでは世界紛争(チベット問題など)もすべてそうだということでしょうか。
阿部敏郎:「自分さえよければいい」という気持ちは、自分を幸せにはしないんですよ。
「自分だけはこうなりたいから」という願いとして行動することは、一見合理的なようにみえるけど、実はそうはなっていないんです。
「水を張ったタライの水を、自分だけに引き寄せようとして抱え込んでも、水はヘリをつたって向こうに逃げてゆく。ところが“与えること”で自分に寄ってくる」という話をブログで書いたんですけど、それが仕組みなんです。
——“いつまでたっても満たされない”と、奪い合いをずっと繰り返してきましたね。
阿部敏郎:わかっているだけでも、メソポタミア文明から5千年以上続いてきたわけですよね。
多くの人が、なぜ争ってきたのかという問題の本質を見抜いて理解し、人類の夢だった平和な世の中を作り出す。そうしないとうまくやっていけない、と人類が追いやられている。
経済も環境そうですし、そういう流れがいろんな方面から起きているところだと思います。
だからといって「この時代、どうなってしまうんだろう?」と不安に思う人もいるかもしれないけど、これも良くなってゆくための浄化期間なのだと思います。
阿部敏郎さんからの深い話はまだまだ続きます。
インタビュー[後編]では、復帰7周年にリリースするCD『for You』をご紹介し、
歌を通してまた阿部さんのメッセージをお届けしたいと思います。
●阿部敏郎関連記事バックナンバー:
・阿部敏郎スペシャル・インタビュー[前編]('07.5.28掲載)
→http://ryuqspecial.ti-da.net/e1587193.html
・阿部敏郎スペシャル・インタビュー[後編]('07.5.29掲載)
→http://ryuqspecial.ti-da.net/e1588456.html
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●阿部敏郎『復活7周年記念ライブ』
日時:5月2日(金)・3日(土)
20:00〜
場所:母屋(那覇市西1-7)
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(取材: 桑村ヒロシ、取材協力: 母屋)
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