甘味処『首里あん』(sui-an)
パイプライン通りを浦添の大平のほうに向かう途中、左手に甘味処『首里あん』という看板文字。浦添に“首里”があるのが気になって入ってみたところが、あの首里で180年あまり続いた伝統のお饅頭の味を受け継ぐお店が、お洒落なカフェとして店名も変えての完全リニューアル・オープン。
すべてにこだわり、食材から器まで厳選するのに2年近くの歳月をかけたのだとか。
丸々2日間かけて作った特製のあんこのお饅頭はカーサ(月桃の葉)に優しくくるまれていて、そして懐かしい味。伊波美代子さんと娘さんたち家族でひとつひとつを手作りで、添加物も一切使わないという昔ながらのお饅頭。道具も、蒸す籠から伝統職人に特注したという徹底ぶり。そうやって作られているあのお饅頭を、数年ぶりにいただくことができました。
復活までの月日は経ちましたが、伝統の味はそのまま。その懐かしさに“ほっ”とします。饅頭は持ち帰りもできるほか、店内でもゆっくりと召し上がることができます(セットメニューで380円〜)。
このほか、新しい沖縄スイーツとして誕生したのが、このお店の注目メニューのひとつ手作り杏仁(380円〜)。一口でそのおいしさにとろけそうになります。
沖縄の牛乳として今やリスペクトされているEM玉城牧場牛乳を使っていますが、実際に牧場まで見学に行って納得してここのミルクに決めたのだとか。独自の調合でこのお店だけのオンリーワンな味が生まれたのだそうです。
シフォンケーキ(380円)は油を一切使わず、一緒に添えられているクリームはEM玉城牧場牛乳で作られた特製クリームとオリジナル特製あん。この組み合わせがまた絶妙なんです。
他にもこだわりの味、色々。例えば、首里の名物ゆしどうふ。その豆腐職人が納得しない限りは卸さないという、なかなか味わうことが稀なゆしどうふが、作りたてのまま頂くことができるんです。ゆしどうふにご飯と小鉢が付いた定食(480円〜)、さらには甘味もついたセット(630円〜)など、おなかの空き具合で選べます。
お食事では、このほか、うどんセットも人気なのだとか。麺は太麺のさぬき風、細麺の稲庭風と選ぶことができ、甘味セットで450円から。
もちろん、珈琲などドリンク類にもこだわりがみられ、いいものを大事にしてゆきたいという『首里あん』のお店のかたの気持ちが伝わってきます。
「戦前のもっと昔からある味なので、決して忘れてはならないもの。古いものでも、いいものは残してほしいし、私たちも伝統の味を受け継いでゆきたいです」
どんどんと伝統が少なくなってきている今、伝統の味もずっと大切にしてゆきたいですね。
甘味処『首里あん』(sui-an)
〒901-2127
浦添市屋富祖1-5-2
TEL:098-879-7001
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