宮沢和史Presents『NIPPONIA』+『綾庭の宴』
「音楽があふれる街」をコンセプトに、芸能の島・沖縄が音楽に満ちた『沖縄国際アジア音楽祭 −musix 2010−』(主催:沖縄県)。
開催期間中、那覇市の国際通りと沖縄市のミュージックタウン音市場を中心として、ライブハウスやストリートなど街の至るところで国内外のアーティストによるライブが行われ、音楽で街中を埋め尽くした。
その数あるイベントの中から、後半は二つのイベントに注目。全国のみなさんにこのレポートをお届けしたい。
■『宮沢和史Presents NIPPONIA 〜世界で愛されているニッポンの歌たち〜』
まずは3月27日(土)にmusixのスペシャルステージとしてパレット市民劇場で行われた『宮沢和史Presents NIPPONIA 〜世界で愛されているニッポンの歌たち〜』。
冠の通り、THE BOOMの宮沢和史がプロデュースしたこのライブのテーマは“移民”。遠く日本を離れているが故に、日系人社会が大切に、大切に守り受け継いできた日本の文化、歌の素晴らしさを伝えたいという想いがカタチになったものだ。
出演アーティストは、宮沢和史以外は日系人。ディアマンテスで活躍中のアルベルト城間(ペルー日系3世)、2009年にソロデビューを果たした大城クラウディア(アルゼンチン日系2世)という馴染みある二人に加え、日本でデビューすべく演歌の修行中というエリック福崎(ペルー日系4世)、本業は医者ながらブラジルの歌謡コンクールで数々の優勝を果たしている西村シンチア(ブラジル日系3世)という面々。
オープニングは全員でTHE BOOMの「風になりたい」。続いて日系人の4人による「移民小唄」。まさにこのライブにふさわしい曲でスタート。
合間合間にはそれぞれのアーティストの生い立ちなどを紹介するとともに、1899年から始まったという南米移民の歴史を映像と宮沢のナレーションで上映。普段あまり移民に触れることでないであろう観客たちにもわかりやすくよくまとまった映像に編集されていた。
日系の4人はそれぞれ日本の歌と母国の歌を。アルベルトとクラウディアの歌が良いのはもちろんなのだが、初めて聴くエリックとシンチアの歌も素晴らしかった。それぞれ日本の演歌を歌ったのだが、違和感もなくしっかり歌い上げていた。遙か遠い地で日本を思い、忘れることなくしっかりと次の世代が受け継ぎ、文化を育んできたことを、いま彼らが愛してきた“日本の歌”というカタチを通して我々に伝えてくれたのである。
アルベルトは「各国で日本の歌を歌っているみんなが、この沖縄の地で集まり一緒に歌えたことが嬉しい」と語り、クラウディアも「こんなに日本の歌が好きなんだと、改めて認識できた」と感激。
ラストに全員で歌った「島唄」は、日本と沖縄を結び、そして日本と南米を結んだ歌であり、このイベントの象徴としてラストにふさわしい曲であった。
アンコールでは日系の4人で、“南米の国の人たちはみんな兄弟だよ”という歌詞を持つ「Venas Abiertas」を、先日大地震に見舞われたチリの人たちに捧げ、最後に日本人、日系人の前途を祝し、旅立ちの歌である「だんじゅかりゆし」をみんなで高らかに歌い上げ、幕を閉じた。
このコンサートを開くことが夢だったという宮沢は、最後にこんなメッセージを残した。
「もっともっと僕たち、日本人と日系の人々は仲良くしなくちゃいけない。そしてお互いに助け合っていきましょう」。
■『琉球〜OKINAWA ファンタスティック歴史絵巻「綾庭の宴」』
そして3月28日(日)に沖縄市市民小劇場あしびなーで開催された『琉球〜OKINAWA ファンタスティック歴史絵巻「綾庭の宴」』。
その昔、祭や芸能が行われたといわれる、城下に存在した美しい庭「綾庭(あやみや)」。今回はアシビナーの舞台を綾庭に見立て、コザをテーマにしたエンターテイメントショーが行われた。脚本はテレビや舞台で活躍中のゆうりきやーの城間裕司、作・演出をミュージシャンでもある演出家・新垣健が担当。
時空を越えて、琉球王朝時代から薩摩進行、沖縄戦後、そして現代までをつなぐ沖縄・コザの歴史を、ガジュマルの木に棲む精霊キジムナー(元りんけんバンドのみーちゅうこと桑江良美)と高校生の女の子(友井りお)を語り部に、琉球舞踊やモダン創作ダンス、空手、エイサー、民謡などを、唄三線や生バンド演奏をバックに展開していく。
そしてゲストとして古謝美佐子が「童神」と「アメージンググレース」の2曲を披露。さすがの存在感に、会場中がその魂のこもった歌声に聞き入っていた。
コザにはいつの時代にも唄や踊りがあり、それはいまにも引き継がれ、そして次の世代にも繋いでいかなくてはいけない。そんなメッセージが舞台上から伝わってくる。
舞台というと、取っつきにくそうなイメージがあるが、内容もわかりやすく、大人から子供まで楽しみながら歴史や文化を知ることができる構成に好感が持てた。まさにエンターテイメント。舞台の新しいひとつのカタチを見せてもらった気がする。
那覇市、沖縄市と音楽で埋め尽くした“musix”。
芸能の島である沖縄ならではのイベントとして、今回で終わることなく来年、再来年とぜひとも続けていって欲しいものである。
●musix2010関連記事:
→『沖縄国際アジア音楽祭−musix 2010−』(2010.3.19掲載)
→『古謡と沖縄音楽の近代化〜山内成彬生誕120周年記念コンサート』(2010.3.26掲載)
(取材: PORCO+MAKIKO、編集: KUWA、写真(NIPPONIA): 喜瀬守昭)
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