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本日３月23日(火)の30周年記念ライブのこと、10年前から温めてきたという新譜のこと、“元ちゃん”こと前川守賢さんのインタビュー【前編】に引き続き、ryuQならではのスペシャル・インタビューをお届けします♪

——本日開催の30周年記念コンサートはどのような内容になりそうですか。豪華な顔ぶれですね！

前川守賢：『元ちゃんと楽しい仲間』というのは前川守賢のほか、田場盛信さん、饒辺愛子さん、饒辺勝子さん、松田しのぶさん、松田一利さん、そして前川ゆきえが出演するコンサートなんですが、それぞれ、前川守賢作品の持ち歌を披露して頂きます。

田場盛信さんだったら『泣かんきよー』、饒辺愛子さんは『ハイタイ、寄しりてぃちゃーびたん』、饒辺勝子さんは『想いションガネー』、松田しのぶさんは『ハリヨイ美童』等々、『前川守賢工工四大全集』にも収録されている作品などを先輩方が歌うほか、私も『かなさんどー』をはじめ、『遊び庭』、『世果報でーびる』、『カチャーチどんどん』など、皆様にお馴染みの曲もたくさん歌っていきますので、ぜひお楽しみに！

——こうやってみると、それぞれの唄者さんが歌っている馴染みのあの曲この曲に、前川守賢作品が何曲もあるんですね！

前川守賢：作品は、作詞の上原直彦さんとのコンビが多いですね。“上原・前川コンビ”での作品はデビューからもう30年近くになりますね。

——3/23のコンサートに発売される新しいアルバム『これからも かなさんどー』の内容もぜひお聞かせください。

前川守賢：久しぶりにリリースするアルバム作品です。前回の20周年公演からずっと温めてきたものも、最新アルバムの中に入っていますね。「お待たせいたしました！」という感じです。

——新曲のほか１曲目からお馴染みのヒット曲のオンパレードもあり、まるでベストアルバムのようなニューアルバムですね。

前川守賢：アルバムにはやっぱり『かなさんどー』が入っていないとねぇ。
これまでの各アルバムにも『かなさんどー』は収録していますけど、少しずつですがテンポが速くなってしまっていました。それで今回は原点に戻って、30年前のデビュー当時のテンポで歌い直して新録しました。それが2010年版です。

『かなさんどー』『遊び庭』などのお馴染みのナンバーのほか、これまでＣＤ化していない新曲も入っています。
例えば、『一、二、三、四ばんばんばん』『でぃぐん根小』『ぶりチョッチョイ』などのほか、デビュー曲のカップリングで古謝美佐子さんと歌っていたコンビ唄の『かわんなよー』を今回は前川ゆきえと歌っています。

——新曲のほうもライブではすでに耳馴染みのある楽曲ですね。

前川守賢：ライブではすでにやっていて、皆さんにはすでにお馴染みの曲も多いかと思います。『一、二、三、四ばんばんばん』などはもう２〜３年くらい経ちますが、アルバムには初収録になるんですよ。

——いつの間にか、すでに耳馴染みというくらい、元ちゃんサウンドは印象と記憶に残る唄が多いですよね。例えば７曲目の『ぶりチョッチョイ』とかもまたユニークな唄ですね。

前川守賢：キャッチーな唄が多いとよく言われますね。それが“元ちゃんサウンド”ですね。

『ぶりチョッチョイ』は、『童舞 花わらび』の子供たちのお囃子ですが、ずいぶん前にお囃子は録音してあったんですが、この音源の小学生たちは今ではもう成人していますよ(笑)。あえて録り直さずにこの音源の上に私のボーカルを今回収録して完成させました。

——そして最後に、こんな質問をさせてください。
「前川守賢さんにとって、唄三線とは？」

前川守賢：唄三線とは何かと問われれば、「唄三線は“体温のある生き物”だなぁ」と感じますね。体温とは“温もり”です。
唄は体温のように常に同じままではなく、歌う場所やその時の感情によっても違う、体温のある“生き物”のようなものですね。

例えば、お客さんで90歳くらいのおばあちゃんが一生懸命に手を叩きながら元ちゃんの唄を聴いてくれていたりすると、“長生きしてよ、おばあちゃん”と気持ちを込めながら歌ったりとか。人の温もりですね。

——こんどの3/23のコンサートも“体温のあるような温もりのある唄”がテーマに。

前川守賢：ええ。“温もり”はテーマですね。
タイトルの『元ちゃんと楽しい仲間』の“仲間”というのはお客さんも含めてみんな“仲間”ですから。
会場にいらしてくださる、これはもう仲間です。黙って聴いてほしいとかではなくて、皆さんも一緒に参加してほしい。手拍子でも囃子でもいいので。
手を叩くだけでも温かくなりますよね。

——そのような活動が、県からも表彰されましたね。

前川守賢：はい。あれは県知事賞でしたね。
また、饒辺愛子さんとの社会活動の笑顔宅配便も今年で18年目になるんですが、寝たきりの在宅のかたに“笑顔を配達する”というサービスで。

ただ、唄三線を歌うだけ、じゃないと思うんです。やっぱり、お客さんも楽しんで笑ってくださったり、「ありがとうね〜」って言ってくださったり、そこに“人の温もり”があるんですよね。その“温かさ”が人として生きている印だと思うんです。それが“命”というか。
唄、そして言葉、それが伝わると、心に温もりのあるふれあいになる。

——それがこんどのコンサートやＣＤでも感じられるのですね。

前川守賢：“唄”というのは預かっているものでもあると思うんです。
ですから、出し惜しみは無いように、お客さんにすべてを出し切ってお届けしたいと思います。
（→インタビュー【前編】を読む）



■｢元ちゃんと楽しい仲間たち｣
日時：2010年3月23日(火)
　　　開場18:00　開演19:00
場所：沖縄市小劇場あしびなー
料金：前売2000円　当日2500円
出演：田場盛信、饒辺愛子、饒辺勝子、松田一利
　　　ほか豪華ゲスト多数出演♪

（取材: 桑村ヒロシ）