ryuQ 特集ページ

新春に縁起の良く、めでたい沖縄の歌はいかがでしょう。宮古・八重山・沖縄本島の祝い歌ばかりを集め、すべて新録したＣＤ『沖縄おめでたい歌 決定盤』が只今発売中です。琉球古典から沖縄民謡までのおめでたい歌の数々が１枚のＣＤにパッケージ化されました！

——祝い歌ばかりを集めた作品というのはこれまでありそうで無かった唯一のＣＤとなりましたね。

野原廣信(古典)：そうですね。何より“民謡から古典まで”の祝い歌が収録されているほか、宮古〜八重山〜沖縄本島の島々の歌までが揃っているというのは珍しいのではないでしょうか。

——古典でおめでたい歌とはどういう機会に歌われたりするのでしょうか？

野原廣信：新年とか、お祝い事(結婚式や生年祝いなど)の時に歌われますね。
まずは『かぎやで風』(１曲目収録)から。これがないと始まりません。

——今回はご専門の古典のほか、一緒に民謡曲も収録されていますよね？

野原廣信：そうですね、それも宮古、八重山の民謡など、地域ごとの言葉と発音があるので、それぞれ専門の方々、宮古民謡保存協会と八重山民謡古典音楽保存会にお願いしました。
そして古典の私は、野村流古典音楽保存会になります。

——このアルバムに古典を収録するため、金城栄五郎さんはご指導にあたったそうですが、難しかった面とかありましたでしょうか？

金城栄五郎(古典指導)：古典の録音に参加した全員を合わせるのには多少の調整は必要でしたが、割とスムーズに収録できましたね。

野原廣信：舞台はたくさんの経験を積んできましたが、録音というのはまた普段とは違う緊張感がありましたね。

——民謡のほうの録音にも立ち合われたのですか？

野原廣信：はい、立ち合わせて頂きました。ほとんどの方々がしっかり稽古をつけてから録音に臨まれたので、収録は３日間で済みましたね。

——今回、幅広く収録されていますが、選曲の面では何かありましたでしょうか？

野原廣信：このアルバムでちょっと時間が掛かったのは『松竹梅』(11曲目)ですかね。３曲で構成されているので、それを全員で息を合わせなければなりませんのでね。

——古典というとちょっと難しそうなイメージもありますが、こういったアルバムでまた身近に感じてもらえるきっかけになりそうですね。

野原廣信：流行歌と違って、孫の世代までずっと使ってもらえるようなアルバムになってほしいなと思いますね。
結婚式や生年祝いのBGMにとか、またこの音源を使って琉球舞踊を踊ってみたりとかできるように、歌持ち(イントロ)は通常２回くり返しのところを、このアルバムではそういった用途(祝いの場)にも使えるよう、イントロ部分を５回くり返して録音しています(踊り手が入場の際に充分な長さ)。
全国の結婚式でも、このＣＤをご活用頂けると思います。

金城栄五郎：お祝い事に万能なＣＤですね。歌詞もスタンダードなものになっています。

野原廣信：お祝いのＣＤの永久保存盤でもありますけど、三線を習いたての方に練習の参考になるようなＣＤにもなっていると思いますね。ＣＤのブックレットのほうには歌詞・対詞、曲解説なども書かれているので、とても参考になると思いますので、ぜひ聴いて頂けたらと思います。

（取材: 桑村ヒロシ、取材協力: リスペクトレコード）