3月8日は「さんばの日」(後編)
東京で音楽教師をしていた1960年代に沖縄へ頻繁に通い、沖縄音楽を研究していた杉本信夫さん(日本三板協会会長)。
現在、作曲家として沖縄県内にあるわらべ唄の採譜に余念がない。これまでに800曲余りを本島・離島をフィールドワークを積み重ね、各地域の住民から聞き取り、その記録を採譜し日々まとめている。
沖縄音楽伝承研究家の大家としての活躍は広く評価され、代表される著書「沖縄の民謡」は沖縄音楽を研究している関係者からも再版が熱望されているところ。
現在は日本三板協会会長として「三板(さんば)」講習会でも飛びまわり、「さんば」の魅力も普及に尽力を注ぐ作曲家・杉本信夫さんに、インタビュー前編に続き、さらに深みある話題をお届けしたいと思います。
——東京に戻って「さんば」を作ったと伺っていますが。
杉本信夫:すぐに1966-1967には勤務先の東京の中学校の授業に「さんば」を取り入れようとしました。まずは「さんば」製作しないとその楽器がないと授業もできないので、東京の材木屋に頼んで“かしの木”で「さんば」製作を依頼したんですが、
小さい楽器でこのような三枚の板で作る馴染みもない楽器で、ほとんどの子ども達が見たこともないという時代でしたから、いろいろありまして、結局作るのに手間ばかり掛かってしまい面倒で割に合わないとなりました。
そんな苦慮している時でした。たまたま卒業生の教え子のツテで、「さんば」を作れる作業所が見つかり、1クラス(当時47名)全員の「さんば」を1個50円で作ってもらう事が出来ました。
——それは凄いですね!東京で1967年には沖縄の「さんば」が製作され、授業で使われたんですか!!
杉本信夫:おそらく、沖縄以外の県外で「さんば」を使用して授業したのは私の授業が初でしょう。
また案外好評でね、ほかにも“欲しい”という人たちが出てきて、追加で相当数の「さんば」を作ってもらいました。
東京はそのころ安保反対運動や沖縄返還運動、ベトナム反戦運動などが盛んな時代でした。
大都会のビルの谷間に響き渡る「さんば」は素晴らしかったですよ(笑)。
そして面白いことに日本三板協会が発足して初の「さんば」イベントを沖縄市で開催した時に、なんと名護市から参加しにきた女性のかたが、その懐かしい東京時代に東京で製作販売された「さんば」を持ってきていましてね、それには驚きました。
まだ復帰前の頃の出来事で、東京で当時作った「さんば」にはエナメルでいろんな文字が書いてあったので特徴がありました。たとえば「安保破棄」「沖縄を返せ」とか書いてありましたよ(笑)。
でもまさか、あの東京時代の「さんば」を大事に今も持っている人がいるとは思わなかった。
しかも沖縄にその人も帰ってきていたわけです。いやあ、「三板協会」が発足したから再会出来たんですよ。あれは嬉しかったですね。
——「さんば」の歴史を、東京と沖縄でつなげた杉本さんが「三板協会」の会長になったのも御縁ですね!
杉本信夫:これは私が沖縄に移住してから県立芸大でも教鞭を取り、音楽を教えている中で、教え子であった民謡歌手のよなは徹君にコザまで行きましょうと誘われて、出かけると、それが実は「さんば」の記念日を立ちあげようという発足の会への誘いだったんでね、大変驚きました。
東京へ初めて「さんば」を教えたものとしての御縁かもしれないと思うところがあります。会長への推薦を関係者から頂き、務めることになりました。
——「さんば」の魅力はズバリどんなところですか?
手軽に持ち運びが出来て、誰でもちょっと練習すれば親しめる楽器である身近さやどんなリズムでもどの国の音楽でも合わせて楽しめるのがいいですね。
杉本信夫:とりわけ沖縄の音楽には欠かせないリズムを打ち出して楽しめるので、カチャーシーや早弾きの民謡曲などでは「さんば」が頻繁によく使われます。
「さんば」のリズムが加わるとウキウキしてくるし高揚感も伝わるでしょう。そして実は、音色もいいんですよね、響きも素晴らしい。
また、特に指先を使い、頭の運動にもなるのが「三板」ですから、お年寄りのボケ防止や子どもたちの知能発達にもいいので、どんどん皆さんに親しんでほしいです。
——学校教育への普及はどうでしょう?
杉本信夫:三線だけでなく、ぜひ三板も沖縄の伝統楽器でありますから、まずは沖縄県内の学校でもっと活用してもらい伝承してほしいですね。値段も安く、持ち運びも簡単。ポケットに入るのでどこでも持ち歩き、遊びながら練習もできます。
沖縄の伝統楽器「三板(さんば)」が沖縄から世界へと、ますます普及されることを希望しています。
=世界へ羽ばたけ沖縄の三板=
「さんば」と気軽に触れ合いながら「さんば」も習える「さんばの日」記念イベントで、まずは「さんば」と出会い遊んでみませんか?
(→インタビュー前編を読む)
※※※お知らせ※※※
『第8回 3月8日は「さんばの日」〜三板講習&民謡ライブ〜』
2008年3月8日(土)
場所:沖縄市民会館中ホール
時間:開場18時 開演18時30分
料金:一般¥2,000、会員¥1,800
※当日・前売共に同一値段です(全席自由)
出演予定:登川誠仁、杉本信夫、田場盛信、金城呂介、照屋政雄、
具志堅京子、我如古より子、いつみグループ、當間清子、
新垣世達、新垣さゆり、松田一利、他
HP:http://www.interq.or.jp/leo/campus/uchinasanba.html
(問)日本三板協会(キャンパスレコード内 電話098-932-3801)
(文: 吉澤直美、撮影: KUWA、取材協力: 日本三板協会)
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杉本信夫:これは私が沖縄に移住してから県立芸大でも教鞭を取り、音楽を教えている中で、教え子であった民謡歌手のよなは徹君にコザまで行きましょうと誘われて、出かけると、それが実は「さんば」の記念日を立ちあげようという発足の会への誘いだったんでね、大変驚きました。
東京へ初めて「さんば」を教えたものとしての御縁かもしれないと思うところがあります。会長への推薦を関係者から頂き、務めることになりました。
——「さんば」の魅力はズバリどんなところですか?
手軽に持ち運びが出来て、誰でもちょっと練習すれば親しめる楽器である身近さやどんなリズムでもどの国の音楽でも合わせて楽しめるのがいいですね。
杉本信夫:とりわけ沖縄の音楽には欠かせないリズムを打ち出して楽しめるので、カチャーシーや早弾きの民謡曲などでは「さんば」が頻繁によく使われます。
「さんば」のリズムが加わるとウキウキしてくるし高揚感も伝わるでしょう。そして実は、音色もいいんですよね、響きも素晴らしい。
また、特に指先を使い、頭の運動にもなるのが「三板」ですから、お年寄りのボケ防止や子どもたちの知能発達にもいいので、どんどん皆さんに親しんでほしいです。
——学校教育への普及はどうでしょう?
杉本信夫:三線だけでなく、ぜひ三板も沖縄の伝統楽器でありますから、まずは沖縄県内の学校でもっと活用してもらい伝承してほしいですね。値段も安く、持ち運びも簡単。ポケットに入るのでどこでも持ち歩き、遊びながら練習もできます。
沖縄の伝統楽器「三板(さんば)」が沖縄から世界へと、ますます普及されることを希望しています。
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出演予定:登川誠仁、杉本信夫、田場盛信、金城呂介、照屋政雄、
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(文: 吉澤直美、撮影: KUWA、取材協力: 日本三板協会)
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