ウチナーソーガチ(旧正月)でクヮッチーサビラ(いただきます)
新年明けましておめでとう。イーソーガチデービル(いい正月ですね)。
3月も近いというのに、「何がいい正月デービルだよ」と思った人もいるかもしれないが、沖縄で2月の大きな年中行事といえば…、そう、バレンタインデーである?!(違うよね?)
朝、お袋が島ウコー(線香)に火をつけて、ウブチダン(御仏壇)にウチャトー(御茶湯)をウサギティ(お供え)して、トートーメー(位牌)に向かって「ウートートゥ、チューヤ、ばれんたいナトーイビークゥトゥ、ワッターマナブーが、イナグングヮからマギサルちょこれーとグヮー、ウホークイーティチ、ついでにンゾーサルイナグングヮげっとナイルクトゥ、ミーマンティクィミソーリ、ウートートゥ(直訳すると、今日はバレンタインデーだから学が大きなチョコレートをたくさん貰ってきて、ついでに可愛い子もゲットできるよーに)」とご先祖様にお願いをして〜っていうか、バレンタインデーは沖縄の年中行事じゃないし、お袋もバレンタインではウートートゥしないってば!
もとい、2月(旧暦の1月)の大きな行事といえばズバリ旧正月及び関連行事である。今年の旧正月は2月7日でもう過ぎてしまったが、関連する行事では2月22日(旧暦11月16日)にグソー(後生)のソーグヮチといわれる「十六日祭(ジュウルクニチー)」、26日(旧暦1月20日)の「二十日正月(ハチカソーグヮチ)」がある。ちなみにボクが子供のころ、親父の世代は新正月を大和正月、旧正月をウチナーソーグヮチといっていた。明治になって日本が旧暦から新暦に変わったのに対し、沖縄ではずっと旧暦が生活に密着していたため、行事も旧暦を使って行っていたからそう呼んだのあろう。
そのウチナーソーグヮチであるが、今では那覇や浦添市、宜野湾市の都市部ではでほとんど見られなくなり、いわゆる「絶滅危惧行事」になっているが、それでも南城市や南風原町といった農村部では今でも旧正月を行っている。さすがに旧正月オンリーということはなくなったが、糸満市では今でも頑なに旧正月に重きをおいている家が多いという。何故かといえば糸満市は自然を相手にした漁業の町、海人の町だからでである。漁と季節が密接に関係している海では、自然の流れに密着した旧暦が必要不可欠だからといわれている。沖縄の季節は旧暦どおり動いているといっても過言ではないのである。ところで…
沖縄では旧正月のときには何を食べているのか。本土のような「おせち料理」がないわけではない。旧正月の新正月も料理はあまり変わりないので、今回はウチの女房の実家及び親戚関係の料理を紹介しよう。なぜボクの実家ではなく女房の実家かというと、ボクの実家のソーグヮチクヮッチー(正月ご馳走)は、スーパーサンエーのオードブルだからである。で、女房の実家はというと、魚やイカの沖縄風天ぷらにエビフライ、一口サイズに揚げられた豚カツ、カジキを昆布で巻いた クーブマチ(昆布巻き)、グンボーマチ (豚肉のゴボウ巻き)、紅白カマボコ、ターンムのから揚げ、クーブイリチー(昆布の炒め煮)、スンシーイリチー(シナチクの炒め煮)、ミミガーのピーナツ味噌和え、ターンムディンガク(田芋のキントン)などがあり、食事になるとそれをおかずにご飯と中身汁が出た。
ソーガチクヮッチーも家庭によって違いがあり、最近では本土風のおせち料理を出す家があり、沖縄風の風のおせちと本土風の二つが一緒になったいわゆる和琉折衷のおせちを出す家もあるという。
ただ、先述のように旧正月は新正月のように冬休みではなく、平日に行われることが多いため、料理はどんどん簡素なものになっていっていると南城市出身の主婦がいっていた。正月休みのない正月はやはり「絶滅危惧行事」に指定されてしまうのか(どこに?)。ところで、糸満在住の友だちに聞いたところ、糸満市は旧正月には小中高と学校が休みになるらしいと言っていた。糸満市が旧正月を守る限り、ウチナーソーグヮチの絶滅はまだまだ先のようである。
筆者プロフィール:嘉手川 学(かでかわまなぶ)
フリーライター、沖縄県那覇市生まれ。沖縄のタウン誌の草分け『月刊おきなわJOHO』の創刊メンバーとして参画。沖縄ネタならなんでもOKで特に食べ物関係に強い。現在も『月刊おきなわJOHO』で食べ物コーナーを15年以上掲載中。
著書、編著、共著に『沖縄大衆食堂』、『笑う沖縄ごはん』、『泡盛『通』飲読本』(各双葉社)など多数ある。今年になって共著で3月に『沖縄離島のナ・ン・ダ』(双葉文庫)と『もっと好きになっちゃった沖縄』(双葉社)、5月には『沖縄食堂』(生活情報センター)が発売。
ソーガチクヮッチーも家庭によって違いがあり、最近では本土風のおせち料理を出す家があり、沖縄風の風のおせちと本土風の二つが一緒になったいわゆる和琉折衷のおせちを出す家もあるという。
ただ、先述のように旧正月は新正月のように冬休みではなく、平日に行われることが多いため、料理はどんどん簡素なものになっていっていると南城市出身の主婦がいっていた。正月休みのない正月はやはり「絶滅危惧行事」に指定されてしまうのか(どこに?)。ところで、糸満在住の友だちに聞いたところ、糸満市は旧正月には小中高と学校が休みになるらしいと言っていた。糸満市が旧正月を守る限り、ウチナーソーグヮチの絶滅はまだまだ先のようである。
筆者プロフィール:嘉手川 学(かでかわまなぶ)
フリーライター、沖縄県那覇市生まれ。沖縄のタウン誌の草分け『月刊おきなわJOHO』の創刊メンバーとして参画。沖縄ネタならなんでもOKで特に食べ物関係に強い。現在も『月刊おきなわJOHO』で食べ物コーナーを15年以上掲載中。
著書、編著、共著に『沖縄大衆食堂』、『笑う沖縄ごはん』、『泡盛『通』飲読本』(各双葉社)など多数ある。今年になって共著で3月に『沖縄離島のナ・ン・ダ』(双葉文庫)と『もっと好きになっちゃった沖縄』(双葉社)、5月には『沖縄食堂』(生活情報センター)が発売。
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