ryuQ100花・11月号『まんじゅしゃげ』
まんじゅしゃげ。別名は、彼岸花、毒花、幽霊花、地獄花、死に花、しびれ花…たくさんの名前を持つこの花は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。毎年、お彼岸の頃に合わせた様に咲くので、一般には「彼岸花」で知られています。
私は、山口百恵さんの歌でこの花を知り、夜空に花火が打ちあがったような花姿に、歌も相なって魅了されました。
でも、私なら「お祭り花」とか「花火花」とか「キャンプファイヤー花」とかつけちゃうのに…なぜ、こんな怖いネーミングがされているのでしょう。
実は、よくご覧下さい。
スーっとのびた茎に葉っぱが見られないでしょう。
秋雨が降り始め、朝夕の気温が落ち始めたころ、地中からスウっと茎を伸ばしはじめ、急激に成長したと思ったら、パッと花を咲かせます。5日ほどで花が終わると、今度はスウっと葉がのびてきます。そして、葉だけの姿がしばらく続くのです。
普通の植物と逆の過程なので、まるで時間を遡っているかのようです。
そのプロセスが「あの世」と「この世」を彷彿させたのかもしれません。
全草にわたり有毒で、特に鱗茎に「リコリン」というアルカロイドを含む植物です。
花の終わった後の葉だけの姿がニラやアサツキに似ており、間違えて食した人が吐き気や下痢、重症になると痺れなどの中毒を起こすケースもあるそう。子供たちが被害をこうむらないように炎のような花姿を利用して「この花を触ったらやけどするよ!ホラ、アッチッチ!」と、言い聞かせたくらいだそうです。
ここで気づいたのですが、名前って、その固体の注意を喚起する隠語のときもあるんですね。不気味なネーミングで注意を促す。理屈をこねられるよりも脳みそに直球で注意書きがインプットされるようじゃありませんか。最近の注意書きの洪水には、辟易するところがありますが、ネーミングで食指を折る技って、昔の人たちがいかに想像力たくましくそして、道徳心があったかを証明するものであります。
しかし、こんな毒も使いようで、ネズミやモグラ、害虫を忌避させる効果をねらって田んぼや畑のあぜ道に植えられたっていうんだから、人もさるもの。
この、仏花として供えられるまんじゅしゃげ。炎のような赤い花は、ながめているだけで悪行から離れられるといいます。「まんじゅしゃげ」とは「天界に咲く花」という意味で、吉兆時には天から降ってくるそうです。
田んぼや畑に咲き誇り、恵みの「口福」をもたらせてくれる花なのかもしれません。
プロフィール:比嘉淳子(ひがじゅんこ)
2児の母。すっかり“沖縄のおばぁ”的存在になりつつあるこの頃。
『沖縄オバァ列伝・オバァの喝!』『オジィの逆襲』(双葉社刊)、『琉球ガーデンBOOK』『よくわかる御願ハンドブック』(ボーダーインク社刊)、『琉球新報・うない』『琉球新報・かふう』のほか、新刊『沖縄オバァ列伝・オバァの人生指南』(双葉社)が発売中。
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