照屋政雄・ふるさとでの初リサイタルを完全レポート



かねてから、子供たちや青少年たちのために、出身地である読谷村のために、何か行いたい…と願い、そして数え70歳というお祝いも込めた初めてのリサイタルが開催。県内外からもファンが駆けつけ、また多数のゲストを迎えての公演となった。
舞台裏から

楽屋で控えていた登川誠仁さんに「何か一言、お言葉を」と伺うと、「イヤ、何も。いくつになったか? 70歳か、おめでとう」と一言。「お二人は知り合って何十年くらいになるんですか?」と伺うと、「30歳からだから、40年」(照屋政雄)、「なんでおかしい?」(登川誠仁)と会話が成立しているのかしていないのか…そんなユニークな調子で舞台裏の楽屋は始終なごんでいた。
40年間もこんな調子で、いや、まだまだ私たちには知らないユニークなやりとりが、もうずっとこんな風に沖縄民謡界の中では行われてきていたのだろう。
いよいよ、リサイタル本番を迎えて

舞方棒の内間安勇さん、琉球笛の知念久光さん、舞踊の玉城流内間勝美琉舞道場、読谷村の妙武館から沖縄小林流空手道の皆さん、そして波平地区のこども棒獅子舞、琉球民謡登川流研究保存会から大勢のお弟子さんたちが駆けつけ、3時間以上の豪華ステージとなった!(司会は藤木勇人さん・吉澤直美さんのお二人)。
実行委員長の山内徳信さんの挨拶から始まり、玉城流内間勝美琉舞道場の「花あしび」の舞踊からスタート。肩に金色の蛇がモチーフの派手な衣装を身につけ「イビー読谷山(イビーユンタンザ)」、「読谷村ナークニー」といった読谷に縁のある本人から唄三線を披露後、駆けつけた民謡歌手がそれぞれお祝いの言葉を述べながら次々とステージが進んでゆく。

次々と豪華ゲスト、唄のお祝い
病気と闘いながらステージに立つケントミは、我如古盛健さんと比嘉富子さんというユニットの二人だが、この日は太鼓の比嘉富子さんは体調が芳しくなく急遽来場することが出来ず、我如古盛健さん一人でのステージとなった。ステージに比嘉富子さんの姿はなかったが、太鼓がセッティングされ、我如古盛健さんは一人で「月ぬ美しゃ」と「国頭サバクイ」を披露。

夫婦芝居を見せてくれたのは弟子の冨着平一さん・京子さん。男女役を交換しまじめな顔をして「浜に咲く花」を踊る姿で場内がその奇妙でおかしい姿に笑いが起きる。“さすが照屋政雄の弟子”といった芸風。(この芸、もう何年も披露しているが、1年に一度くらいしか観ることができないといったなかなかレアな演目だそうだ!)
後半では“故郷・読谷村の青少年のために”という長年の想いが実り、この日の売り上げの一部を寄付するセレモニーが行われた。また、獅子舞の表情豊かでダイナミックだけど愛嬌ある演舞に客席は大盛り上がり。最後は獅子舞を脱いだ子供たちの元気いっぱいな姿に会場は拍手喝采。再び本人の独唱かと思いきや、1曲披露の後、ステージにセットされた扉を開けて登川誠仁さんが登場し、歌い手がチェンジ。登川誠仁さんと弟子の仲宗根 創さんのステージの後、出演者全員でフィナーレを迎えた。

沖縄戦を生き抜いた時代から、そして映画出演まで
かつて沖縄戦では、アメリカ軍が沖縄本島西海岸から上陸して地上戦が始まり、死体があちらこちらに転がった。その悲しい戦場の一つとなる読谷で育ち、そして彼自身も石川(現・うるま市)のガマ(壕)に避難したり、捕虜になった経験を幼少に持ち、数年前には鎮魂のガマ(壕)ライブも行った経験がある。
司会の藤木勇人さんが途中、ステージの上から照屋政雄さんが読谷村を出た時の話しをしてくれた。照屋政雄青年は“ある日、突然、読谷村を出よう!”と思い、バスに乗って辿り着いたところが石川(現・うるま市)だったそうだ。入った食堂ではタダ(無料)のヤカンのお茶を飲み続け、食堂のお母さんに呆れられた事もあったのだとか。

最後に、そしてこれから

“これから”ではなく、きっと“これからも”自由に唄三線で人々を元気にしていっていただきたい。また11月にも、沖縄公演に続き東京・福岡でのライブもあるそうだ。
冒頭の「ナマネェー ワンタマシ!」とは「今から 私の出番だよ!」という意味。
本当の出番はこれから(未来に)、なのかもしれない。
●照屋政雄プロフィール:
琉球古典音楽湛水流師範免許、野村流師範免許を有する。
琉球民謡登川流研究保存会理事長、日本三板協会理事。
代表曲「チョンチョンキジムナー」「トゥルルンテン」「明日からや」など多数。
現在、銀天街・銀天大学、くすぬち三線塾(いずれも沖縄市)などで登川流の唄と三線指導を行っている。
(文と写真: YANTY藤原、編集: KUWA)
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Posted by とよチャンネル
at 2008年10月07日 16:08

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