ryuQ 特集ページ

10月1日に、『ryuQ』はリニューアルし、てぃーだのデイリー特集『てぃーだなトピックス』として新たにオープンしました!新しいアドレスは、http://tidana.ti-da.net/
てぃーだブログ › ryuQ 特集ページ › 戦争と平和 › いそざきちか『いただきます』インタビュー

いそざきちか『いただきます』インタビュー

いそざきちか『いただきます』インタビュー
◎絵本『いただきます』とは

いそざきちか:まず、「戦争というものはどういうものなのか?」というのを子ども達に伝える時に、“恐怖”とか“恐れ”とかから伝えるというよりも、もっと別の角度から表現したいと思ったんですね。

例えば、6.23慰霊の日や8.15終戦の日が近づくと、米軍が撮影した戦時中の悲惨な写真とかがよくメディアとかに出てきたりしますよね。事実を写真や映像で伝えるという実相も大事なんだけど、子ども達に恐怖を植え付けることにはならないだろうか?っていう心配もあって。
それにその写真は加害者の側が撮していた映像であって、被害者の側からみている映像なり思いなりを具象化してみてもいいのではないかと思ったんです。

それで、「戦争になった時に、何が変わってゆくのだろうか?」と、子ども達に想像させるとしたら、
「ふだん食べているものが食べられなくなってゆくんだよ」というのが、実感として伝わりやすいのではないかと思ったんですね。
いそざきちか『いただきます』インタビュー
主人公のよしちゃんは、やんばる船(交易船)が入ってくる比謝橋のある街の中で、実家がお店をやっていて食べるものにも苦労がない生活をしていたんですが、そういう暮らしに困らない子どもでも、戦争になった時に、どれくらい食べ物が変わってゆくのか。
“食”を通して、現代の子ども達が身近に「戦争になったら、食べることも困ってしまうことになるんだ」ということを実感できるのではないかなと思ったんです。

ストレートに人が死ぬのを表現することもあるとは思うのですが、“食卓から人が減っていく”ことから“食卓から戦争を体験する”ということを表現してみたんです。

例えば、食卓からお父さんがいなくなり、こんどはおばあちゃんがいなくなり……という感じです。
食卓って、子ども達にとって家族との交流を身近に感じる場だと思うのですが「戦争がはじまると家族との食卓という身近な日常が無くなるんだ」という、そういう角度から話をしてみようと思ったんですね。

いそざきちか『いただきます』インタビュー◎沖縄北部の体験談を描くこと

いそざきちか:それから、沖縄戦の戦争体験となると、その証言はどうしても南部・中部に話が集中することが多かったりしますよね。
実は、北部のやんばるに疎開した人たちも飢えてゆくという話があったんですね。
文章を書いた玉城裕美子さんは、読谷村の村史編纂の仕事を10年続けてきて、その中で戦争体験の聞き取り調査を通じて、当時の人々が自分の土地ではない場所に疎開させられ、そこでどれだけ飢えや病気に苦しんだかということを知り、
「これらのお話(証言)は記録して残していかなくてはと思った」と言います。
私も南部に住んでいるから南部の話はよく伺うのですが、北部の話もよく知らなくちゃいけないなと思ったんです。

◎温かい色合いに包まれた1枚1枚の絵

いそざきちか:なんとか光を届けたいと、どんなに辛いシーンでも希望の光をイメージした色彩が黄色なんです。
それから戦争というのは、人間が大変な思いをするだけだけでなく、森や動物、虫たちの住む自然界にとっても、突然の災難であり大きなダメージを受けたと思うので、草木や虫ひとつでも丁寧に描きたいなと思いました。
いそざきちか『いただきます』インタビュー
◎絵本というかたちで届けること

いそざきちか:絵本というかたちをとったのは、絵画の展示会のように会場に出向かなくても、ひとりひとりの手元に届くというのがあって、家庭の中にも、教室の中にも、図書館の中など、いろんなところに入ってゆくことができるんですね。
それにコンパクトなので、この絵本は沖縄という島も軽々と飛びこえて日本中のいろんな所を旅できるんです。
他県のかたには、沖縄は青い空・青い海という観光イメージがあると思うんですが、
でも戦争の中を過ごしていた人たちには、光の届かないガマ(壕)の中や、この主人公のようにヤンバルの山奥に隠れ潜んでいたので、青い海も空も無かったんですね。
沖縄はあの歴史があって現在がある。「そして今、平和であるから青い海と空をゆっくり眺めることができる」とも言えますよね。
ぜひ、全国各地の方々にもみてもらって、沖縄をもっと知って頂けたらと思います。
(取材:KUWAこと、桑村ヒロシ)
いそざきちか『いただきます』インタビュー
いそざきちか『いただきます』インタビュー◎磯崎主佳・絵画展
『祈るこころ 継いでゆく思い』
期間/8月31日(金)まで
  『新作オイルパステル画』展示
場所/首里崎山『喫茶室アルテ』
   (通称:ロケットビル)
   11:00〜24:00頃まで

◎最終日の8月31日(金)は、
19:30〜パーティーがあります。
・『いただきます』(沖縄時事出版/1200円)
 の絵本原画の展示
・絵本づくりに関わった方々の貴重なトーク
・ミニライブ
・夕食付き2000円
(会場:首里崎山『喫茶室アルテ』)

◎磯崎主佳・最新作品情報
『おじぃの命ことば』(沖縄時事出版)が近日出版予定

そして、沖縄の人気blogランキングはこちら


【ryuQ最新記事】
今月のryuQプレゼント!!


プレゼント情報をもっと見る>>

プレゼントの応募は下記の応募フォームからご応募ください。
※酒類のプレゼントへの応募は20歳未満の方はご応募できません。
応募フォームはこちらから

ryuQは携帯からでも閲覧できます!!
ryuQは携帯からでも閲覧できます!!
ブログランキング【くつろぐ】 ランキングはこちらをクリック!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】
にほんブログ村 沖縄情報
同じカテゴリー(戦争と平和)の記事
国際平和デーOKINAWA
国際平和デーOKINAWA(2009-09-22 09:00)


Posted by ryuQ編集室 at 2007年08月29日   00:00
Comments( 1 ) 戦争と平和
この記事へのコメント
絵本を紹介してくださってありがとうございます。
この絵本がうまれるまでには本当にたくさんの方々に助言をいただきました。
戦争を経験していない私達世代は体験者たちから何を受け継いで、また伝えていくことができるのだろうと一生懸命考えてつくりました。
ぜひ手にとってみてぐださい。
Posted by 主佳 at 2007年08月29日 14:32
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
[公開]
[非公開]
※管理人のみ管理画面から確認することができます。
[公開]
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
[公開]
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。