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石川エンサー(エイサーの原風景を訪ねて3)

石川エンサー(エイサーの原風景を訪ねて3)
エイサーの原風景を訪ねてシリーズ第3弾は『石川エンサー』(現在、うるま市石川/戦前は、旧美里村字石川)を特集します。

石川(いひちゃー)のはじまりは、尚真王の時代にさかのぼり、
琉球王・尚真の命を受け、冨着大屋子が美里間切(現石川)の砂地だったところを区画整理し碁盤目状に街を作る際、まずは神屋や拝所を作り、そこから人の住む街を形成し、また村人の団結をはかる為に村の行事も作っていったといいます。
それが奉納芸能であるウシデークやエンサー(エイサー)などに発展していった様子。
石川エンサー(エイサーの原風景を訪ねて3)
石川部落長の石川行雄さんも「ほとんどの集落行事は、神ニゲェ(神願い)。拝所廻ったり、そして奉納芸能をしっかり護っていかないと」とのこと。その神屋と村屋を拠点に、石川エンサーの行事が現在も行われています。
「こういった行事をする中で、エンサーの良さや地域の良さが若い人たちにもわかってくると思います」とは、部落会役員の伊波章雄さん。
石川エンサー(エイサーの原風景を訪ねて3)
旧盆は集落内を道ジュネー。歴史ある村屋から出発し、旧前ン渠から銀座通りをはさんで旧後ン渠を2日間にわたって巡ります。
そして旧盆だけで終わらず、その翌日の旧7月16日には旗頭を立てエンサーとウスデークを奉納する『旗スガシ』、そして旧19日にはそれを収める『別れアシビ』が行われます。
この行事では、豊年万作、五穀豊穣を祈願。別れアシビでは旗を神屋に収める前に、旧集落の要所要所で厄をはらって行きますので、エンサーやウスデークの奉納芸能のほか根人根屋の神人さんも同行して一緒に廻り清めてゆくのです。
石川エンサー(エイサーの原風景を訪ねて3)
石川エンサーは、鉦と太鼓の音色にあわせて、まずは神々を招聘する所作からはじまるのが特徴です。
また、終わり方も一般的なカチャシーでは終わらず、同様の所作で収めるというとても特徴的なエンサー。

その姿も、黒衣の着物に白の襷、帯紐と同じ薄赤紫の頭巾にそれを紫色の鉢巻でしめるという、他の地域ではみられない伝統的な衣装を身にまとっています。
石川エンサー(エイサーの原風景を訪ねて3)
石川エンサー(エイサーの原風景を訪ねて3)そして何より、“もーやー”(手踊り)の型も特徴的で、伊波章雄さんによれば「力強く拳をあげる姿は空手の型から、足運びは琉球舞踊から発展した」といいます。その所作に、どこかとても“懐かしい”と感じさせてくれるのです。
太鼓の持ち方からして昔ながらの懐かしいエイサーを継承し、ソーグ(鉦)の音が念仏踊りのルーツを辿るかのように響いてきます。

また歌についても戦後の歌ではなく、戦前から歌い継がれている古典的な歌のみ。
現在の踊りの型は、大正9年からの形式を守り続けているといいますが、
石川エンサーは200年以上もの歴史があるといわれます。

石川エンサー(エイサーの原風景を訪ねて3)その約200年の歴史を誇る石川エンサーも一度は途絶えました。石川エンサー愛好会の石川浩樹さんは、
「1991年から12年間途絶えた石川エンサーも、2003年に復活して、石川エンサー愛好会の伊波孝浩会長と共に20名からはじめて、今では40名以上に増えてゆきました。
大変なこともあったりしますけど、神屋でみんなで奉納したあと、“あぁ、やっぱりやっていて良かったなぁ”って思いますね。そのあとみんなで酒飲みながら反省会するのがまた最高ですね。
それから、個人的な希望は、現役で手踊りの指導をされている伊波十徳さん(81歳)が元気なうちにハワイ公演を実現したいですね!」とのこと。

そして伊波十徳さんは、
「エンサーの手踊りを続けて65年という記録を持っていますけど(今も現役です)、その宝を愛好会に伝えたい。
“遊びぬ美らさや(あしびぬ ちゅらさや)、人数ぬ備わい(にんじゅぬ すなわい)”という言葉もあるように数も揃えて(会員を増やして)、ハワイ公演にも挑んでゆきたいと思います」とのこと。また、全島エイサーまつりなどでも伝統の石川エンサーを披露する機会あればとのことでした。
今年は、同日に開催された『第2回 うるま市エイサーまつり』に出演し、7万人という大勢の観客を魅了しました。
また、地元でも誇り高き石川エンサーは『いひちゃー青年エイサーまつり』に毎回出演しています。
ぜひ、多くのかたに観て頂きたい懐かしくも力強い男エイサーなのです。
(文+写真:桑村ヒロシ(KUWA)、取材協力:石川エンサー愛好会、根人門中の皆様)
石川エンサー(エイサーの原風景を訪ねて3)
※エイサーの原風景を訪ねてシリーズ:(Back Number)
(1)『世冨慶エイサー』(名護市)
http://ryuqspecial.ti-da.net/e1727422.html
(2)『シマエイサー』(本部町)
http://ryuqspecial.ti-da.net/e1729096.html
(3)『石川エンサー』(うるま市)
http://ryuqspecial.ti-da.net/e1739088.html
(4)永久保存版『エイサー起源』
http://ryuqspecial.ti-da.net/e2251010.html
(5)『エイサーの始祖・袋中上人』(エイサー起源シリーズ)
http://ryuqspecial.ti-da.net/e2269301.html


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Posted by ryuQ編集室 at 2007年09月13日   00:00
Comments( 5 ) エイサー
この記事へのコメント
おはようございます!

石川エンサーの大ファンです。
そうそう!復活した2003年当時石川市民会館の
舞台で初めてみました。

今までのエイサーと違う感動に浸り
追っかけをして見るようになりました。

もちろん今年も見に行きましたよm(_ _)m
Posted by かすみそうかすみそう at 2007年09月16日 07:21
かすみそうさん>
こんにちは。

石川エンサーを昨年から取材しています。
ですので、どこかでお会いしているかもしれませんネ。

石川エンサーの演舞にも惹かれますし、
何より、旧盆の期間に限らず、地域の中でしっかりと受け継がれ、
伝統行事には欠かせない大きな存在ですよね。
Posted by ryuQ編集室ryuQ編集室 at 2007年09月17日 08:23
石川エンサーのファンがいて嬉しいです!
情緒あふれる所作が何とも魅力的ですよね~。
それにモーヤーのおじいちゃんも味わい深くて大好きです。
Posted by ムーン at 2008年08月05日 05:21
ムーンさん、こんにちは。ryuQ編集部のKUWAです。

うるま市のエイサーといえば様々ありますが、
そして石川エンサーもまたとても素晴らしく、
小さな子どもからご年配の方々まで
地域の男性が一丸となって誇りを持って
自分たちの集落の行事をされている姿にとても惹かれますよね。
そして、鉦の響きもまたなんともいえません。
Posted by ryuQ編集室ryuQ編集室 at 2008年08月13日 15:25
すごい・・・石川にこんな素敵なものがあったなんて!
良かった、以前はまったく興味がなかったエイサーですが、
今年の旗すがしは見に行こうと思ってたんです。

これも何かのご縁でしょうね!取材していただいてありがとうございました!
実は石川在住の雫でした(笑)
Posted by 雫雫 at 2008年08月15日 22:21
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