2010年新春スペシャル・HYインタビュー【後編】

新春インタビュー第二弾は、HYのスペシャル・インタビュー【後編】をお届けします。HYは1/27発売の新譜『Whistle』をひっさげ、3/22より沖縄から全国へ向けて161本のライブを敢行するといいます。
※前回のインタビュー【前編】に引き続き、ふたたびHYにクローズアップしてみました!
——1/27発売の最新アルバム『Whistle』に収録された曲は、何曲作った中での“選りすぐりの12曲”となったのでしょうか?

新里英之(Vo+G):10年目にしてはじめてストック曲ができたんですよ。今までは例えば12曲入りならひとり3曲ずつを全力で作ってきて12曲を収録してきましたので、ストック曲まで生まれたことは贅沢なことですね。
——あえてテーマも決めずにそれぞれが曲を持ち寄ったとのことなのに、アルバムはまとまりがありますね。
新里英之:1曲1曲を丁寧に作ったというのがあるから、まとまりがあるのかなと思いますね。これまでのものを全部つぎ込んできたし、以前はちょっと照れがあった部分も無くなってきて、それは10年の間に培ってきた自信だったり。今回全曲ともチャレンジしているよね。
——それぞれのパートではどんなチャレンジをされましたか?

許田信介(B):意地やプライドとか捨てて、1曲1曲をみんなとコミュニケーションをとって、妥協しないで作り込んでいけたというのは今回の挑戦でもありましたね。
仲宗根泉(K+Vo):いつもそんなに変わった事をしているつもりは無いのに、周りから言われてあとで気づくことはあるんですけど、今回は『君のいない世界』でラテン調の曲とかやったりしました。そういうのも面白かったし、あとはコードとかが複雑になってきたなっていうのがありますね。
名嘉俊:ドラムの演奏はもちろんですけど、僕は作詞の部分でもこだわりましたね。『告白』とか起承転結をどうやってまとめようかとみんなとも相談しながら。あと、比喩表現などで、どれだけこの10年のうちに培ってきた中で表現できるかとかですね。
——ラスト曲の『時をこえ』はつい涙しますね。「僕らが 歌にのせて 届けなきゃ あなたへ」という歌詞に、HYはこうやって今の時代に歌で沖縄の心を人から人へとつないでいるんだなって感じました。
名嘉俊:この曲は完成するまで一番時間が掛かり、最後まで悩みましたね。

いつかは沖縄の歌を作れたらいいなと思っていたので、そういった時にこの歌詞が降りてきてくれたので、難しかったけどとても書きたいと思って書いていた歌だったから。そういう意味では10年というのがターニングポイントだったのかなと。
またゴスペルを入れることに…、実はそれが一番迷ったことでした。外国人のかたに、沖縄のメロディーに沖縄を歌った歌詞をのせて歌うっていうのがどうなんだろうというのがあって。それはカッコイイから入れたいとか音楽的な効果として入れたいというよりも、私の中では"意味がある"から入れたいというのがあったんです。
それで昨年の9/22のストリートライブの前に、この歌についてMCできちんと解説したほうがいいと英之とも話し合って。
この歌を格好良くするために英語でゴスペルを入れたとか誤解してほしくないと思ったし、この歌が世の中に出てからもそれをちゃんと伝えていかないと、本当の意味は伝わっていかないと思うから、ずっとその努力を続けていかなきゃって思っていますけどね。
——“意味があって”英語のゴスペル・コーラスを入れたとおっしゃいましたが、どんな意味が込められていたのでしょう?
仲宗根泉:この曲が出来た日に、これから構成をどうしようかと考えながら散歩していた時、本当に平和を感じられたんですよ。この曲を聴きながら昼間に普通に犬の散歩をしていたんですけど、太陽の日差しが照らしてきて「あぁ、私たちってなんて平和なところに住んでいるんだろう」って感じることができて、その初期の音源にはまだゴスペルのコーラスが入っていなかったのに、まるで重なって入っているかのようなイメージが沸き上がってきたんです。

「平和って、(敵とか味方とかを超えた)そういう意味なんだ」って気がついたんです。音楽だから出来る平和じゃないのかなって思って。
——そういう“深さ”や“大きな愛”を所々に感じさせるアルバムですね。そんな新譜『Whistle』をひっさげて、2010年は全国161本のライブを決行していくそうですね。2〜3日に1回のペースで全国のどこかでライブをやっている事になりますね!
名嘉俊:HYはライブバンドなんですけど、全国161本というのは初めての挑戦になりますね! この5人でがっちり結束してやっていきたいです。不思議とどんなに疲れていても、ライブをしている瞬間は凄く楽しいんですよ。お客さんの笑顔とかにパワーをもらったりしますし、体調管理しながら、今まで支えてくださったファンの皆さんに恩返しをしたいと思っています。
一本一本のライブを大切にしながら161本を成し遂げた時には、絶対何かを得ていると思うしね。

全員:そうだね。
——しかも大型ホールではなく、今回はライブハウスで演奏されるとのこと。ライブハウスにこだわられたのは?
新里英之:新しいスタートでもあり、また原点に戻ってやりたいという事と、各地域を細かく回って自分たちからの音を届けたいのがありますね。それにライブハウスなのでアットホーム感も出せると思うし、お客さんとバンドとの距離感も近いから、また強い絆で結ばれると思うんですね。
——そして、そのツアー初日(3/22)が地元沖縄の宜野湾市海浜公園野外劇場。海浜公園野外劇場といえば8年前(2002/3/23)に初めてワンマンライブをした場所ですよね。その場所でツアー初日を迎えることにしたのは?
仲宗根泉:そういった大切な場所であるし、またストリートライブの時とも同じようにね、お客さんとライブをしながら気持ちのほうもいい変化をしていくと思うんですよ。
名嘉俊:今回は、石垣島まで行きますよ!
——10年の節目を迎えてまた新しく出発するHYのこれから。

仲宗根泉:これからも考えていることとか基本は変わらないと思うんですよ。だけど、自分でやりたいような音楽とか、HYの個性をもっともっと出していきたいなと思うし、HYの音楽がさらに変化していくかもしれない。まだまだ若いのでいっぱい学ぶ事もあると思うし、自分たちがどう変わるかが楽しみですね。
許田信介:まずは161本のライブという怒濤のツアーからですね。全力で出し切って自分を空にして、そこからまた入れ直して何かを得ていくと思いますし。そこでまた見つけていけたらいいなと思いますね。
宮里悠平:10年を経てきた今だからこそ感じられるものもあるし、またこれからも新しいものを吸収していきたいなと思っています。
名嘉俊:現実的なこれからの10年、20年は、きっと相変わらずいろんな場所でライブして、お客さんと一緒に成長しながらいろんな感動を共有していくんだろうなと思いますね。素敵な想い出のフォルダをどんどん増やしながら書き換えていきたいですね。
——最後の質問です。HYの歌に、夢や希望や励みをもらったりするのですが、HYの皆さん自身には特別な夢とかはありますか。
仲宗根泉:特別なことではなくて、今の日常の中から一つ一つを大事にして、ファンの皆さんを大事にして、また大事にされるように。そしてメンバーも変わらず一緒にやっていけたら、それが一番ですね。
新里英之:みんなで一緒におじいになっていくと思うんですけど、その時を見てみたいですね。おじいなりの一生懸命でギターを持って演奏していると思います(笑)。

新里英之:1月27日に発売されるこのアルバム『Whistle』は、何かのスタートだったり、ホイッスル、合図、きっかけになるような1曲1曲なので、それぞれにきっと当てはまるような作品です。ぜひみんなに聴いてほしいなと思いますし、これからも沖縄を原点にしながらやっていくので、みなさん、ぜひ支えてやってください。
(※インタビュー【前編】を読む)
■HY公式HP:
http://www.hymode.net/
(取材: 桑村ヒロシ)
(取材協力: 東屋慶名建設、新星出版)
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