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【対談2】新城和博(ボーダーインク)×平田大一(南島詩人)

書籍版『シマとの対話【琉球メッセージ】』7/31発売決定!
いよいよ7/31より、書籍版『シマとの対話【琉球メッセージ】』が発売開始! “新時代へのヒント”が散りばめられたシマ哲学(島人の何気なく深い言葉)の書。そしてシマの深い根っこの部分から訴えてくるかのような写真の数々。著者・平田大一と名編集者・新城和博との対談第2弾!

新城和博:ryuQで連載されていた作品群が、本というパッケージになってまた新しいカタチになりましたね。
本のページをめくると、今作品は写真とのコラボということで、写真との関係性で何か感じるものはありましたか?

新城和博(ボーダーインク)×平田大一(南島詩人)平田大一:連載開始当初はryuQの桑村(KUWA)さんから用意されていた写真をみて、インスピレーションを呼び起こしていたんですよ。
それが段々と、自分の中の“今週のテーマ”みたいなものを綴っていくことに。ほんの一週間の間にいろんな事が起こっているんですよね。
そこからは、写真のほうと「せーの!」で出し合ったものが、意外と“同じテンション”で“同じタイミング”“同じ目線”だったりしていたんです。
そんな背景などは知らない読者からみれば、最初から文章と写真は関連づいて組み合わさっているのだろうと思われるかもしれませんが、実際は、シマの風景やシマに流れているテーマ“シマからのメッセージ”というところで奇跡的に文章と写真とが繋がっていただけで、本当に自由にやらせてもらった。そうやって生まれたコラボレーション作品です。

新城和博:コラボレーションされた桑村ヒロシさんの写真については、どう思い、感じましたか?

平田大一:たぶん、彼も“直感”で撮っている人なんだなと。
なので、同じ写真は2度と撮れないはずなんですよ。(一期一会)
だから僕はそれを、彼が持っているとっても大事なところだと思っていて。

大人になると、どうしても理屈や理論とか説明をしたがると思うところですが、
自然を写すというのはそういうところを超えたところで、巡り合いみたいなところがあるじゃないですか。
そういう意味でいうと、巡り会いに幸運な人なんだな、という印象ですね。

新城和博:そう言われてみて気が付きましたけど、今回、自然の風景と、祭りの写真も多いですよね。

平田大一:つまり、自然とそこ(シマ)に生きる人たち、それをつなぐのが祭りというか。
祭りというのは、人の営みの一番大事な部分ですけれど、それが自然にある沖縄というのはやっぱり凄いなと。

【対談2】新城和博(ボーダーインク)×平田大一(南島詩人)新城和博:祭りがシマの核になっていると。
そして今、平田さんは生まれ島(小浜島)を離れて舞台などの活動がメインになっていると思うんですけど、そういうシマの祭りみたいなものが、現在の舞台などにも反映されているのでしょうか?

平田大一:まさにストレートに(笑)。というのは、僕が個人的に思っているのは、“文化芸術のために人づくりでは無くて”、“人づくりのために文化芸術は使うべきだ”と思っていて。

それは、お祭りを継承するために、後継者となる人材をつくろうとしてその後継者がいないとか大騒ぎをしているかと思うのですけど、まさにその逆で、お祭りを通して“このシマに生まれて良かった!という心を作る作業”であって。

だから、本来シマの祭りが持っていた想いというのでは、現代版組踊『阿麻和利』の舞台であったり、僕が造る舞台づくりの中に活かしているんですよ。

舞台を通して人づくりをしていくという事と、地域の人材を育てていく。
小浜島の言葉でいうと、「キンザルムヅル シマムツイ」という言葉があって、「行事を持っていく人が シマを持っていく」というのと同じであって、“祭りを通して、人づくりをしていく”というのが、今の僕の“舞台づくりの方程式”なんですよね。

【対談2】新城和博(ボーダーインク)×平田大一(南島詩人)新城和博:この本の中にも書かれていますけど、演出をやるというのは当初は考えていなかったところに、偶然のように巡ってきたそうですね。
そういう舞台づくりについて、特別には意識的にしていなかったところ、後で考えてみたら“そうだったのか”と。

平田大一:誰か先生に付いて学んだ訳でも無いですし、豊富に舞台を観て育った訳でも無いですし、
「では、あなたのバックグラウンドな何ですか?」といわれたら、“シマの祭り”なんですよね。

新城和博:舞台演出家では特殊ですよね。

平田大一:そうですね。
10年以上前の僕を知っている人にとっては、サトウキビ畑でキビを刈ったり、島内観光のバスを運転するという青年だったから、あの時、10年後の僕が演出家になっているとは誰も想像していなかったですよね。
ですから、これから10年先の僕が演出家をやっているのかというと、誰にもわからないですよ。

たまたま今は、演出という形で“シマ興し”ができているという成功事例だけであって、
その前が、小浜島でサトウキビと農業という『キビ刈り援農塾』で“シマ興し”をやっていた訳ですよね。

新城和博:多くの人が知っている活動だとは思うのですが、それ以前の大学の頃とか那覇に出てきたばかりの頃とかは、地を這うようだったともおっしゃっていましたが。そういう苦しい時代というのは、今からみるとどういう時代だったのですか?

平田大一:一生懸命だった時代でしたね。そして今も。
でもあの時はあれが精一杯の一生懸命で、今は今で一生懸命なんです。
だから、苦しいというのは一つも無かったですね。“今自分に課せられた仕事だな”と思っていたので。

その時、その時が一生懸命で、ブレている余裕もなければ、振り返る余裕も無いみたいな感じで、気が付いたら40歳になっていた、というような。

シマとの対話【琉球メッセージ】新城和博:僕がこの本の中で結構印象的だったのは、シマのお爺さんの話とかで、
「人は生まれてくる時に自分で約束をして生まれてくるんだ」というような話がとっても深い言葉だなと思ったんですが。あれは、自分の心の中にずっと持っていたものなのか、それとも何かの拍子にふっと浮かんだ言葉なのか?

平田大一:やはり、蓄積されているものだなと思いますね。
“シマ哲学”と呼んでいるんだけど、シマの特にお年を召した方というのは神の言葉という言い方があって、本当にそれに近いなと思うんですよね。
宮古島で何気に出会ったおじさんが「流されるにも、才能が必要だよ」と言った言葉とかね。凄いなと思いましたね。

新城和博:あの話も、なかなか名言でしたよね。

平田大一:漂流するという生き方というかね。
例えば「サトウキビは、台風の時に折れて枯れてしまわないように風を受けて自分から倒れていくんだよ」というような事とかね。

新城和博:“シマの哲学者”(長老)たちには、そういう風に聞こえてくるようなんでしょうか。

平田大一:今振り返ってみると、そういうアンテナを僕らが持っていなければならないという気がしますよね。
僕らが抱いているシマの風景というのは、青い空、青い海、強い日差しとか、本当は同じなんですが、
でも、アンテナがどこに向いているかで、キャッチの仕方が違うんだという事に、今回執筆しながら凄く考えた事でしたね。

新城和博:たしかに、同じ風景をみているはずなんだけれど、その風景をどう切り取れるか!という感覚が作品になれるのかどうかなのですね。
さぁ、いよいよ7/31から、書籍版『シマとの対話 【琉球メッセージ】』が発行されますね! 多くの皆さんに届きますように。

(この興味深い対談インタビューの続きはコチラ!)
(→対談インタビュー[第1話]のバックナンバーを読む)

QRコード書籍版『シマとの対話 【琉球メッセージ】』
文:南島詩人・平田大一/写真:桑村ヒロシ
出版:ボーダーインク
発売日:7月31日
価格:¥1500(+税)
通販:てぃーだショップにて好評発売中!(→コチラ)

(聞き手: 新城和博、編集: KUWA)


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Posted by ryuQ編集室 at 2009年07月30日   09:00
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