ゲンちゃん『あなたにありがとう』インタビュー【後編】

「自分の中で一番影響が大きかったのは、“5月15日”の沖縄本土復帰の日でしたね。その時、20歳でしたが、いろいろとわかるようになった30代頃からで、調べてみると、明治に“琉球処分”されていた。さらに遡れば、1609年の薩摩侵攻から400年に渡って統治されてきたのだなと。だから、もうそろそろ“琉球”も開放されてもいいんじゃないの?と思って、曲目や歌詞の中に意識的に“琉球”という言葉を入れています」と語るのは、ハートフル・メッセンジャーなシンガーソングライターのゲンちゃんこと鉢嶺元治さん。

キーワードに“琉球”そしてもうひとつの大事なキーワードが“地球家族”なのだそうです。いつからそう思うようになったのでしょうか。インタビュー【前編】に引き続き、よりディープなインタビューへと展開していきました。
■地球がなかったら人間は存在しないんだもの。だから“地球家族”
ゲンちゃん(鉢嶺元治):“地球家族”を意識しはじめたのは、“ノーマライゼーション”という「健常者も障害を持った人もみんな同じだ」というふうに考えるようになってからですね。境界なくボーダーレスでいかないと。
——“ボーダーレス”になって、元の元をたどっていくと“ひとつの地球”という意識になっていく訳ですね?

たとえば、地球だって人間の土地ではないのに、お金で勝手に売り買いしている。本当は地球から借りているんですよね。地球から場所を借りて恩恵を受けている。では、還元するべきではと思うんですよね。
借りた所なのに、削ったり埋めたり。奪い合って血で汚したり。
地球からみたら、まるでガン細胞のようです。でも昔は人間も共存していたはずなんですよね。その土地にも感謝の気持ちを返していました。それが“祭り”でした。
五穀豊穣を祈り、収穫したら感謝祭をしたり。それがいつの間にか、自分たち人間だけが楽しむだけのイベントになっている。そこでもまた儲けようと欲望のためにね。
■すべてに感謝。そこからこの曲が生まれた
——たとえば、土地とかに“感謝”すると、不思議とレスポンスが返ってきますよね。昔の人たちは、それをよく知っていた。
ゲンちゃん:そう、ちゃんと返ってくるんだよ。先人達は、それをよく知っていたんだよ。
そうやって昔は採れる分だけを戴いていた。でも最近では“もっともっと欲しい”と農薬や化学肥料を使うようになってきたよね。土をだめにしていくんですよ。そういうところから狂っていく。
たとえば土地が投機の対象になっていったり、今の経済にしてもマネーゲームですよね。だからもう一度、地球人として原点に返らないといけないんじゃないかなと思う。

基本に立ち返るとは、すべてに“感謝”すること。それで作った曲が『あなたにありがとう』なんですよ。
“感謝”って、例えば自分が今ここにいるのも親がいて育ててくれたから存在するのであって。お母さんはおじいちゃんおばあちゃんがいてって辿っていくと、アダムとイブになるし、それを作った神に行き着くでしょ。だって地球を作ったのは神様だもの。
だから俺たちは何を悩んでいるの? 悩んでいる事があったら、追いつめられる前にまわりに打ち明けてほしい。“せっかく与えられた命を絶たないで”って、それを一番に今伝えたいですね。
——沖縄でも自殺者は少なくないのでしょうか?
ゲンちゃん:沖縄ではそういう事があってもあまり外には出さないさね。だから本当に困った時に助けてってできないさ。それは見栄とか世間体とかを気にしてね。それ(たとえば自分が惨めな姿を知られたくないとか)をとっぱらって「助けてください」と声を出す勇気があれば、まわりも助けようとできるかもしれないのに自分の中に籠もってしまう。
そして自分でどうしようもなくなり自殺して楽になるだろうと思ってしまったり。でも本当の地獄はここから始まっていまうのに!
“自殺は神様が認めていない最大の過ち”であることを、教師が無理ならお坊さんでも牧師さんでもいいから、なぜ教育でそれを教えてもらえないのだろう?
人間は機械では無いから、心の悲鳴をあげるさ。でもそのストレスを抱えたままで、丸裸に自分をさらけだせなくてね…。
——それで「心を開いてごらん、勇気を出して」とやさしく語りかけてくるように歌う曲『私たちはひとつの地球家族』を届けたいと。今回のCDに入った3曲とも、共通のメッセージがあるようですね。
ゲンちゃん:新曲『あなたにありがとう』が『私たちはひとつの地球家族』『輝く明日へ2008』の全3曲をまとめたかたちになりました。“ふんばっていれば必ず明日(未来)が来るから”って。
だから、琉球・沖縄から何を発信するかというと、助けあいの“結いまーる精神”だよ。こんな大変な時、もし誰もが自分・自分・自分…となるとそれぞれが孤立してしまう。だからこういう時こそ、みんなで幸せになる事を考えていかないと!
■今、この歌を届けたい
——心の緊急事態という事で、それで新譜が通常の半額の500円で緊急リリースされたのですか。聴かせていただくと、希望を感じることができる歌ですね。

人間生きていく上で、良いこともあるし悪いこともありますよね。それなら悪いときに備えて、例えばこの世界的な危機も他人事とは思わないで、だから自分だけでなく、地球家族みんなの幸せを願って。そして「あなたも愛されていますよ」と伝えたいですね。
(→インタビュー【前半】を読む)
(取材+動画:桑村ヒロシ)
【ryuQ最新記事】
今月のryuQプレゼント!!
プレゼント情報をもっと見る>>
今月のryuQプレゼント!!
プレゼントの応募は下記の応募フォームからご応募ください。
※酒類のプレゼントへの応募は20歳未満の方はご応募できません。
応募フォームはこちらから
ryuQは携帯からでも閲覧できます!!

ブログランキング【くつろぐ】
ランキングはこちらをクリック!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】
にほんブログ村 沖縄情報
てぃーだな特集新着記事
お気に入り
QRコード

読者登録(更新のお知らせ通知)
アクセスカウンタ
ryuQ特集記事>検索
バックナンバー
ryuQプロフィール
ryuQ編集室
カテゴリー
観光・レジャー (70)
グルメ (29)
ビューティー (6)
アウトドア・スポーツ (3)
エンターテイメント (6)
沖縄の芸能・文化 (36)
ビジネススタイル (1)
暮し生活 (41)
趣味・遊び・お得 (100)
健康・医療 (3)
沖縄の人々 (196)
ペット・アニマル (12)
沖縄の匠 (10)
THE泡盛 (14)
壁紙 (57)
ショップ紹介 (29)
三線 (15)
ECOライフ (8)
戦争と平和 (16)
スピリチュアル (11)
沖縄のスポーツ (11)
CD新譜情報 (35)
映画情報 (23)
南島詩人・平田大一『シマとの対話』 (75)
ryuQ編集部から (4)
琉球百科シリーズ (163)
エイサー (10)
写真でみる沖縄 (7)
新製品情報 (8)
過去記事・月別に表示