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昔から歌い継がれている島唄を、登川誠仁など大御所唄者たちによるいぶし銀の唄で新録した２枚組のＣＤ『沖縄トラッド』は、もう１枚のボーナスＣＤもまた目玉のひとつ。次世代の若手実力派唄者たちを紹介しているほか、１曲目はRYUKYUDISKOのリミックス曲だったりと、これまでには無い構成の魅力的な作品だ。
また、“本物の唄”を各地に届けたいと、大阪・東京・沖縄で『沖縄トラッド』ライブツアーを開始してゆくとの事！ このアルバムを企画プロデュースした上原キコウ氏へのインタビューは、[前編]に引き続き、さらに興味深い話へと展開した…

本物の唄の世界を、新しい感性で新しい世代にも訴えたい

——この２枚組アルバム『沖縄トラッド』で、注目のひとつがボーナスＣＤですよね。その中でも上原キコウさんらしい１曲目のセレクトが、RYUKYUDISKOによる大城美佐子さんの唄のリミックスですが、新しい感性で新しい世代にも訴える作品でもありますね。

上原キコウ：１曲目のRYUKYUDISKOですが、彼らは、沖縄音楽のスピリッツの部分を継承しようと試みていて、新しい音(テクノ)で沖縄民謡をやろうとしているところに共感を持ちました。そこで今回彼らにリミックスを依頼しました。

——この２枚組のうち、１枚目が伝統的な民謡を名人に歌ってもらったもので(16曲入り)、２枚目のボーナスＣＤが若手唄者ですが(10曲入り)、まだ全国的には知られていない新しい世代の唄者さんたちのいい唄も、またたっぷりと聴かせてくれますね。

上原キコウ：このボーナスＣＤには意図がありまして、メインのアルバムの趣旨・規模がこれだけのものを収録していれば、おそらく民謡ファンの目にとまる内容だと思います。
そこで若手唄者の方々も引き上げるフックアップにはいい機会だと思い、このアルバムのボーナスＣＤを一緒にパッケージにしました。

——まだ本人名義のＣＤは出ていないけれど、今現場で最も活躍していらっしゃる若手唄者を引き上げたとのこと。

上原キコウ：たとえば、ボーナスＣＤの２曲目の天久朝之さんは昨年の三線早弾き大会(コザで開催)で昨年優勝した方で、あの登川誠仁さんも唸らせたといわれていますし、３曲目の比嘉真紀さんは徳原清文さんのお弟子さんで若手でも大変名を馳せた方ですね。５曲目の徳里隆行さんや６曲目の比嘉久美子さんは北谷のほうで活躍されている方々だったり、４曲目のりーりーさんや８曲目の堀内加奈子さんは大城美佐子さんのお弟子さんとして知られている方々です。30代前後のこれからの時代を担う方々を全国にもご紹介させて頂こうと思いました。まだCD化されていなくても、こんなにまだまだ実力派の若手が沖縄にはいるんだ、ということですね。

——彼らも、もうすぐツアー開始するオキナワントラッド・ライブに出演されるのですか？

上原キコウ：3/15(日)の沖縄公演には出演予定(前半の第一部で)ですね。お楽しみに。


名人たちの唄を生で聴けるライブが、東京・大阪・沖縄で開催！

——そのレコ発ライブのツアーが、大阪公演(2/10)、東京公演(2/11)、沖縄公演(3/15)とこれから続きますね！

上原キコウ：本物の唄をぜひ生で聴いて頂きたいですね。
これだけの顔ぶれですので、収録曲を演奏するほか、せっかくなので何かやろうと思っています(笑)。

また登川誠仁さんたちをはじめ、県外で金城恵子さんや名護良一さんの唄も聴けるのはとても貴重な機会だと思いますので、ぜひこの機会に。

——このライブやＣＤで、特にどういったところを聴いて体験してもらいたいですか？

上原キコウ：若い人たちにもぜひ聴いてもらいたいですね。(ＣＤも若い世代の感性にも響くように音をまとめてみました)
若い人たちがこういったトラディッショナル(伝統的)な沖縄民謡に興味を持ってもらえたらと思っています。アイリッシュ・トラッド(アイルランド民謡)はドーナル・ラニーさんが若い世代にも広めていったように、この『沖縄トラッド』のライブとＣＤで、ぜひそれを体感してほしいなと思います。

各公演ではソロはもちろん、この顔ぶれなのでコンビ歌も実現する予定だとか。そのほか、たとえば沖縄公演では、毛あしび(歌垣)を再現する予定だとのこと！それも時間無制限で！これは凄いことになりそうですよ！

（※インタビュー[前編]はコチラ→）

※リンク：公式ＨＰのライブページへ→

（取材: 桑村ヒロシ、取材協力: PMエージェンシー）