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久保田麻琴、世界をぐるりと廻り、沖縄へ!

久保田麻琴、世界をぐるりと廻り、沖縄へ
久保田麻琴トークライブ『音の旅 〜70年代沖縄発 世界経由 宮古行き〜』(主催・カフェ・ユニゾン、共催・ryuQ:『ワールドミュージック・カフェ・シリーズ第一弾』)が12/5(土)に開催されました。

ゲストに、内田勘太郎氏(元優歌団)と久万田晋氏(沖縄県立芸術大学教授・民族音楽学、民族芸能論、ポピュラー音楽研究者)を迎え、ブラジル〜モロッコ〜エチオピア〜そして宮古の収録映像と音楽を交えながら、合計8時間相当の映像を3時間にぎゅっと凝縮したという、濃厚なトークVJショーとなりました。
久保田麻琴、久万田晋、内田勘太郎
世界の音を訪ねる音の錬金術師の旅日記久保田氏の著書『世界の音を訪ねる 音の錬金術師の旅日記』にも書かれていますが、氏の沖縄との関わりは、西表島でラジオから流れてきた喜納昌吉の『ハイサイおじさん』に衝撃を受けたことがきっかけで、その後、喜納昌吉氏を本土に紹介しました。喜納昌吉氏の2ndアルバム『ブラッドライン』の収録曲『すべての人の心に花を』(『花』のオリジナル・ヴァ−ジョン)では、名ギタリストのライ・クーダーとも共演するものの、喜納昌吉氏とはその後、会うことがなくなってしまっていたそうです。
ところがつい先日、宮古島で喜納昌吉氏と約30年ぶりにバッタリと再会。またその後しばらくして、ライクーダーとも東京で旧交を暖めたのだとか!

トークショーでは、久保田氏の'70年代の沖縄との話から、当時すでにデビューしていた優歌団との接点などのほか、久万田氏からは「リアルタイムではなく少し遅れてだが、よく久保田氏の音楽を聴いていた」などといった'70〜'80年代当時の話からスタート。当時の音楽雑誌「宝島」などでどちらのバンドも紹介されていたことが思い出されます。

モロッコ宮古島にはこの2年間で9回も通ったという久保田氏が、その宮古島の前に旅していたというのが、ブラジル、モロッコ、エチオピア。元々ジャズを好んでいたという同氏ですが、ブラジルといえば、ボサノバ。当時セルジオ・メンデスが大ブレイクし、またブラジル映画も印象的だったそうです。

ブラジルそしてブラジルはリオのカーニバルが有名ですが、'90年代に関心が向いていたアジアへの興味以降、再びブラジルに浸りたくなったが、リオじゃなく、もっとディープ
なブラジル北東部の空気に入りたいと思ったそうで、レシーフェの祭りへ向かいます。ここでのカーニバルはサンバのルーツ音楽が溢れており、ルーツなリズムがメインなカーニバル=マラカトゥなどに注目しています。

モロッコではグナワという独特なリズムと踊りの不思議な音楽観に魅了され、ベルベル音楽、地元の弦楽器やリズムを奏でる奏者の音を宿泊先で録音する様子などが紹介され、またエチオピアについては、溢れる躍動感とエキゾチズム音楽が紹介されました。
ここまでで既に2時間が経過。残り1時間のところで、そしてようやく宮古島の深い世界へ。
久保田麻琴、世界をぐるりと廻り、沖縄へ!
久保田麻琴、世界をぐるりと廻り、沖縄へ!まずは、7月18日・19日の2日間に渡って行われた『宮古島の神歌・古謡』公演(東京青山・草月ホール)の映像が映写されました。その映像からだけでも、現場の空気感と気迫が感じられ、鳥肌が立つのを感じました。

ここで“なかなか帰って来られなかった沖縄”へ戻ってきたキッカケについて、氏はこう語っています。
「'90年代、沖縄音楽がワールドミュージックとして認識されたのは喜ばしいことだったが、自分はアジアや他の地域での録音や旅行で忙しかったので、しばらく沖縄には縁がなかった。でも気になってはいたんですね。
しかしある時、熊野へ旅した時に感じたのが、我々が知ってる日本は大和朝廷、日本書紀などを読んで教科書レベルなことよりもっと古いものが隠された状態で何世紀もあっただろうということ、習った歴史は自分の心ではどうもとよそよそしさを感じて。
そんな時、もう一度沖縄を見てみようかと思い立った。同じタイミングで沖縄での録音の仕事が入り、長年眠っていた沖縄への扉が開くきっかけが始まりました。沖縄本島での仕事を済ませた後、知人の紹介で、なにげに行ってみたのが宮古島だったのです。
中でも特異な文化を持ち続け、自らを池間民俗と呼び、池間島から移住していった宮古本島西原地区や伊良部島佐良浜地区の神歌や古謡、そして宮古民謡へと辿り着きます」。

しかし、宮古へ着いたばかりの時は何も手掛かりがなかったそうです。その後、養老院などを訪ねたりして縁を繋ぎ、神行事が(久高島の祭祀 イザイホー同様に)絶えてしまうことに危機感を持っていたおばぁたちの決断によって、外部へ公開してもよい神や古謡が収録され、そして東京公演へと実現していくことになります。彼女たちが神歌を歌いだした時、何世紀も前の風が吹くのを感じたそうです。

ここで注目したいのが、この夜、紹介された土地の歌や踊りは、全て地域に根づいた土着のものであり、観光など決して外に向けられたものではないという事。その地域の暮らしと共に昔から伝わる祭礼儀式の歌や舞が行われます。それらは奉納と呼べるようなものだそうです。

久保田麻琴、世界をぐるりと廻り、沖縄へ!旅した世界各地の映像と音を披露するといった目的のイベントではありましたが、氏の研ぎ澄まされた(何かある)という嗅覚において、ブラジル〜モロッコ〜エチオピア〜宮古島といった異なる場所でありながら、これらすべては“魂の奉納”という共通点で一本の線が結ばれていました。今回、その貴重な発表の場となったのです。

宮古・西原宮古・池間氏がこれまでリリースしてきたCDのBlue Asiaシリーズの新作、Sketches of Myahk では、宮古島の古い音源もリミックス的に使われていますが、元となっている“南嶋シリーズ”の4枚のうち2枚は、かつて西表島で『ハイサイおじさん』を聴いた頃とほぼ同じ頃、宮古で収録された音源だったのだそうです。
「もしあの時、私が『ハイサイおじさん』と出会ったその足で、西原(宮古島)にも行っていたら…と思いますね」と語り、約30年という年月を経て、今また沖縄へ意識を向けている真っ最中のとてもホットなVJショーとなりました。

ハワイ・チャンプルー公演終了後、『ハワイ・チャンプルー』の頃から久保田氏のファンだという方にお話を伺いました。
「本土で生活をしてた時、ある店で久保田麻琴さんの『ハイサイおじさん』を聴き、それ以来ファンになったので、まさか今回沖縄でこのように生で彼の話を聞けるとは思いもよらなかったです。とても濃い時間でしたよ」と語って下さいました。

そして、この魂の奉納について、「アカデミックな興味やアーカイブ化というだけでなく、消滅する前にその古謡を記憶している彼女達の歌を出来るだけ音楽的な状態でデータ化し、将来に伝えたい」という久保田氏の考えに共感した映像監督・大西功一も同じ想いで、すでに何百時間もの収録をしており、そう遠くない時期に映像作品として、皆さんの目に触れる機会がありそうです。こちらもどうぞお楽しみに。

最後に、今回この『ワールド・ミュージック・カフェvol.1』に足をお運びいただいた皆さまと、カフェ・ユニゾンの皆さまに心より感謝いたします。

これがきっかけとなり、これからもっと深い交流が始まるのではないかと予感しています。

久保田麻琴公式HP:
http://www.kubotamakoto.com/

(取材: NAYUTA、写真+編集: KUWA、協力: カフェ・ユニゾン)


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Posted by ryuQ編集室 at 2009年12月10日   09:00
Comments( 0 ) 観光・レジャー
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