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久高島100年に一度の祝典〜未来を担う子供たちと共に〜

久高島100年に一度の祝典・未来を担う子供たちと共に
平成21年6月27日(土)南城市立知念の久高小中学校で、生徒・先生、住民や島外、県外からの出身者や観光客を含め、新校舎落成と創立100周年記念式典行事が盛大に行われた。

前日まで天候が悪い中で、島の人たちは祝賀会のための漁を行い当日も朝早くから料理や式典・祝賀会の準備。そして待ちに待った100年に一度の式典当日は晴れ上がり、真夏日となった。

午前中は新しい体育館にて、幼稚園児を合わせた生徒と先生方、そして卒業生の言葉による児童・生徒の式典が行われた。生徒たちの校歌斉唱の後、内村直子校長による久高の学校・100年の歩みについて、写真を映しながら解説がはじまった。
久高島100年に一度の祝典〜未来を担う子供たちと共に〜
久高島100年に一度の祝典〜未来を担う子供たちと共に〜前身は明治19年(1886年)に正式な学校ではなく、まずは塾として生徒数15名でスタート。その後、明治39年(1906年)に久高尋常小学校となる。昭和20年(1945年)3月には太平洋戦争で校舎は全焼。翌年に青空教室として学校は再開し、昭和50年(1975年)には100名を越したが、昭和が終わり平成元年(1989年)に入ると、生徒数は10名前後と少なくなってきたそうだ。
ところが、島に平成13年(2001年)・留学センターができ、山村留学が始まると全国から生徒が集まり、現在は小学生16名・中学生21名、合計37名の生徒が学んでいる。
平成18年(2006年)には南城市立久高小中学校と改名し、創立100周年を迎えたが、今年平成21年(2009年)の新校舎落成に合わせ式典を開催した。

子供たちは校長の解説で身近にいる見知った先輩たちの子供の頃の写真と今を見比べ、年代が平成に近づくにつれ、自分の身内や「○○のお父さん!」と声をあげ、自分たちが通う学校や、そこに映し出される生徒らの歴史の写真を食い入るように見上げていた。

生徒会長・福治光弘さん生徒の代表として、生徒会長・福治光弘さんは「今日は100周年の記念すべき日です。100周年という長い歴史の中で、暮らしや文化を積み上げてきた先輩たちの意思を受け継ぎ、これからも久高小中学校を発展していけるよう頑張っていきましょう」と誓い、次に島の先輩でもあり、学校の卒業生でもあるという西銘武一郎氏による記念講和が数十分行われた。久高島や八重山時代の幼い頃の生活の話をし、最後に「物を大切にできる人になって欲しい。協力し合える人間になって欲しい。社会に役立つ人になって欲しい。成功するためには苦しみを乗り越えられる人になって欲しい」と子供たちに伝えた。

タイムカプセル講和が終了すると、子供たちは島内をエイサーでパレード。幼稚園児も含め子供たちは暑い中、掛け声をかけながら、島内辻の数箇所にて数曲ずつ舞いを披露し、最後に中庭で踊った後、ランチルームをバックに記念撮影。そしてタイムカプセルを掘り起こし、10年前に埋められた記念文集などを取り出した。
久高島100年に一度の祝典〜未来を担う子供たちと共に〜
午後の1時からは校歌斉唱、落成事業報告、来賓祝辞、感謝状授与等の式典の後、一般祝賀会がスタート。開式の言葉、『かぎやで風』(郷友会)、お母さん・お父さんたちによる余興や民謡の踊りが披露され、また男子生徒2名による『黒島口説』では会場は大いに賑わい、島人総出で作られたお祝いのご馳走をいただいた。
久高島100年に一度の祝典〜未来を担う子供たちと共に〜

そして、新しいスタートの日

この日、祝いの席で振舞われた「ミキ」。
実は久高島では数十年ぶりに作ったそうだが、島の人に興味深い話を伺ったので紹介してみたいと思う。以前から機会があれば「ミキ」を作りたいと考えていたそうだが、なかなかタイミングがなかったという。「ミキ」のレシピ自体は年配の方が覚えてはいるものの、いったん失われた物。事情により継続できていない物を再生するということは、どんなにパワーがいることか。
久高島100年に一度の祝典〜未来を担う子供たちと共に〜
この日、新暦の6月27日は、旧暦の閏月でいうと2回目の5月5日だった。米20キロを仕込んだ日が6月23日で慰霊の日。慰霊の日は閏月でいう2回目の5月1日である5月始まりの日だ。子供の日である旧5月5日に、未来を担う子供たちと学校創立100周年を祝いながら、新しい歴史の始まりでもあるというタイミングで、米と麦で発酵されたフレッシュな酸味ある「ミキ」をありがたく戴いた。

久高島100年に一度の祝典〜未来を担う子供たちと共に〜伝統・文化・風習の中で暮らす子供たちは、子供という役割を持ちながらも、エイサーも踊れば、祝賀会では古典の地謡も行い、踊りも披露する。学校では生徒会長・児童会長をはじめまたそれぞれの役割がある。

親や先輩たちも大人という役割だけですごしていない。その姿を子供の頃から見て体験しているから、当然、島の子供は“ただ子供”という役割だけで過ごしていない。久高島に限らず高校がない島では、高校生になれば全寮制や親戚の家などから高校に通うために島を出ざるを得ない。しかし、島のために島に戻る大人たちの姿を子供たちは当たり前のように見て育っている。久高島に住む人々は、子供の頃から伝統・文化と共にその血の中におのずと受け継いでいる。その子供たちが成長し、再び島での役割を担う未来がやってくる日が必ず来て歴史が繰り返される。

島を歩いていると、子供たちは誰にでも無邪気にそして元気よく「こんにちは!」と挨拶をする。島の人にはもちろん、観光客にも声をかける。最初は戸惑っていた観光客もニコリと微笑む子供たちの笑顔に心が晴れ晴れとしてくる。

久高島100年に一度の祝典〜未来を担う子供たちと共に〜内村校長は「久高島の子供たちは、挨拶が上手です。そして思いやりを持って、部活やスポーツも元気にがんばって欲しいから、『夢とあいさつと 元気あふれる 久高っ子』ということを子供たちに言っています」と仰っていました。

久高島琉球の始祖アマミキヨが降臨した所とされ、神の島と言われている久高島だが、久高島という島の神秘性の奥にあるものは、人間の暖かさ・豊かさ・故郷を思う愛情が根にあるからだろう。子供たちの成長と共に、久高島は新しい100年に向かって、思考と行動の最先端を歩み始めていると感じた1日だった。

(文+写真: YANTY藤原、編集: KUWA)


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Posted by ryuQ編集室 at 2009年07月02日   09:00
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