「陶板シーサーチャリティ展in浦添」
毎年、沖縄の慰霊の月である“6月”に合わせて、浦添市のキャフェ・ギャルリー・パレを会場に、慰霊と平和への思いを込めて開催している那覇市観光大使・出口富美子さんの『創作陶板シーサー・チャリティ展』が今年も6月11日から開催されます。さらに今年は、浦添での開催に先立ち、八重山で初めてのシーサー展も石垣市民会館で本日6月2日〜6日まで開催されます。
出口さんのシーサーは独学で生み出したオリジナルシーサーで、四角い陶板に立体でシーサーが飛び出ている姿が特徴的で、壁掛タイプになっています。
たとえば、部屋の壁や、家の門、お店などにも飾られています。
平和への想いをシーサーに託して、今年で19年目。
これまでに、東京、岐阜、長野、京都、和歌山、埼玉、北海道、沖縄県内、離島など、全国各地61か所でシーサーチャリティ展を開催し、1万9千個余りを創作・販売。
毎回、収益金は、沖縄平和祈念堂に寄贈してきました。
ところが、長年続けてきたシーサー展も、今年で最後を決心したという出口さん。特別な想いを込めて開催されると聞き、出口さんにお会いしてきました。
——今年で最後の開催とのことですが、本当ですか?
出口富美子:はい、そうなんです。私は普段は東京で暮らしていますので、シーサーは最初からずっと東京で創作し、各地へ運び展示即売をしてきたのですが、都内での炉窯確保がついに困難になりまして、断念せざるを得ない状況になりました。残念ですが今回を最終回に決めました。
——背景はそういうことでしたか。
出口富美子:はい。でも慰霊や平和への思いが終わることはありません。シーサー創作からは約20年間余り、こんなに長く継続出来るとは思いもしなかったことで、ご協力、ご支援くだっさった方々に深く感謝しています。
——出口さんのシーサーは一度みたら忘れられない独特な愛きょうある表情で、どれひとつとして同じものがなく、いわばすべてが1点ものですね。
陶板というスタイルも出口さんのオリジナルで生まれ、飛び出るような立体シーサーの形もユニーク。毎年買いに来られる固定ファンも多くいますね。
出口富美子:どういうわけか、年々シーサーは大きくなり台座の四角い部分からもはみ出てしまいます。色や柄も毎年使うことが増えていますので、シーサーなのに着物を付けて琉球舞踊をしている姿があったり、三線を弾いていたり、赤瓦の屋根で大きな口をあけているのがあったり、まつ毛がくるんとしたシーサーなどいろいろ生まれています。ですから最初のころは、これはシーサーではないなどと厳しい辛口をいわれたこともありました。20年前のシーサーというのは一般的には雌雄対になった2個1組で「あ・うん」の表情で口をあけてるもの、閉じているものでのセット販売が主だった時代です。
今でこそシーサーもなんでもありますが、当初は、笑ったり、三線もったり、ビールグラスを手にしたシーサーなど私のものぐらいで珍しがられました。
あるとき、忘れられない出来事がありました。
壺屋の某名工さんが来て「君はシーサーを何と考えておるか」と、怒られました。時代がまだまだ、かたくなで伝統的なシーサーしかない頃でしたからね。今はユニークなもののほうが目立つぐらいで商品もたくさん土産店にもありますが、当時は壁かけスタイルも色つきも、こんな派手な表情は他になかったですから。
——表情が豊かなところも大きな魅力なのですよね。
出口富美子:来場者の方には、どうやって形を作るのですかなどよく聞かれるのですが、実は自分でもよくわかりません。勝手に手が動いています。そして焼きあげてみると自分でも驚くような表情のシーサーが完成してくるわけです。全部手作りなのですが、創作中は無心に手が動き、自分でさえどんな姿になるかわかってないのです。最近は特にカラフルで大きな姿が増えてきました。毎年まるで自分の友達や家族を家に連れて帰るような想いでみなさんが展示会においでくださり、お気に入りとなるシーサーと出会い、そして大事にまたその家々で飾ってくださっているのが嬉しいです。
——中には新築祝いや開店祝い、また就職祝いなど贈答にも使われる方もいるそうですね。
出口富美子:元来、魔よけという役割がシーサーにありますし、新しい場所でその家や人を見守り、自然に家族のように一緒にいることが願いでもあります。1点ずつどのシーサーにも、行く先で、その方に大事と思う言葉も添えてお贈りしています。
そもそも、人間は誰でも亡くなって33年経つと神様、祖霊になれるとされています。
私がシーサー創りはじめたのも沖縄で戦争で犠牲となり、亡くなった20数万人もの命の再生への想いなのです。
33年経って新しく甦ったなら、楽しく生きて欲しいとの願いを込め、楽しく、いのちを輝かしてほしいと、いろいろな姿で生まれてきます。
人間もすべてが違う個性でしょう。
シーサーも人に代わって世に出てくる時にはいろいろな姿であるのです。
——今年は最後だからという以上に、深い特別な思いがあるというのは?
出口富美子:長年、全国を回り開催してきましたが、いつかは八重山でもシーサー展を開催したいと願っていました。ついにやっと今年その念願が叶い、6月2日〜6日まで石垣市民会館展示室で開催できることになりました。万感の思いがあります。
最後の最後に、八重山での最初で最後のシーサー展が実現しますので、ぜひ石垣はじめ、周辺の八重山諸島のみなさんにもシーサーと出会っていただきたく限定100個を石垣展のために準備しました。期間中は毎日会場に私もおりますので、どうぞおいでくださいませ。
※読者プレゼントです。
出口富美子さんの手刷り版画シーサーがトレードマークの表紙でお馴染の雑誌「大好き沖縄」最新号(45号)を3名様にプレゼントします。
→プレゼント応募はコチラです。
※石垣そして浦添で、命の再生と平和への想いを込めて
『創作陶板シーサー チャリティ即売展』が開催されます。
日時:6月2日(水)〜6日(日)
午前10〜午後 7時
会場:石垣市民会館展1F展示室
住所:石垣市浜崎町1-1-2(→地図はコチラ)
TEL:0980-82-1515
日時:6月11日(金)〜30日(水)
午前11時〜午後7時
場所:キャフェ・ギャラリー・パレ
住所:浦添市安波茶2-5-7(→地図はコチラ)
TEL:098-877-3901
(文+写真: 吉澤直美、編集: KUWA)
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この記事へのコメント
出口冨美子さん、お元気でご活躍なによりです。
シーサー展示平和を祈って長年のご努力敬意を表します。
シーサー展示平和を祈って長年のご努力敬意を表します。
Posted by 根保孝栄・石塚邦男 at 2013年02月23日 04:52
いやあ、出口さんらしいですね。
シーサーの表情、そのスタイルが何とも愛嬌があって、ホント、魅力です・・。
シーサーの表情、そのスタイルが何とも愛嬌があって、ホント、魅力です・・。
Posted by 根保孝栄・石塚邦男 at 2013年07月16日 05:00
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