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宮城初枝の“黄金言葉”シリーズ【第1集】

宮城初枝の黄金言葉シリーズ・第1集
前回特集した記事にひき続き、宮城初枝さん(75歳)からの黄金言葉を、ほんの一部ですがお届けしたいと思います。そのメッセージひとつひとつが、生きた学びの黄金言葉として多くの皆さんの心にも伝わってゆく事でしょう。
(お話:5/9(土)『女性起業家セミナー』講師・宮城初枝さん)

「人生を切り開くのは自分自身しかいない」

宮城初枝他の人と私の違いは、小さい時に両親が離婚したのですが、母は3回も結婚して、父は4回も結婚した。そういうちょっと稀な環境だった。母に引き取られたあと、母の再婚のため父方の祖母や叔母のところに預けられる事になったり。でも私にとっては少しも特殊な環境ではなく、生まれるべくして生まれた訳ですから。父や母を恨むことではないですし、今、この歳になって分かるのは、父も母も凄かったな。よくあの時代を一生懸命生き抜いてきた。当時の状況(戦争の影響など)ではそうならざるをえなかった。ですから「ご苦労様でしたね、お父さん、お母さん」と、むしろ両親を誇りに思っているんですね。そういうふうな生活を重ねながら、別にこれが苦しいとか、親を恨むとかはまったく無いんですよ。

私の運命というのでしょうか、宿命というのでしょうか。こういう星の元に生まれたのだから。それを否定する訳じゃなくて、受け入れて「ではその中で、自分は自分の人生をどう切り開いていこうか」と、誰かがそれを教えてくれる訳ではないので、いつも自分は小さい時から物事を考えるくせはついていました。
だから困難な状況に追いやられてしまったとしても、“それを切り開くのは自分しかいない”。落ち込んでいる場合じゃないですし、前進して切り開いていくのが当たり前だったんです。

「社会は生き物ですからね。世の中、毎日が同じだったりはしませんよ」

社会は生き物ですからね。昨日(過去)の社会と、今日(現在)の社会、明日(未来)の社会は全然違いますね。ですから当然、大変な時期だってある。
“100年に一度”って、オーバーに言い過ぎではありませんか? と思うわけです。そのようなオーバーな言葉がずっと飛び交っていますけれどもね、世の中、毎日が同じだったりはしませんよ。天気だって、雨の日もあれば台風もあるし、いい天気の晴れの日もある。自然界だってこうなのに、ましてや生きている人間の社会たるもの、そういう事もあっても当然ですよ。そういう現実に対応していくのが人間でしょう
どのような状況があっても当然と思って対応していけば、“逆境こそチャンス”にとらえることができるのです。

これまで3K(キツイ、キタナイ、キケン)と言われてきた介護の仕事でしたので、どんなに採用を出しても応募してくれなかったんです。今はもうチャンスですよ。いい人材が揃いました。私のところではこの1年間で43名を採用しましたよ。

今大企業では、どんどん首切りとか、派遣切りとかね、労働者も同じ人間ですよ。自分達が儲かる時だけ労働者を利用してですよ…、私の目からは、そう映るわけです。よく人を安易に首を切れるなと思う。

「生きることは“夢のあること”“楽しむこと”“学ぶこと”」

夢のあること、楽しむこと、学ぶこと後期高齢者医療制度ができたときも、人間の尊厳とかをどうとらえているのか?と思いましたね。保険というのは、健康な人も、病んでいる人も、金持ちも貧しい人もみんなで支え合うのが保険ですよね。それを75歳以上のお年寄りだけを集めて保険を作れといってもどう考えても納得できるものではないと思っていました。

お年寄りには、「いつまでも長生きすることは“夢のあること”“楽しむこと”“学ぶこと”ですよ。いくつになっても、“夢”と“希望”と“理想”は捨てないでください。ましてやみなさんのこれまでの苦労を、苦労のまま終わらせるんですか」と。そのままでは悔しいじゃないですか。お年寄りの青春時代は戦争だったので、“勉強”とか“学ぶ”という事にとても反応します。今まで居眠りしていたおばあちゃんたちに「これから学びましょうね。さぁ本番ですよ」と声をかけるとピシャッとしてね。
「今まで苦労して、青春時代を戦争で取り上げられ、命も取り上げられてきた。その分の人生を取り戻しましょうよ。その苦労のおかげがあって、その後はこれまで平和に生きてきたんだから。これこそが学びであり、学ばなければわかりませんよ。100歳になっても150歳になっても学びましょう」って、私はお年寄りたちにいつも話しています。

「元気で長生きするには、“学ぶこと”“楽しむこと”“夢を持つこと”」。それがわたしたち愛和会の挨拶代わりの言葉なんです。

「癌に打ち勝ったのは、お年寄りとの約束を達成するため」

また私個人の出来事としては、仕事が命を救ってくれました。仕事が一番大変な時期に癌にかかったので、仕事に没頭して苦しむ暇なく済んだのです。
それは公庫から何億円も借金して大きなクリニックを作っている最中でした。いよいよ内装工事がはじまるという時に、健診で胃ガンが見つかったのです。それもアナウンサーの逸見政孝さんがかかった難病の癌でした。
「なぜこんな時期に」と思いましたね。でもこれから借金も返さなければいけないし、それにお年寄りたちとの約束もあったのです。

国の政策でお年寄りたちのデイサービスを厳しくなったので、生き甲斐を無くし「もう死にたいよ」というお年寄りもいました。私がこの法律を作った訳では無いのですが、お年寄りにとっては目の前にいる私に訴えてきました。そこで外来で来てもらえるようにできるようにとお年寄りたちと約束してきたんです。

当時からクリニックの経営は苦しいというのは知っていたけども、「もうこれ以上、お年寄りを悲しませる訳にはいかない」というのが私の中にありました。

薬局を42年間やってきて、お年寄りの悩みを聞いてきたのですが、みんな何を悩んでいるのかといったら、身体よりも精神ですよ。老後に対する不安です。
「戦争は生き延びたけれども、あんまり長生きはしたくないね。嫁とは喧嘩する。金は無い。私は長生きする意味が無い。むしろ戦争で死んだほうが楽だった」というような話を、お客さんは薬を買いにくるわけじゃなくて、毎日こういう話をしに来ていて。
そういう話を聞くと、“あぁ、私の何十倍も苦労してきたこのお年寄りたちをなんとか手助けできたら”と思っていました。

「今この時代に、人間磨き。人間が持つべき“心”を忘れたらだめ」

宮城初枝の“黄金言葉”シリーズ【第1集】今こそね、人間教育っていうんでしょうか、本来人間の持つべき倫理観とか道徳観とか。“人間磨き”の時代だと私は思っています。
人間を磨かずに、経済だけが人を足先を走ってしまっていますよね。みんなが、経済、経済、経済、といいますが、人間としての根本的な事、人間の原点を忘れてしまっている
ようするに“愛情”とか、“心の豊かさ”とか、“優しさ”とか、人間が持つべき“心”を忘れてしまっている。

なので、心のほうがもろいから、すぐちょっとした事で“大変だ〜”となってしまう。戦前から生きてきた人間にとっては、これくらいの経済恐慌なら耐えられる。

どんな環境からでも学べるものなんです。だから学ぼうという気持ちが無くてはね。私もその時代ごとの環境に学んできたというのが多いですよ。困難があっても「これが人生よ」と思っているから。
学ぶというのは本を読んで学ぶだけでなく、人の話を聞いて、その人の生き方から学ぶこともありますね。

女性起業家セミナー』は、5.9(土)産業支援センターにて(講演・パネリスト: 宮城初枝ほか)
宮城初枝の“黄金言葉”シリーズ【第1集】
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→ 宮城初枝物語【後編・生涯現役の起業家へ】

(取材: 桑村ヒロシ)


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Posted by ryuQ編集室 at 2009年05月08日   09:00
Comments( 0 ) 沖縄の人々
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宮城初枝さんという方をご存知でしょうか。沖縄の戦前戦後を生き抜き、現在も現役バリバリでご活躍されているスーパーウーマンです。彼女についての詳細は、RyuQに掲載中の「宮城初枝...
宮城初枝さんの黄金(くがに)言葉 【 沖縄在住webデザイナー82号のブログ 】at 2009年05月09日 23:47
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