照屋林賢インタビュー(新春スペシャル第1弾)


さらに今月にはその第二弾もiTunesネット配信予定という2009年は、積極的で活発な作品創作を計画しているとのこと。これからの新しい音楽世界の指標となるようなモデルケースにと、林賢さん自らが動きはじめました!

照屋林賢:ただのソロアルバムでは売れないと思っていましたから(笑)。それよりも大事な事があります。
もちろんこれまでも、ミュージカルや芝居の音楽などもかなり作っていましたよ。25年くらい前からソロアルバムを出して欲しいという要望はありましたけど、とにかく“そう簡単には売れない”と思っていたんですよね。
——それが現在(いま)のタイミングでリリースされたのは何故ですか?
照屋林賢:もう一つの要素として、以前はCD制作にはとても費用がかかったんですよね。それが自分でレコーディングスタジオなどの施設を持つようになったということに加え、iTunesに代表されるネット配信という手段も生まれてきましたしね。

それにこの年齢になって、出すからには売らなくてはいけないとか、あまり気張らずに、精神的にも楽に考えられるようになってきたんです。
——なるほど。満を持して、という理由だけでは無いんですね。ある意味でこのタイミングで作るのが“必然”だったのかもしれませんね。ではこのアルバムには、どんなメッセージが込められているのでしょうか?
照屋林賢:今回のタイトルである『pause』には、「一回立ち止まる」っていう意味が含まれています。オーディオなどの一時停止も“ポーズ”だし、写真撮るのときにも“ポーズをとる”って言いますよね。
今回このアルバムは、時間が止まったような音楽にしたくって『pause』というタイトルにしたんです。
あのジャケットも自分で作ったのですが、ハワイで撮ったサーファーが陸から海へ向かう“瞬間”をベースにしています。この写真を撮ったときにパッと止まっているように見えたんですよ。それでジャケットを作るときに、『pause』をどうデザインに表現するかを考えて、パッと思いついたんです。
また、決して重い音楽じゃないし、気軽に聴いてもらえればいいなぁと思いながら作りましたので、例えるなら、BGMのような感覚で聴いてもらえればそれで良いんです。“さぁ、音楽を聴くぞ”って気負いはなくてね。もっと気楽に、そして身近に音楽を楽しんでもらえたらと思います。
——確かにこのアルバムを聴いて、何か映画音楽のような印象を受けました。意識して聴いていなくても、アタマの中に沖縄の風景が自然と流れてきますね。

だからそういう意味では、今回のアルバムを誤解を恐れずに言うと、あまり深く考えずにテーゲーに(肩肘張らずに)作ったとも言えます。
——エッ!? そうなんですか? とても意外な気がしますが…

僕は誰もがみんな作曲家であり、誰もが作詞家だと思ってます。たとえば夕陽を眺めてボーッとしているように見える人でも、きっと心の中でメロディを奏でてたりポエムを書いていたりすると思うんですよね。歌わないヴォーカリストというか、書かざる詩人というか…。だって楽譜などにする技術がなくても、鼻歌は誰でも作ることできるじゃないですか。
だから音楽を創作するミュージシャンが特別というわけではないのです。むしろ作る人よりも聴く人の方がいろいろと知っていて、感じていると思うんですよ。もっと聴く側の感性も大切に認めてあげなくてはいけない。作ってあげているとか、聴かせているというおごりを持ってはいけないんですよね。
——ミュージシャンはあくまで表現者のひとりである、という感じでしょうか?
照屋林賢:でもそれは複雑にして難しくではなく、簡単でわかりやすいものにしていくものだと思います。だから僕は“楽しくて簡単なモノだよ。そんな難しいモノじゃないよ。だから聴いてみて”という気分で音楽を作っています。
今回は楽器も使っていますが、ほとんどコンピュータによる打ち込みで作っています。打ち込みの面白さを追求したいという思いと、聴いている人が楽器はできないけど、打ち込みならできるかもって思ってもらえればな、という考えもあります。
——そういう意味でのゆるやかな“テーゲーに作った”なんですね?
照屋林賢:もっともっとみんなに音楽を楽しんで欲しい。いま音楽というと、商品化された音楽ばかりが目立ちますが、一方でもっと楽しめる音楽があって良いと思うんです。
昨年末に琉球放送で新しく始まった「りんけんバンドさー」(毎週土曜日11:00〜11:30)でも、番組内でいろんなテーマソングを一般公募するなど、その試みのひとつなんですよ。
——確かに現在は良い歌でも、売れなくては消えていってしまいますよね。
照屋林賢:そういう今の音楽業界とは対極にあるモノを作っていきたいですね。沖縄は歌が多く生まれている島ですし、新しいマーケットというか、自分たちの背丈のマーケットを展開していきたい。今回のソロアルバムはその意味合いも込めて作ったんですよ。こんなことができるんだよ、という。

——エッ、そうなんですか!?
照屋林賢:第二弾の『pause2』だけじゃなくて、続いて第三弾『pause3』まで制作予定なんですよ。それで終わるのではなくて、そのあとにまたインストのアルバムをシリーズで3作、そしてさらにシリーズで3作と、合計9枚ソロアルバムを作って、最終的には9枚ひと組にしたいと思ってるんです。
でももうすでにCDをパッケージで買うという時代から、インターネットによる配信がメインとなろうとしていますよね。だから主にネット配信を中心にしようとは思っています。
僕たちの音楽を聴いている層は、若者が携帯電話でダウンロードするというよりは、家でPCを使って音楽をダウンロードする世代が多い。そういう意味でも、ネット配信は僕らに合っていると思いますね。
——それにネット配信なら通信環境さえ整っていれば、世界中どこにいても手に入りますね。
照屋林賢: タイトルからアーティスト名から、すべて英語表記にしたのも、曲を全曲インストゥルメンタルにしたのも、海外も視野に入れてのことです。世界のどこかで聴いてくれて、“こんな音楽があるよ”って広まっていったらなぁ、なんて思ってます。
CDは出せなくてもネット配信なら誰にでもできます。このアルバムは、その指標でもあります。
——では最後に読者のみなさんに向けてメッセージをお願いします。
照屋林賢:音楽は上手くても上手くなくても、それを聴く相手が何かを感じてくれたら、それは良い音楽なんです。
音楽はとても身近なモノです。聴くだけじゃなくて、もっと気軽にやってみて欲しいと思います。デジタルカメラが写真の世界を身近な距離感で広げていったように、僕らの音楽が、その世界を広げるモノになっていければと考えています。
※りんけんバンドの歌姫・上原知子インタビューは1/2から掲載中!
※りんけんバンドのライブスケジュール、
りんけんさんのソロアルバムの新リリース情報などは、
公式WEBで更新されていく予定ですので、お見逃しなく!
→http://www.rinken.gr.jp/
(文:PORCO、編集:KUWA、取材協力: アジマァ)
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