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71年ぶりに復活『富盛十五夜綱(八重瀬町)』【前編】

71年ぶりに復活『富盛十五夜綱(八重瀬町)』【前編】
沖縄の綱引き発祥の地といわれる由緒ある『富盛十五夜綱』が、今年の9月14日(旧暦8月15日)に、71年ぶりに復活します。

注目される伝統の綱引きとは、どのような綱引きで、どんな特徴があるのでしょうか?
その準備の状況や地区住民の想いなど、現在の様子を富盛公民館(八重瀬町)まで訪ね、区長の知念満さんにお話を伺ってきました。

71年ぶりに復活『富盛十五夜綱(八重瀬町)』【前編】——まもなく、伝統ある『富盛十五夜綱』が71年ぶりに復活ですね。準備のほうはいかがですか?

知念満区長:綱はすでに完成して保管しております。伝統ある『十五夜綱』の完全復活へ向け、カヌチ棒も新しくし、また2番ドゥ−ル(旗頭)も復元することになり制作中です。もうすぐ華やかな2番旗頭も完成します。綱はもちろんですが、ひとつの字(あざ)で1番、2番と合わせて4基のドゥール(旗頭)が舞うのは他に類がないことが特徴であり、誇りです。

71年ぶりに復活『富盛十五夜綱(八重瀬町)』【前編】すべて、完全な形式で『富盛十五夜綱』を復活させるということでの準備で、こうしてお披露目できることは大変嬉しく思います。地域の大切な伝統継承への意義や誇りを持って、住民1,340名と小さな地域ですが、一丸となり取り組んでいます。

——富盛の綱は沖縄の綱引き発祥の地といわれていますので、その伝統ある綱がどんな綱なのか、県内外からも関心が高いと伺っています。完成した綱の大きさや特徴など教えてください。

知念満区長:はい、沖縄の大事な地域伝統芸能として、国から『地域伝統芸能保存事業』に今年認定されたことから71年ぶりに復活できることになりました。大変光栄なことと住民一同喜んでおります。完成した綱は倉庫に保管していますの、まずはご覧いただきながら説明しましょう。

完成した綱は長さ20mです。実は、昔はさらにもっと長く、十五間(約27メートル半)あったといわれていますが、その昔、「後ろの綱の一部が切れてけが人が出たことからこの20mの長さになった」という記録をもとに再現しました。

——またその特徴といいますと?

71年ぶりに復活『富盛十五夜綱(八重瀬町)』【前編】知念満区長:富盛の十五夜綱は他地域とは作り方(編み方)が違うという大きな特徴があります。

綱引きを始めた発祥由来の雨乞いの祈りの歴史に沿い、富盛の綱は龍の姿をみたてて編んであります。

ですので、アカンキー(編掛)が1番の特徴で、龍の背骨にあたる重要部分をカニチ(雌雄両綱とも先端の円形の首口)から、尻尾の最後尾までを1本の綱で芯を通すように編み上げ強く、勇ましく、また美しい姿形になっています。

また手綱の部分の持ち手もしっかり編みこみで作っていることも特徴があります。
71年ぶりに復活『富盛十五夜綱(八重瀬町)』【前編】
——これだけしっかりした手綱ですと、大勢の人で引く力や勢いもうまく作用しそうですね。
それにしても、これは終わってから手綱を縁起物として持ち帰り用として切り取るには簡単には出来なさそうですね。


知念満区長:現在、たとえば、那覇大綱曳きや他の綱引でも、綱引き後には縁起物として手綱を切り取り持ち帰り厄払や幸運のお守りとして使用されることがありますが、富盛では切り取る風習がありません。ですので、誤解のないよう(持ち帰る事が無いよう)、ご理解お願いします。

——こちらが沖縄の綱引き発祥という歴史や由来についてはどのようなことがあるのでしょうか?

知念満区長:字誌にも書かれているように、その昔、八重瀬町(旧東風平町)富盛では稲作が広く行われていたのです。ところが、大干ばつや度々害虫の発生などで凶作や飢饉が続き、困り果てた住民たちが話し合い、鐘や太鼓を打ちならして害虫を払い(厄払い)したり、作物を育てるために恵の雨が降ることを願い、雨乞いのために、雨をもたらすといわれる龍の形に似せて綱をつくり「龍王加那志雨賜れ」と住民がたちが結束して祈り、綱引きを行ったところ、翌年大豊作になったのだそうです。

富盛では、それから毎年十五夜に五穀豊穣、世果報を願い、琉球王朝の尚真王の時代より、神に祈りをこめて奉納綱引きを行うようになったということです(富盛字誌参考)。そしてそれが、沖縄の綱引きの始まりと伝えられてます。

71年ぶりに復活『富盛十五夜綱(八重瀬町)』【前編】
しかし昭和12年を最後に日中戦争が起き、途絶えてしまいました。

ただ、6年前には(2002年)に、字誌編さんに合わせて『カニチ上ヌブイ』といわれる支度(牛若丸、弁慶)を乗せる部分の綱引きを65年ぶりに再現しましたが、全体を完全なものとして復活できるのは今年の綱で、71年ぶりとなります。

——71年前の当時を覚えている方や、綱引きをされた経験者という方はいらっしゃるでしょうか?

知念満区長:今年97歳になる私の父(知念富一)が、最後の昭和12年に綱引きを経験しております。

——お会いできますか?

知念満区長:来月カジマヤー(沖縄では97歳に行う長寿の祝い)も準備するところで、健康でおりますので、どうぞこちらへ(後編へつづく)

記事リンク
71年ぶりに復活『富盛十五夜綱』(前編) ※掲載中
71年ぶりに復活『富盛十五夜綱』(後編) ※只今公開中!


(文+写真: 吉澤直美、編集: KUWA、取材協力: 八重瀬町富盛公民館)


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Posted by ryuQ編集室 at 2008年09月09日   09:00
Comments( 0 ) 沖縄の芸能・文化
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