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南島詩人・平田大一:シマとの対話・第44話『このシマのチム…

第44話『このシマのチムグクル』(南島詩人・平田大一)
〜沖縄の過去と未来について考えるとき、僕はシマと対話する。シマとは、僕にとって老賢者のような存在〜『シマとの対話』第44話・このシマのチムグクル。

南島詩人・演出家として活躍する平田大一。県内外を縦横無尽に走り抜け、骨太な活動を続ける日々の中で、思索の森を歩き、刻む、真実の言葉たち。
(毎週水曜日更新)
南島詩人・平田大一:シマとの対話・第44話『このシマのチム…
いつも思うのだが
「沖縄人の生命力」
その凄さ。

ハワイの小さなお店「サンライズレストラン」は、
このシマで最も知られている沖縄料理の店。
味噌スープにポークが入っていて
お袋の味を彷彿させる
懐かしい味が満載だ。

「ハワイまで来て、『沖縄料理』とは!って思っていませんか?」
県人会長のジョン糸村氏は客で賑わってワイワイと騒がしい店内
悪戯っぽい笑顔で僕らに言った。
「でもね、ハワイで頑張っているウチナーンチュがいることを
知ってほしかったんだよ!」

11月のハワイ公演。
「キムタカ」スピリッツは遂に海を渡る。
その公演の会場の下見と受け入れ業者の選定
ボランティアスタッフの確保
何よりも「舞台の情報の周知徹底!」が大きな使命だ。

「平田さん!ダイチさん!アロハ!!良く来たね!」
お客への料理だしがひと段落した
マスターの玉寄勢(たまよせ)さんは、
軽快なトークで寿司を握り、三線を弾き、歌を謳う。
酔った声で歌う味のある「ナークニー」は
望郷の念と重なって涙を誘う。
「ダイチさん、私、屋慶名の出身!屋慶名アカ(ヤケナタラーのこと)
の末裔よ!嬉しいね!!カッチン(勝連)アマワリの精神!広げてね!」

「私は、読谷の出身だけど、沖縄にいたときに3回観ましたよ。
 でーじ感動した!護佐丸の郷、読谷の出身だけどね。きゃははは!」
隣に座っていた留学生の
メグミさんという学生さんも話しに参戦
「キムタカの輪」は広がっていく。

昨年、2007年1月。
始めて「あまわりハワイ公演」の話しを持ってきたときには
誰も僕を知らない、あまわり舞台がハワイに来る必然性も感じられない
県人会としては応援するにも限界がある…と言われていた。

次の県人会の会長が内定していた「ジョン氏」が
僕の顔をじっくり見ながらこう聞いてきた。
「平田さん、ケンチョウ(県庁)から聞きましたが、
 昨年(2006年)の、ウチナーンチュ大会の
 閉会式のパーティーのアトラクションの何所で何をしていましたか?」

僕は答える。
「歌っていました、そして総合演出をしていました。」
ジョン氏やわら、パソコンを取り出し
「これの、何所で歌っていたのか?教えてください。」

僕はバンドピットで歌う、映像の中の自分を指差し
「これこれ、この人が、僕です!」といった。

あの時のジョン氏の顔が忘れられない。
ジョン氏は、パソコンを持ったまま
数人いた県人会の幹部に英語で早口で喋り捲くし立て
「平田さん!それじゃ、君は、あの舞台の『マエストロ平田』なのか!!」
と言ってきた。
出演者400名の閉会アトラクション!
世界中から集まった「ウチナーンチュ」は、5000人。
僕は「バンドピット」で、叫んだ!
「チバリヨー!世界のウチナーンチュー!!」

「あの日の感激が忘れられない!
 5歳の息子のジョーも感動したのか
 君の衣装姿の真似をしたいと言って
 翌日、平和通りのお店で頭の巻物をゲットしてきたんだ!」
興奮する彼と同様そのテーブルに座っていた
全員の幹部の皆さんの目が「優しく」なった瞬間だった。

その日の晩の「三線クラブ」
翌日の「シンネンエンカイ(新年宴会)」
歓迎の大交流大会パーティーが緊急で組まれた。
まだ何も決まっていなかったのに
「来年、マエストロ平田の舞台が来るよ」
とジョン氏は会う人ごとに語りかけてくれた。

あれから4回目のハワイ訪問。
公演本番に向けた、最後の仕上げをすべく
舞台監督の津嘉山氏との最後の調整だ。

初日から「ハワイ的オキナワ」の洗礼を受けながら
新たな自分の履歴の1ページを強く感じている。

津嘉山氏がジョン氏に聞いた。
「何故、皆さんは、仕事でもないことなのに
 そんなに一生懸命応援してくれるのか?」

ジョン氏が半分冗談だけど真面目な目で答えた。
「ミスター平田が、僕らの友人だからさ。」

ハワイで会うシマの人に
僕は色んな「肝心(ちむぐくる)」を教えられている。
今の「沖縄」が忘れかけている大事な何かを
このシマに住む「島人」は思い出させてくれる。

僕は早く!沖縄のあの子達をこのシマと出会わせたい!
と思った。

マハロ!ハワイ!!

南島詩人・平田大一

第44話『このシマのチムグクル』(南島詩人・平田大一)
Profile
平田大一(ひらた・だいいち)
南島詩人・演出家・那覇市芸術監督
1968年11月7日沖縄県竹富町小浜(こはま)島生まれ。

進学先の東京で、アートユニット「I・N・U」に参加、自作の詩を朗読する舞台活動を開始。卒業後は生まれ島「小浜」に戻り、アーティストへの楽曲・詩の提供、実家の民宿を拠点に「キビ刈り援農塾」をスタートさせるなど、地域と文化に根ざした幅広い活動を行う。
2000年から与勝地域の子供達による現代版組踊『肝高の阿麻和利』の演出を手がける。
2005年3月に勝連町・きむたかホール館長を卒業、4月11日に有限責任中間法人TAO Factoryを立ち上げ、代表理事に就任。同年、那覇市芸術監督に就任。
うるま市、浦添市、八重山、金武町、那覇市、5つの地域の子供たちのための舞台を手がけるほか、毎年、新作舞台を精力的に制作。沖縄県内はもとより、県外、国外にも支持者を増やしている。
代表作に現代版組踊『肝高の阿麻和利』、現代版組踊『大航海レキオス』など多数。著書は詩集『南島詩人』、『歩く詩人』(冨多喜創)。

・平田大一ブログ『シマとの対話』:
http://hiratadaiichi.ti-da.net/


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Posted by ryuQ編集室 at 2008年09月03日   09:00
Comments( 0 ) 南島詩人・平田大一『シマとの対話』
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