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5.15名盤復刻「やさしい心を武器にして」をビセカツ氏が語る

「やさしい心を武器にして」ビセカツ・インタビュー
40年前の歌が、初のCD盤として復刻。本日5月15日に発売。
これまでデジタル音源化されなかった沖縄の知られざる名曲の数々が、CDで蘇るという。
作詞家・ビセカツ氏の処女作をはじめ、全曲・ビセカツ氏の作詞作品が収録され、復刻されるアルバムのタイトル名は『やさしい心を武器にして』。
そして「5月15日」といえば、沖縄が本土へ復帰(返還)した記念日。もうこれは気にならないはずがない。

やさしい心を武器にして*発売日の5.15というのは当然意味があるのでは?
*なぜ今、40年前の歌がCD化されるのだろう?
*その歌とは一体どんな歌が収められているのだろう?

ビセカツ(備瀬善勝)氏とは、作詞家としてもたくさんの作品を手掛け、沖縄音楽界の生き字引として県内外から沖縄の音楽のことを学ぶ方々にも信頼厚い方で、キャンパスレコードの社長さんです。
早速、発売元となるキャンパスレコードへ。気になるCD『やさしい心を武器にして』について、取材に伺ってきました。

5.15名盤復刻「やさしい心を武器にして」をビセカツ氏が語る——名盤復刻のCD『やさしい心を武器にして』が5月15日発売とのこと。これまで長い間復刻されることがなかった曲の数々が収められていますね。今回どういうことからこのCDが発売されることになったのでしょうか?

ビセカツ:沖縄はここに収められた歌の数々が出来た当時の環境と、そして今現在も状況が全く変わっていません。
「現実の沖縄は何も変わっていない」ということが、復刻してCDを作ろうとなった事の背景にあります。

このCDには古い歌では40年前の作品や、30年前の歌、20年前の歌も収めましたが、当時と沖縄は変わらないのです。考えるとゾッとします。なぜ同じなんでしょうか、不思議でなりません。

だからあらためて、これまではカセットテープやレコードでしか聴けなかったものを集めてCDにして出すことにしました。そしてそれぞれの曲の制作した年も記しました。いつの曲かわかるように。
またCDの帯に書きましたが、
「“歌は世につれ”というけれど、時間が動かない浮世もあり、どこへも連れていけない歌もある」のです。
5.15名盤復刻「やさしい心を武器にして」をビセカツ氏が語る
——沖縄の変わらない現実…あらためて若い世代やその時代を知らない世代でも、今の沖縄を見つめたり、考え、感じる想いの歌の数々ですね。
そして、ビセさんにとっては作詞家としてのデビュー曲を収められたことも注目しています。今年で作詞家活動40年になられるのですね。


ビセカツ:かつては、もともとポエムの詩をかいていたのですが、作詞を学びましてから歌の作詞を続けています。詩と作詞は違うんです。作詞のデビュー作品が『帰ってきたよ』(1968年作)で2曲目に収録されています。

——それにしてもこのCDの12曲すべてが、実はビセカツさんの作詞であり、そして沖縄メロディーの父といわれる普久原恒男さんがすべて作曲した作品なのですね。驚きました。
作詞家のデビュー時代からビセカツさんと普久原恒男さんとのコンビ作品がたくさんあるのですね。


ビセカツ:沖縄県民のみならず県内外から沖縄といえば親しまれ愛されている歌に『芭蕉布』があります。作曲家・普久原恒男さんの代表作です、その沖縄の偉大な作曲家の普久原恒男さんとの出会いから、これまで一緒に作品を作り、一緒に時代を歩んで来られたのは幸せなことです。

このCDに収めた曲も『芭蕉布』や『ゆうなの花』の歌のように県民に愛され沖縄版“沖縄のみんなのうた”と同じように地元からの想いで生まれた歌です。三線が使われていなくても、沖縄だと感じる歌ばかりで普久原さんの凄さです。

——ところでカセットで発売されていた頃の作品タイトルは『人間の輪』となっていたそうですが、今回の新タイトル『やさしい心を武器にして』としたのは?

ビセカツ:たとえば竹中労さん(沖縄音楽を愛し、評価し、東京で『琉球フェスティバル』を最初に開催したという異質なルポライターとしても知られる)の著書『汝、花を武器とせよ』(竹中労・著/ちくま文庫 2002年6月出版)のように、時代背景を映す言葉のように曲で時代を示すようにと、CDタイトルと同名のタイトル曲も1曲目に収録されています。

5.15名盤復刻「やさしい心を武器にして」をビセカツ氏が語るこの歌は米軍基地撤去を求める“嘉手納基地包囲網・人間の鎖”の第1回目1987年にそのテーマソングとして生まれました。

今もまだ、変わらず人間の鎖は行われています。変わらない現実。なぜなんでしょう。
CDジャケットの写真はその第1回目の嘉手納基地包囲網の記録写真を使いました。あの日は大雨の日でしたね…。

——5月15日という日に発売するのもそうしたことからなのですね?

ビセカツ:自然にそうなりました。
それでもこのCDの中に沖縄の踊り好きの皆さんで楽しまれる民舞(みんぶ)の会で親しまれている曲もあるんですよ。だから難しい話だけではなく県民に愛されてる歌としてどこかで聴いていることも多いはずですよ。
歌い手もホップトーンズや伊波智恵子、ひがけいこと親しまれている皆さんです。

また、先日亡くなられてしまいましたが、沖縄と大変深い関わりのある作家・岡部伊都子さんがとても気にいっていらした歌も収録されています。岡部さんは沖縄に対してもとても熱意のある方でした。沖縄で自然破壊する団体などにはことあればこの中の歌詞を見せていたという話は有名です。

——あの岡部さんもこちらの歌詞で沖縄の心を伝えようとされてくだっていたのですね。そうしたエピソードもたくさんあるのがこのCDに収められているのですね。たくさんの沖縄の想いをこのCDで多の方にあらためて聴いてもらいたいですね。
最後に、ビセカツさんからぜひ読者の皆さんにメッセージを。


ビセカツ:もっと私が若ければ今も、もっと激しい歌詞を書いたかもしれません。
そしてこうした歌が今の歌にもなるというのは考えさせられる。しかしそれが現実の沖縄です。
語るよりも聴いてみてください。この「沖縄」を。
◎2008年5月15日発売
名盤復刻 やさしい心を武器にして
(ンナルフォンレコード BCY 20NCD-1010/制作発売元:(有)キャンパス)
http://www.interq.or.jp/leo/campus/

1) やさしい心を武器にして 1987年(昭和62年)
作詞・ビセカツ 作曲・普久原恒男 編曲・宮良豊吉 歌・演奏・沖縄県労働者音楽協会

2) 帰って来たよ 1968年(昭和43年)
作詞・ビセカツ 作曲・普久原恒男 歌・ホップトーンズ

3) ホップのあやぐ 1975年(昭和50年)
作詞・ビセカツ 作曲・普久原恒男 歌・ホップトーンズ

4) 海のまつり 1975年(昭和50年)
作詞・ビセカツ 作曲・普久原恒男 歌・ホップトーンズ

5) 黒い夕やけ 1982年(昭和57年)
作詞・ビセカツ 作曲・普久原恒男 歌・伊波智恵子

6) くるくる口説 1983年(昭和58年)
作詞・ビセカツ 作曲・普久原恒男 歌・ホップトーンズ、伊波智恵子

7) 明日に夢を 1984年(昭和59年)
作詞・山里はじめ 作曲・普久原恒男 歌・ホップトーンズ

8) バラの使者 1984年(昭和59年)
作詞・ビセカツ 作曲・普久原恒男 歌・ホップトーンズ

9) あなたと私 1985年(昭和60年)
作詞・ビセカツ 作曲・普久原恒男 歌・ホップトーンズ、伊波智恵子

10) Lovelyやんばる 1985年(昭和60年)
作詞・喜屋武通 作曲・普久原恒男 歌・伊波智恵子

11) やんばる四季うた 1985年(昭和60年)
作詞・ビセカツ 作曲・普久原恒男 歌・普久原スージー

12) SunSun太陽 1987年(昭和62年)
作詞・山里はじめ 作曲・普久原恒男 歌・伊波智恵子、ひがけいこ

◎CDのお問い合わせは『キャンパスレコード』へ
HP:http://www.interq.or.jp/leo/campus/
電話:098-932-3801/FAX:098-932-0280
メール:bcy@campus-r.com

(文+写真: 吉澤直美、編集: KUWA



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Posted by ryuQ編集室 at 2008年05月15日   09:00
Comments( 0 ) 沖縄の人々
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