南島詩人・平田大一:シマとの対話・第6話『大榕樹』

〜沖縄の過去と未来について考えるとき、僕はシマと対話する。シマとは、僕にとって老賢者のような存在〜
南島詩人・演出家として活躍する平田大一。県内外を縦横無尽に走り抜け、骨太な活動を続ける日々の中で、思索の森を歩き、刻む、真実の言葉たち。
『シマとの対話』第6話(毎週水曜日更新)

第6話『大榕樹』(南島詩人・平田大一)
隆々とした、うねりにも似た太い根っこのその前で
僕はただ立ちつくし、耳をすます。
心に響く、島の声に耳をすます。
月の満ち欠け、潮の干満、気圧の高低。
喜びも悲しみも聲にのせて詠い語り続けてきた島人よ。
島の聲が聞こえなくなってしまったらもうお終いさ。
海にある潮の道。
見りみらーぬカンプトゥキ(眼に見えない神仏)
見りみらーぬニッパルヌウタ(眼に見えない根っこの詩)
ひッひッひッ。あがや〜。
大榕樹(がじまる)は、命の塊だ。
島に、岩に、土にガッチリとその根を張り
まるで誰の助けも借りずにこの島に仁王立つ
偉大なる父の木だ。
島人よ。
何故他人を真似る。
どうして誰かのコトバで語る。
お前にとって島人であるということが、
誰の足も踏まずにそこに辿り着けるものであると
いうことを知らねばならん。
島人よ。
「ニライカナイ」とは「ニロースク」。
それは「根の底の国」という意味だ。
海の向こうにあると夢見た楽園が、
本当はこの根の底のもっと奥深いところにこそあると
いうことを知らねばならん。
島のコトバで「がんつぷるにー」と呼ばれる
その大木の名の由来は
「岩(がん)の頭(ちぷる)に根(にー)を張る木」
ということらしいと島の長老が教えてくれた。
「前略 南のシマジマ
島に生まれたことを
「鎖」と思うか「根っこ」と思うか。
その一念の違いが、全ての始まり。
南島詩人 平田大一

●Profile:
平田大一(ひらた・だいいち)
南島詩人・演出家・那覇市芸術監督
1968年11月7日沖縄県竹富町小浜(こはま)島生まれ。
進学先の東京で、アートユニット「I・N・U」に参加、自作の詩を朗読する舞台活動を開始。卒業後は生まれ島「小浜」に戻り、アーティストへの楽曲・詩の提供、実家の民宿を拠点に「キビ刈り援農塾」をスタートさせるなど、地域と文化に根ざした幅広い活動を行う。
2000年から与勝地域の子供達による現代版組踊『肝高の阿麻和利』の演出を手がける。
2005年3月に勝連町・きむたかホール館長を卒業、4月11日に有限責任中間法人TAO Factoryを立ち上げ、代表理事に就任。同年、那覇市芸術監督に就任。
うるま市、浦添市、八重山、金武町、那覇市、5つの地域の子供たちのための舞台を手がけるほか、毎年、新作舞台を精力的に制作。沖縄県内はもとより、県外、国外にも支持者を増やしている。
代表作に現代版組踊『肝高の阿麻和利』、現代版組踊『大航海レキオス』など多数。著書は詩集『南島詩人』、『歩く詩人』(冨多喜創)。
・平田大一ブログ『シマとの対話』:
http://hiratadaiichi.ti-da.net/
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