奄美島唄・貴島康男インタビュー[後編]&貴島康男ライブレポ
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——奄美の島唄バンド「ピンポンズ」結成のきっかけは?
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——その後、正式な解散はしたんでしたっけ?
貴島:一応、解散とは言いました。でもそれは仕事を休んでまで音楽活動をするのではなく、それぞれ自分の仕事や生活がまず大事でしょう、ってことで。でも奄美の行事とかは普通に出てるし、集まろうと思えばいつでも集まれるんです。
——そしてその後、CD『Blue』の発売。
貴島:『Blue』をなぜ出したかというと、20代後半になって20代の声を残しておきたかったんです。22歳で作ったCDの声と26歳の時の声が全然違うんですよ。このCDでは少しアレンジはしたけど曲は島唄だし、同じ曲で違う声の自分を残したかった。ただそれだけです。
——今後の活動の予定は?
貴島:これからやりたい事は、今、30代に入ったので30・40・50代と10年に1枚ずつCDを作ると思います。CDについては本当はたくさんリリースする必要はないと思っていているんですけど、その時その年代の声は録っておきたいんですよね。僕はよく昔の声を聞き直していて、“ここが違う”とか“ここをもっと悪く唄えるな”とか比べているんです。島唄って“悪く唄う”方が不思議と味が出るんですよ。
——“悪く唄う”ってどういう事ですか?
貴島:高い声というと綺麗だけど、低い声ってドスっと響かせ聞かせる音。でも中音って意外に人が聞いていない音なので、そこをわざと聞かせるためにはハスキーっぽい声を出したりしていろいろやってみたんです。25歳くらいまでは綺麗に歌うことを考えていたけどスムーズすぎて面白くない。しかも最近は唄だけじゃ物足りなくて、三線作ってますよ(笑)。
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——貴島さんにとって歌三線と言った場合“歌と三線”、どちらが重要ですか?
貴島:それはやっぱり歌です。三線はなくても歌える。でも三線だけ弾いても魅力は伝わらなくて、やっぱり言葉がないとなかなか島を現わすことができないんです。音色を聞いてどれだけ島の様子を思い浮かべるかはその人によるんだけど、分からない人が聞いたら「その三線は良い音色ですね」だけで終わってしまう。だからやっぱりどちらもあって島を表現することが出来るんだと思うんです。
——奄美島唄を継ぐ人として、ご自分はどんな役割を持ってると思いますか?
貴島:役割っていうのは自分は考えていないです。時間に縛られたくないし、プロ化してしまう、ブームというのは嫌いで、坪山さんたちもそういうのを守ってきた。みんな島を出て行ったり、それは本人たちの生き方だから悪いとは思わないけど、でも背負うとかじゃなくて、自分一人くらい島に居て自由にやっていく人間がいたっていいんじゃないかな、と思うんですよ。
よく言われるのは「自分の歌を作りなさい」ということ。歌詞や曲を作れ、という意味ではないですよ。でも「自分の歌のスタイルを作りなさい」と言われて「ハイ、そうですか。」と作れないです。だって20年間、坪山 豊と一緒に唄っているんですよ。言われたからと言ってパっと変えられるものではないし、たぶんあの言葉は僕を試したと思うんですけどね(笑)。
●○●ライブ 〜本格的奄美島唄に酔いしれろ!〜●○●
旅行者や奄美出身の知人もかけつけ「いーやーぐゎー」は超満員。後輩の前山真吾さんも沖縄入りしており、急きょ合流し二人での奄美・島唄ライブとなった。
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奄美では幕開けの挨拶に歌われる「朝花節」から第1部がスタート。それぞれの歌意については歌の前に全て生解説つき。178節(歌詞)もあるという「くるだんど節」の1節、11歳の頃から唄っていたという「雨ぐるみ節」、“息子よ、息子よ、どこに飛んでゆくんだ”という坪山豊作曲の「綾蝶(あやはぶら)節」、一番高い裏声を使うという「ヨイスラ節」…。
裏声を特徴とする奄美の島唄は、高音を出すために弦も細い弦を使い、竹の皮を細くしたバチを叩いて返すように弾きながら歌う。
第2部では、神がかった生まれのために結婚はできない“かんつめ”という名前の女性の「かんつめ節」、田端義男の「島育ち」、ミヤギマモルの「ヤイマ」、第1部とは異なるアレンジでアカペラの「ヨイスラ節」、リクエストで初めて弾いたという「徳之島一切節(ちゅっきゃり節)」。この歌はその場の雰囲気で即興にて詩を作り歌うもので、沖縄の“毛遊び”に歌のカタチは似ているのだが「リクエストされて始めて歌ってみた」という堂々っぷりに想像以上の深い引き出しで驚かされる。終盤「ワイド節」「六調」「嘉徳なべ加那節」をアンコールに、トータル約2時間半。十分すぎるほどの奄美・島唄、貴島康男の“内なるリズム”を体感した夜となった。
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普段は大好きな釣りをし、大工仕事をし、ひと段落する頃に歌の仕事の声が掛かり“ひょい”と唄いに出かける。仕事と歌が重なった時は仲間が「行っておいで」と言ってくれるからありがたい、と語る。
コブクロやRAPも洋楽も聴くし、実はオリジナルの楽曲もすでに何曲か出来ているらしい。「遊びでやることはあるかもしれないけど、本当は言葉とか状況とか、ちゃんと準備が出来たときに世に出したい。」と、あくまでも普通の生活をしながら奄美の三線を奏で島唄を唄う貴島康男は、“人間くささ”“人間らしさ”を羨ましいほど持つ人物だ。
ライブの数日前に貴島康男は30代に入った。30代に出すCDはまだ未定だが、節目節目の年代で出すであろうその音源を、私たちは首を長くして楽しみに待ち続けたい。
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(取材+文: YANTY藤原、写真+編集: 桑村ヒロシ、取材協力: 小浜司)
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