首里王府お水取り行事(辺戸)〜美御水奉納祭(首里) [前編]
![首里王府お水取り行事(辺戸)〜美御水奉納祭(首里) [前編]](http://img01.ti-da.net/usr/ryuqspecial/080110blog_top.jpg)
首里城が1992年11月3日に復興して16年目になりますが、歴史的建造物のハード面の復元ほか、首里王府公式行事などソフト面の復興も行われています。
王府には年間100を超える公式行事があったとされており、現在そのうちの3つの公式行事が復興されています。
その3つとは、毎年11月3日に行われている『古式行列』、お正月に首里城『新春の宴』で行われている『朝拝御規式』、そして『お水取り行事〜美御水奉納』です。
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これらはいずれも、新年を迎えるにあたっての行事の再現で、『朝拝御規式』については今年の元旦に記事にしてご紹介しましたが、毎年秋に開催されている『古式行列』も本来は国王の初詣として行われていたものなのだそうです。
そして今回は、『お水取り行事』〜『美御水奉納』をご紹介したいと思います。
お水取り、いわゆる“若水”とは、元来人間は自然の一部ということで生命の源“水”を尊び聖水を取り入れることで、1年が経つのではなく、また1年若返りますようにと、つまり“再生”を意味するもののようで、先日行われた中城グスクでの『わかてぃだ祭(若太陽)』をryuQでもご紹介させて頂きましたが、同様に“新しい節目”を大切に、それも“自然と一体化”していた事のように思われます。
![首里王府お水取り行事(辺戸)〜美御水奉納祭(首里) [前編]](http://img01.ti-da.net/usr/ryuqspecial/080110d.jpg)
首里王府が行っていたお水取り行事は、沖縄本島最北端の国頭村辺戸まで1週間かけて聖水を運んだといわれます。
国頭村辺戸には、琉球七御嶽の聖地・安須杜があるのです。琉球七御嶽とは、琉球開闢の神・アマミキヨが国づくりをされた時、まず聖地を創造されたと創世神話が残されています。
その第一番目の御嶽・安須杜岳を水源にもつ神聖な聖水なのです。国王の年始行事にて辺戸から届けられた聖水を使い『御水撫で』(ウビーナディー)が執り行われていました。
(お水取りの行事は、旧暦の5月にも行われていたそうです)
![首里王府お水取り行事(辺戸)〜美御水奉納祭(首里) [前編]](http://img01.ti-da.net/usr/ryuqspecial/080110b.jpg)
首里王府が発行した『おもろそうし』には、
『あおりやへが節』『ちやうかねよらめき節』『せなはともかちが節』『よやら○が節』『おもろねやがりがおきなわとよみまもんうちが節』『へどのたところが節』
と、6つの神歌に辺戸のことが記されており、首里王府が尊重していたことが伺われます。
王府おもろ伝承一五代目・安仁屋眞昭氏によれば、『あおりやへが節』に歌われている“あおりやへ(阿応理屋恵)”という神女は、第二王統の聞得大君が存在する以前の最上級の神女ではなかっただろうかと説いています。
『あおりやへが節』
一.あかわりぎや おもろ
安須杜の 世持つ孵で水よ
みおやせ 又 今日の良かる日に
(あかわりが謡う 神歌よ
世を支え守護する力を与える 安須杜の孵で水(美御水)を
今日の良かる日に 国王に奉じましょう)
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琉球王朝の公式行事が、現代にどのように蘇ったのか、
また続きは、後編にて公開中です。
(文+写真:桑村ヒロシ)
(取材協力:首里当蔵自治会、辺戸区の皆様、
NPO首里まちづくり研究会、那覇市文化協会総合部)
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この記事へのコメント
辺戸岬から水を運んで品質が落ちなかったかと思いますけど、マグロ漁船の本を読んでいたら「水は揺れている間は痛まない」とありました。
たしかにダムの水質劣化の目安は、何日で溜めた水が一巡するかだったと思います。
それにしても昔は大変だ。
たしかにダムの水質劣化の目安は、何日で溜めた水が一巡するかだったと思います。
それにしても昔は大変だ。
Posted by コロリ at 2008年01月10日 21:24
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