池田卓インタビュー(西表島『船浮音祭り』直前!)

——池田卓さんの生まれ島、西表島の陸の孤島といわれる船浮で、手作りの新しいお祭り『船浮き音祭り』を興されるとのこと。その船浮の魅力と、なぜこのお祭りを興そうと思ったのかをお聞かせください。

みんなが沖縄に来て、不便な思いをしてまで島に渡る理由っていうのは、そこにあるんじゃないのかなって。
例えば、素朴さだったりとか、ゆっくりしに来ていたり。また、泳ぐにしても監視されて泳ぐのではなく、ある程度の危険は伴いながらも自然の海を体験することでそこから学ぶものもあるだろうし、それが本当の自然とふれあうことではないかなって。
それがその人によっては、自然のことを実際に体験しながら学ぶことがこれから生きていく上で大事なことになっていったり、そういう意味ではいい場所でないかなと思うんです。
でも、民宿が無かったり、船便が少なかったり、そういうこともあってなかなか訪れる機会も少ないかもしれません。ぜひこの機会に、船浮を体験してもらえたらと思うんです。
そして一番望まれるのは、船浮きに人が増えて子どもが増えたら、小学校が無くならなくても済むんですね。
もし学校が無くなってしまうと、先生も減ってシマの住民も今の半分になってしまうんですよ。
学校が無いということは、運動会も学習発表会も無くなってしまって、子どものイベントが無くなると親や大人達の活力も失われますからね。

もちろん、住んでもらうことだけが目的ではなくて、この船浮で感じた事を、自分が今住んでいる地域で活かしてもらえたらと思いますし、
「あんなに不便で人が少なくても、みんな明るく生活してゆけるんだ」と言ってもらえるような場所だと思うので、ほかの地域のかたも船浮に来てもらうことによって、何かを感じ取って、またその人たちが元気になって、そしてそれを活かしてもらえたらいいですね。
そして、「船浮に来て、生き方が変わったよ」って言ってもらえたらそれは素敵な事だと思いますし。
もちろん、人が少ないなりの問題も色々ありますし、だから“絶対に船浮へ来たら間違いはない”と言い切れるものでは無いんですが、
例えば宮古のように情があつくて、自分の食べるものが無くてもお客さんをもてなす心とか、訪れる人に感謝の気持ちを表したりとかね。

島の人から「また島に帰っておいでよ」って言われて、そのあたたかな気持ちが伝わると“もうひとつの故郷”に感じたり、そしてまたそこでつながって“人に会いにゆく”(人とのふれあい)ことも多いと思うんですよ。
やっぱり“人”だと思うんですよね。だからこそ、船浮のほうもそこから興していかなきゃと思うんです。
船浮は観光で生活している地域ではなく、観光客が少ない時のほうが魚がいっぱい捕れたりする面もあったりするので、今の船浮は生活と観光が結びついていないんです。
だからこそ、船浮に人が住んでほしいと思うんだったら、シマの人が輝いていないと「あぁ、船浮に住んでみたいな」とは思ってもらえないと思うんです。
そして今回の第1回目のお祭りが、島の人たちの中でみんなで力を合わせてひとつのものを作り上げてゆくことがきっかけとなればと。
伝統を受け継ぐことも大切ですけど、今回は新しいものを作ることがまたいい機会となって、船浮の底上げというか交流することができたらと思っています。
なので、ステージの中で、シマの良さとかを伝えてゆけたらと思っています。
それは観光客に向けてだけでなく、地元の人に向けても特に。
というのは、シマの人は「こんな小さなシマに何のためにくるの?」って、自分たちの環境の良さを案外わからないものだったりもするので、
「こんなにわざわざ来る人がいるんだよ」って。
人がいっぱい集まってくれることで、島の人のやりがいが出てくれるとも思うので、
また、「楽しかったよ。また来るね」って声をかけて頂けたらと。
そしたら、笑顔の数も増えると思うんですよね。頑張ってよかったな、また頑張ろうって、気持ちがわくでしょうし。
たとえ日帰りの旅であっても、ぜひ訪れてほしいなと思います。
第一回目だからこそ、いろんな思いはあるんですけど、これから続けてゆくことが大事なんだろうなって思っています。
——そして、第1回 船浮音祭りが開催直前となりましたね。

ゲスト・アーティストも一組招待するくらいがちょうどいいのかなって思っています。
——その記念すべき第1回目の招待アーティストは、元ルビエスの唐真久乃(とうま・ひさの)さんということですよね。
池田卓:子どもから年輩のかたまでみんなで楽しんでもらえるようなね。
僕も島の子どもだったからよくわかるけども、TVに出ている有名な人が来るだけでも喜ぶんですよ。
この祭りを続けることによって、5年、10年後がすごい楽しみですね。
参加してもらったアーティストのみんなにも「楽しかった」「次、来年は自分たちを出してくれ」って言ってもらえるようになれたらと。
島の祭りといえば、ふつうは地域の人が出ることが魅力でもあるんですが、それはもうすでにあるんですよ。
船浮の伝統的なお祭りの節祭も、今年は11/2にありますし、裏方から出演者まで全部青年会から地域の人たちが総出でやっているんで、今回はそういう負担は掛けないように、島の人たちが純粋にお客さんとして楽しんでもらえるような祭りがあってもいいかなって。
だから、今回ポスターには「プロミュージシャンが来るよ!」って書いています。島のみんなにも楽しんでもらいたい祭りですね。
第1回目は実行委員は僕ひとりからはじめましたが、それをキッカケにして今後は青年会が主体となって、「今度はいついつやるから、卓は島に来られるか?」と日取りまで決めて動いてくれるように、青年会に力をつけてもらいたいですね。
例えば今回の経験が、今後のほかのお祭りや行事などでもいい変化につながってゆくかもしれませんからね。
これまでの祭りにしても、長老から「もうすぐ節祭りだから、青年会は練習はじめなさい」と言われたりするような感じなのですが、本当は若くて動ける人から動かないと。
青年会のほうから「おじい(長老)、今年の青年会はいついつから練習をはじめたい。指導に来てもらえないだろうか?」と積極的に変わってゆけるかもしれませんよね。
——島の青年会は何名くらいなんですか?
池田卓:船浮の青年会は20歳から40歳くらいまでで、先生も入れて10名くらいですね。
お祭りや行事をやるにしても先生たち10人の力ってとても大きくて、先生でもあるけど住民としてその10名の参加がないと行事も成り立たないんですよ。
ですが、島の人たちと新しい先生が親しくなっていくのは大体夏休み明けてくらいからで、運動会とかそういう行事がきっかけになるんですが、もうその頃には1年の半分が過ぎてしまっているんです。それってもったいないですよね。
そして教職員であるので、毎年移動で4〜5名は入れ替わるんですね。であるなら、島に赴任してきたばかりの若い先生たちと早めに交流して親しくなってもらいたいというのがあって、本当は4月くらいにこの祭りが開催できたらなぁって思っています。準備とか打ち上げとかでコミュニケーションを深められると思うんです。
それに4月は天気がいいという事で海も荒れないし、海の輝きも綺麗なんですよ。

池田卓:船浮きはたぶん沖縄の中でも最も小さな集落のひとつだと思うんですよ。そんなシマでも頑張っているだというのを感じてもらって、船浮の元気がほかの地域の元気に繋がればいいなって。
僕も精一杯頑張りますので、ぜひ船浮にもこの機会に足を運んでもらいたいです。
『第一回 船浮音祭り』(ふなうき おとまつり)
平成19年11月4日(日)
12:00〜15:00
※入場無料!
出演:池田 卓、唐真久乃、ほか
主催:船浮音祭り実行委員会
実行委員長:池田 卓(船浮出身/ミュージシャン)
後援:船浮公民館・船浮婦人会・船浮青年会・(有)船浮海運・(有)船浮観光
(取材: 桑村ヒロシ、写真: KUWA+さにしゃ)
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