PeaceMusicFesta!'09from宜野湾【後編】

ryuQ編集室

2009年09月18日 09:00


環境のこと平和への想いをもって集ったUAや加藤登紀子など14組のアーティストたちの多彩な音楽を聴きながら、沖縄の未来を想像していく。そういうことが出来る素晴らしい機会が、国際平和デーの9月21日(祝)に宜野湾で開催されるという『Peace Music Festa!'09 from宜野湾〜わったー地球(しま)はわったーが守る〜』。インタビュー【前編】に引き続き、さらに深く、そして詳しくお届けしていきたいと思います。

——今回、PeaceMusicFesta'09にはまた凄い顔ぶれが集まりますよね!

伊丹英子(Soul Flower Union):凄いメンツが沖縄に来ます!

知花竜海(DUTY FREE SHOPP.):例えばアメリカのL.A.からは、OZOMATLIがこのイベントのために来沖するのが凄い事だと思いますね。
OZOMATLIは『FUJI ROCK FESTIVAL』にも出演したりしているようなラテンミクスチャーでとても有名なバンドです。

伊丹英子:「アメリカを一面だけで捉えてほしくない、“こんなアメリカもあるんだ”というのを観てもらいたい」と彼らも楽しみにしているみたい。

知花竜海:あと、ヘリパット問題の高江(東村)でもライブをやったUAを、ぜひまた沖縄に呼びたいというのがあって。

伊丹英子:UAはフルバンドで出演することに。なんと9人編成!

知花竜海:今回UAは、ぜひ新譜『ATTA』のツアーメンバー全員で沖縄に来たいと言って下さって、それだけ気合いが入っているんだと思います。
前回のUAの高江ライブはアコースティックヴァージョンで限定された人たちだけが観られたのだけど、今回は違います。ふだん沖縄ではなかなか観られないものが、今回観られます!

伊丹英子:あと、OKI(樺太アイヌの伝統楽器トンコリを使ったバンド編成で今回参加)と最近仲が良くて、沖縄でフル編成のDUBバンドで来沖するのは初。
やっぱりOKIのDUBバンド、かっこいいよね。

知花竜海:そして、加藤登紀子さん。
'06年にカクマクシャカ(沖縄)が『FUJI ROCK FESTIVAL』で共演させて頂いて、その時ぼくもスタッフで現場に行ったんですけど感動的なステージだったんですよ。FUJI ROCKに加藤登紀子さんが出演するというだけでオーディエンスの期待が大きくて、会場がぎゅうぎゅう詰めで、それはもう最高に圧巻のステージでした。しかもそこにカクマクシャカが紹介無しにステージに登場して「あれは誰?!」という感じ空気が、カクマクのRAPがはじまったら一転してもの凄く盛り上がって、あれは鳥肌が立ちましたね。(今回再び沖縄の地で共演する可能性が!)

登紀子さんは沖縄とのご縁がとても深いかたで、僕らの親達の世代からずっと平和とか環境を守ろうというメッセージを発信してきた人ですので。今回宜野湾でやるにあたり、幅広い世代に来てもらいたいという想いもあって、オファーさせて頂きました。
今回、加藤登紀子さんのバックを沖縄の太陽風オーケストラが演奏してくれるんです!そのコラボレーションも貴重だと思います。

伊丹英子:コラボといえば、OZOMATLIのほうからも、「沖縄の若いミュージシャンとコラボしたい」というオファーが来ているので、OZOと沖縄のミュージシャンとのコラボレーションも観られるかもしれない。

知花竜海:とにかく今回は、『FUJI ROCK FESTIVAL』などの大型フェスに出演経験のあるアーティストたちが一堂に沖縄に集まります!(県内からも、多くのアーティストたちが参加)
これだけの顔ぶれが揃い、沖縄でフェスを体感できるのってなかなか無いと思うので。

今年の『FUJI ROCK FESTIVAL'09』では、SOULFLOWERUNIONのステージで、
「辺野古から歌は自由を目指す」の大合唱になって凄かったですね。

伊丹英子:ずっと盛り上がって、ライブ終了間際に「次は沖縄で!」って言ったら、みんな「うわー!」って歓声が凄かった。


知花竜海:今回、宜野湾でやる意義というのがあって、あえて宜野湾にこだわってやることになったんですけど。

伊丹英子:私も沖縄に移住してきてからずっと宜野湾で、その頃、地元の声はどこだろうってもやもや思っている時期もあったけど、
昨年の上野の公演の時とか、地元のママさんたちが応援していてくれて、「本当は、私たちがしなければならないことをありがとうね」「今度やる時は、私たちが手伝うから」と言ってくれたりする人がたくさんいて。嬉しかった。

——また宜野湾といえば沖国大にヘリが墜落した事件の後に、竜海君はDUTY FREE SHOPP.×カクマクシャカ名義で『民のドミノ』を作って無料配布したり。

知花竜海:そういうのもあって。
それにやっぱり、辺野古と普天間(宜野湾)って対になって問題として絡み合っているじゃないですか。

(基地を)どこかにたらい回しするというのではなくて、やっぱりどこにもいらないだろうと、そういうのがいらない世の中を作っていこうという方になっていったほうがいいと、イベントでそれを伝えていきたい。
今回、いろんなご縁もあって、宜野湾から発信しようという事になったんです。

——その流れとは反対の側からすれば、「そんな事は夢のような話で非現実的では?!」という声も?

伊丹英子:いろんな意見があればいいと思う。私たちは音楽をやっているから「戦争はいらないんだ」って、普通に平和を願う事を言っていいと思う。

知花竜海:現実ばかりを語るだけでなく、歌で夢や希望を語れるのが音楽。
現実的なところで、どうしたら無くせるのかとか、無くしたらどうするのかというところは、これからみんなで考えていきましょうというところなので。

今はそのスタートラインにまだ至っていないと思うんですよ。その問題自体にあまり感心が無いとか、知らないとか、自分たちには関係ないっていう人だって多いし。

伊丹英子:地元沖縄の人たちの中で、「気づかせてくれてありがとう」ってメールしてくれる人もいたりして。

——じわじわと伝わっていっていると。

知花竜海:4年目というのもあって、イベントというのはたくさんの人が絡んでいくものだから、このイベントを通じて出会っていったり、というところからまた何か新しいものが生まれたりするので、それがイベントの一番の醍醐味というか。

それに今回、Soul Flower Unionの伊丹さんがプロデュースしているという事もあって、いろんなジャンルのトップクラスのミュージシャンたちが出演するという、沖縄でこれだけ質の高い音楽が集まったイベントというのはなかなか無い。
それも興行的な営利面とかではなく、メッセージに共感して想いをひとつにして集まってくれたアーティストばかりというのは、ほかには無いと思うんですね。

想いとかエネルギーが強いイベントだと思います。
だから、このイベントを観に来た事をきっかけにして人生が変わった、といわれるようなイベントにしたいですね。

伊丹英子:人生を変えたい人たちにはぜひ来てほしい(笑)。

知花竜海:地元の沖縄の人たちにもたくさん観てほしいですね。
音楽を聴きながら、沖縄の未来を想像していく。そういうことが出来る素晴らしい機会だと思うので。

伊丹英子:うん、ネガティブな要因はないよね。

知花竜海:このイベントに来ることによって、「あぁ、これだけ人たちが同じ想いを持って、沖縄の未来を考えているんだ」ということを実感できると思うんですよ。僕らも毎年それを実感しているのでわかるんですが、「あっ、一人じゃ無いんだ!」というのが実感できてそれが勇気になって自分のその後のアクションに変わっていくんだと思うんですよね。交流できるし、それが一番楽しみ。

お昼から夜まで続くこのフェスティバルでは、フードコーナーも充実していますし、出入りも自由ですし、子供も中学生以下は無料ですので家族連れでみんなで来ても自由に楽しめるという空間にしたいですね。
(→スペシャル・インタビュー【前編】を読む)

Peace Music Festa!’09 from宜野湾
■日時: 9月21日(月・祝) 雨天決行・荒天中止
■場所: 沖縄県 宜野湾海浜公園屋外劇場  
        (収容人数4000人)
■チケット: 前売り¥3500 当日¥4000
取り扱い: チケットぴあ (Pコード329−398)
■出演: UA/OZOMATLI/ソウル・フラワー・ユニオン/OKI DUB AINU BAND/カクマクシャカ太陽風オーケストラドーナルラニー/DUTY FREE SHOPP./Shaolong To The Sky/新良幸人 with サンデー/KACHIMBA1551/照屋政雄/山原RAGGA兄弟/KALIKOPUA HULA STUDIO/青年エイサー/獅子舞/and More・・・
■会場内ブース: 環境問題や基地問題を考えるブースやフードコート等


※公式HP:
http://peace-music.org/

(取材: KUWA)

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