「ピースキャンドル」〜2010年の平和を願う〜

ryuQ編集室

2010年01月07日 09:00


2010年がスタートしました。しかし、沖縄に住んでいる県民は心落ち着くことがありません。年末年始もTVや新聞、各ニュース報道に繰り返し取り上げられる「普天間基地問題」。

米軍普天間飛行場の代替施設として名護市の辺野古へ移転する、または別の場所にするのかなど新基地建設計画について連日報道がされています。

揺れる普天間基地問題から目を離すことはできません。

そんな中、2009年の暮れが押し迫った12月26日には、代替地の候補とされている名護市辺野古にある米軍基地・キャンプ・シュワブのゲート前で、ろうそくを灯して米軍普天間飛行場代替施設の建設反対を訴える一般市民による「ピースキャンドル2009」が行わました。

集まった人は県内外から約100人。「米軍新基地建設反対」「辺野古の海を守ろう」と乳母車に赤ちゃんを連れて参加した親子や、車を乗り合わせてきた数名のグループ、大学生をはじめ那覇市、うるま市、宜野湾市、糸満市など県内外各地から老若男女が集まり、ペットボトルを再利用した手作りのピースキャンドル(ろうそく)を灯して、道行く車や基地から出入りする車や人々に訴えました。

これまで実はあまり知られてこなかったのですが、2004年から毎週土曜日の夜に、このピースキャンドルを行ってきました。場所は名護市辺野古の米軍基地キャンプ・シュワブゲート横で、渡具知武清(とぐちたけきよ)さんの一家族が、基地はいらないと平和を祈りろうそくの灯りを灯し続けています。そのことが大きく県内外で報道されたのが、昨年11月に宜野湾市で行われた米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する県民の意思を示す「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」(県民大会)でした。

2万人もの人が集まった県民大会の会場の舞台に渡具知さんご家族が立ち、心の想いを語りました。そのとき多くの人が辺野古のキャンプ・シュワブの米軍基地の入り口で毎週土曜日に渡具知さんのご家族がピースキャンドルを自主的に行っていることを知りました。

辺野古のキャンプ・シュワブ・ゲート横で、一家族だけで始めたピースキャンドルについて、渡具知さんがこの日挨拶されました。

「6年前からピースキャンドルを始めました。家族だけでもいいから、少しでもいいからと、何か訴えることをと、こういう形でやってきました。ろうそくの灯りには魂があると感じるのです。みんなの命がここにあるんだと、米軍の兵隊さんにもわかってもらえたらと、気がついてほしいと思うのです。平和への灯火としてろうそくの灯りでアピールしています。もしかしたら宇宙からもこの灯りに気がつくのではないかと。みんなが集まるその輪が力になります。私が責任者というわけではなく、一人一人の想いで、出来るだけの時間でかまわないので、ここで毎週土曜日ろうそくを新年も灯していきます。私はいうなればみなさんと同じ想いを代弁しているだけです。今日はたくさんのみなさんが参加してくれてありがとうございます」とピースキャンドルへの想いを語りました。

また[ヘリ基地いらない二見以北10区の会]の参加者からも、
「想いをろうそくの灯りで伝えようとピースキャンドルに込める想いが届くように心から願っています」と挨拶がありました。

そして今回は若い世代の参加も多くあり、代表して、沖縄キリスト教大学の学生[ONE LOVE]からの参加者が、
「自分たちの沖縄の足元の問題を見つめ、基地問題に若い人も目を向けてもらえたらと願って参加しました」と想いを伝えました。

「ピースキャンドル2009」の開催をアピールしてきた[ネオキの会]からは、
「沖縄のことを学びたいと始まった会です。ピースキャンドルには、これまでに県外からの参加者もあるが、もっと県内の方にも知ってもらいたいという渡具知さんからのお話を聞きまして、私たちも出来ることからとピーアルなどして参加しました」と、お子さんを連れてご参加されていました。

一人一人がピースキャンドルを手に持ち、一列に基地の出入り口のゲート横の道に並ぶと、その灯りの列を見て、通りながら車の窓を開けて「がんばってください」と大声で激励してくれる人や、クラクションを鳴らして応援してくれるドライバーもいたり、参加した子供たちは「大事な海を壊さないで」と一生懸命声を出して灯りと共に想いも伝えていました。

参加したきっかけや感想を伺った方の中には、「本気なんです。これはイベントではないんです」と強い気持ちで参加していることや、「同じような平和への活動をしているので、今日は初めて辺野古にも参加しようと来ました」など様々でした。

渡具知さんは、「時間のあるとき、観光の途中でもほんの少しの5分でも10分でも同じ想いがある方はぜひピースキャンドルへ参加してもらえたら嬉しい」と話していました。

毎週土曜日午後6時半から7時まで、名護市辺野古のキャンプ・シュワブの第1ゲート横で、渡具知さんご家族はろうそくを灯し立ち続けます。

このピースキャンドルを灯すことが1日も早く終わることが出来るよう、2010年の新年には止めることが出来るようにと、強く平和を願うばかりです。

(文+写真: 吉澤直美、編集: KUWA)

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