“沖縄のフジロック”ともいえるような豪華フェス『Peace Music Festa!'09 from宜野湾〜わったー地球(しま)はわったーが守る〜』がこんどの連休の9月21日(祝)に開催される。
UA、加藤登紀子、OZOMATLI(from L.A.)、
Soul Flower Union、OKI DUB AINU BANDなどFUJI ROCK FES出場経験アーティストたち、そして沖縄からも各ジャンル(沖縄民謡、ロック、レゲエ、ラテンなど)のミュージシャンたちが参加する。
そして豪華さだけではない。メッセージに共感して想いをひとつにして集まってくれたアーティストばかりの大型フェスというのはおそらく他にはないだろう。そしてその“想い”とは。今年の
『Peace Music Festa!'09 from宜野湾』の見所をはじめ、なぜこのイベントを続けるのか、そして何を伝えたいのか、開催直前スペシャル・インタビューをお届けします!
——こんどの9月21日(祝)に『Peace Music Festa!'09 from宜野湾(わったー地球(しま)はわったーが守る)』が行われますが、Peace Music Festa!は今年で何年目になりますか? 元々は辺野古でレゲエのイベントからはじまったそうですね。
知花竜海(DUTY FREE SHOPP.):イベント自体は2006年に辺野古で始まって今年で4年目になります。僕ら2人(知花竜海と伊丹英子)は2007年の辺野古開催から加わって、2008年は上野公園の水上音楽堂で開催しました。東京の人たちにもこの問題を知ってもらおうと思ってやって、そして今年はそれを持ち帰って、再び沖縄の宜野湾(普天間基地があるのが宜野湾市)で行うことになりました。
——このイベントを何年も続けられてきて、一貫して伝えたい事というのは?
知花竜海:ほんとうに一番伝えたいことは、イベントのサブタイトルにもあるように、「わったー地球(しま)はわったーが守る」なんですよ。“地球=しま”になっているんですけども、“平和”と“環境”を守っていきたいという気持ちを、音楽とかアートで表現したいというのが、このイベントの一番の趣旨ですね。
——次ぎに伊丹英子さんにお聞きします。このイベントに2年目から実行委員として参加したいと思った動機を聞かせて頂けますか?
伊丹英子(Soul Flower Union):沖縄に移住してきて、自分が住んでいる宜野湾市も目の前で問題が山積みであって、辺野古のほうは移住して1年目くらいの時にはまだ行った事がなくて、友人を訪ねていったんです。
辺野古で座り込みをしている命を守る会の参加者のひとりが、「本当にSoul Flowerなの?」と聞いてくるので話を聞いてみると、ちょうど前日に夢で“Soul Flowerが辺野古にやって来る”という夢を見ていたらしくて。
一同:うわ〜!
伊丹英子:なので「マジ?本物?」って(笑)。
元々Soul Flowerのファンらしく、よく座り込みをしながら歌っていたんだそうで。
で、辺野古で何か小さくてもいいから新しいお祭りをしようという話になって。誰か一緒にやってくれる人いないかなと思って、ピンときたのが知花竜海だったという(笑)。
それでさっそく竜海に電話してみると、この『Peace Music』がその年('06年)に開催されたことを聞いて。では、また最初から私らが作るよりも、集落の状況とかもわかりづらいから、私たちがそれを手伝うかたちで『Peace Music』に参加しようかということになって。
第1回はレゲエ中心のイベントで、2回目からは県外からも音楽友達を呼んで、渋さ知らズオーケストラやらいろいろなバンドが参加してくれてね。
知花竜海:もちろん、第1回から参加したレゲエアーティストも多く参加してくださって、そのほか沖縄民謡からロックまでジャンルが幅広くなりましたね。
——音楽やアートで平和を訴えるということで、音楽のほかにもどんなアートがあるのですか?
知花竜海:第1回からずっとメインビジュアルを描いてくださっているpokke104さんとかが独自の感性で表現してくださったり、毎回ヒップホップのグラフィティーのライブペインティングとかもやってもらっていたり、音楽以外のアーティストも音楽に絡んでいただいています。
伊丹英子:今回もありとあらゆるジャンルの人たちが関わってくれてます。エコ関連のかたでは自転車でかき氷を作っている石垣島の方からそれを教わったりとか、地元宜野湾のお母さんたちが手伝ってくれてPeaceMusic食堂をやってくれたりとか。
知花竜海:音楽、アートというジャンルに限らず、お祭りみたいな感じでやろうというのが一貫してありますね。楽しくかつ、かっこいいし、というようなところからもアプローチしていきたいですね。というのも問題が難しいイメージに、若者がとっつきにくいところもあるので。
こういうところからきっかけにして、また考えていく機会にしてもらいたいものなので、とにかく間口を広くして、みんなが気軽に楽しんでもらえるような雰囲気を作っていきたいなと思っています。
——それで“Festa”(祭り)だという。
知花竜海:そうですね。祭りみたいなものですね(笑)。これまでもこういう基地問題が主旨のイベントには出演してるんだけど、なかなか若者の感心が広がらなかったのが悩みで(笑)。レゲエミュージシャンたちによる第1回目の『PeaceMusic』に行った時に、1000人くらいの若者たちが集まっていて、「あぁ、こんなやりかたでやればこれだけの人を辺野古に集められるんだ」っていうのがとてもインパクトあって。
そうやって僕も実行委員に加わっていく事になっていくんですけど、いろんな人がいろんなやりかたで表現していくことで、「あっ、こんな事はタブーだと思っていたけど、口に出して言ってみてもいいんだな」とか、「もっとみんな考えていこう」という事を、それをアクションとして起こす事が普通にやっていいんだなっていう雰囲気を作りたい。
——平和な世を想ってみたり、考えたり、そういう事を語り合ったりするのが普通の世の中になってほしいと。
知花竜海:沖縄の場合は、親戚のつながりや、職場でのしがらみなどもあって、こういう事に関しては意見が言いづらいのですけど、フタをしているだけでは一向に解決していかないので、それを声を出して言えるようなきっかけづくり、突破口を開きたい。そこは音楽が一番できるところだと思うんです。
(→インタビューの続きはこちら)
『Peace Music Festa!’09 from宜野湾』
■日時: 9月21日(月・祝) 雨天決行・荒天中止
■場所: 沖縄県 宜野湾海浜公園屋外劇場
(収容人数4000人)
■チケット: 前売り¥3500 当日¥4000
取り扱い: チケットぴあ (Pコード329−398)
■出演: UA/OZOMATLI/ソウル・フラワー・ユニオン/OKI DUB AINU BAND/カクマクシャカ/太陽風オーケストラ/ドーナルラニー/DUTY FREE SHOPP./Shaolong To The Sky/新良幸人 with サンデー/KACHIMBA1551/照屋政雄/山原RAGGA兄弟/KALIKOPUA HULA STUDIO/青年エイサー/獅子舞/and More・・・
■会場内ブース: 環境問題や基地問題を考えるブースやフードコート等
※公式HP:
http://peace-music.org/
(取材: KUWA)