公事清明祭(伊是名島)

本日4月3日、伊是名島では“公事清明祭(クージシーミー)”が厳かに執り行われます。伊是名島は、第2尚氏王統の始祖・尚円王(在位1469-1476年)の生誕の島。その島の象徴でもある伊是名グスクの麓には玉御殿があるのです。玉御殿(玉陵)といえば、首里城のとなりにある王家のお墓。そう、伊是名島にも同様の格式を持つ玉御殿があり、尚円の子で第三代国王・尚真(在位1477-1526年)の時代に建立したものだといわれています。

公事清明祭はいつ頃にはじまったのか
では、その頃から先祖供養の行事である清明(シーミー)を行っていたかというとそうではなく、沖縄(琉球)でこの行事がはじまったのは18世紀からで、中国から伝来してきたものだといわれます。
伊是名の公事清明祭がはじまったのも1870年からで、この「公事清明祭よりも前に、島の一般の清明は行われない」といわれています。そしてそれは現代でも同じです。

玉御殿の中に眠っているのは
尚円王と歴代の王の多くは首里の玉御殿に葬られていますが、伊是名の玉御殿には尚円の父(尚稷)をはじめ、姉、叔父、叔母、その子孫が葬られています。
なぜ、姉や叔父や叔母なのかというと、もともと尚円王は農家の出身から大出世した人物。島に残った親族にも、王府から地位が与えられる事になったのです。
・叔父の真三良に“銘刈大屋子”という特別職(現在銘刈家)
・叔母の真世仁金に“二かや田の阿母”という神女職/のちに娘2人に世襲
(現在伊礼家・玉城家)
・姉の真世仁金(叔母と同名)に“阿母加那志”という神女職(現在名嘉家)

また伊是名玉御殿は過去の歴史遺産としてだけではなく、尚家直系の子孫・尚裕氏もご本人の希望でここに永眠しています。
伝統が現代に生きている
そして、この公事清明祭の行事で実際に使われている琉球漆器は、普段は島の博物館に展示されているものです。今では首里の玉御殿のほうの公事清明祭は行われなくなりましたが、こうやってルーツである伊是名島には今もその伝統が生きているのでした。

(文+写真: 桑村ヒロシ、取材協力: 伊是名村役場)
【ryuQ最新記事】
今月のryuQプレゼント!!
プレゼント情報をもっと見る>>
今月のryuQプレゼント!!
プレゼントの応募は下記の応募フォームからご応募ください。
※酒類のプレゼントへの応募は20歳未満の方はご応募できません。
応募フォームはこちらから
ryuQは携帯からでも閲覧できます!!

ブログランキング【くつろぐ】
ランキングはこちらをクリック!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】
にほんブログ村 沖縄情報
この記事へのコメント
美しい伊是名島を訪問いたしました。みなさん、ありがとうございます。
Posted by モンシロチョウ at 2014年05月30日 23:32
てぃーだな特集新着記事
お気に入り
QRコード

読者登録(更新のお知らせ通知)
アクセスカウンタ
ryuQ特集記事>検索
バックナンバー
ryuQプロフィール
ryuQ編集室
カテゴリー
観光・レジャー (70)
グルメ (29)
ビューティー (6)
アウトドア・スポーツ (3)
エンターテイメント (6)
沖縄の芸能・文化 (36)
ビジネススタイル (1)
暮し生活 (41)
趣味・遊び・お得 (100)
健康・医療 (3)
沖縄の人々 (196)
ペット・アニマル (12)
沖縄の匠 (10)
THE泡盛 (14)
壁紙 (57)
ショップ紹介 (29)
三線 (15)
ECOライフ (8)
戦争と平和 (16)
スピリチュアル (11)
沖縄のスポーツ (11)
CD新譜情報 (35)
映画情報 (23)
南島詩人・平田大一『シマとの対話』 (75)
ryuQ編集部から (4)
琉球百科シリーズ (163)
エイサー (10)
写真でみる沖縄 (7)
新製品情報 (8)
過去記事・月別に表示