本日3/4、三線の日に唄者・
松田一利さんが3年ぶりの
新譜『うた みち あるき』をリリース♪ 唄三線を通して伝えたいこと、このアルバムで表現した内容など、興味深いお話を連載でお届けします。
——最近の活動のひとつで、インターネットラジオ(かーずーの『て〜げ〜ラジオ』/毎週放送)で全国に発信されていますよね。
松田一利:はい、ちょっとゆるい感じの(笑)。というのは、性格的にかんちりかんちり(きっちり)な人ではないので。じゃぁ、ゆるい感じでやってみようか〜って。それでも聴いてくれる方がいて、また沖縄の音楽やいい歌をたくさん紹介できたらいいなぁということでやり始めたんですよね。
かけたい曲を流して、喋りたいことを話して、リスナーからのメールを読みながらも自分たちの話で終わってしまうみたいな、て〜げ〜です(笑)。
それでタイトルも『て〜げ〜ラジオ』なんです(笑)。
——自分たちで情報発信することの大事さを実感されていたりとか。
松田一利:県内のほとんどのラジオ番組は放送エリアが限定されているじゃないですか。とても素晴らしい番組や音楽が沖縄にいっぱいあるのに、それがエリアの都合で全国までには届かない。なので、それに代わるようなことが何か出来るかなぁということで、僕たちで出来ることをインターネットラジオでやっている感じです。'08年9月から始まって毎週欠かさず更新中です。
——インターネットラジオなどで情報発信もしながら、そして唄者としてはセカンドアルバム『うた みち あるき』を“三線の日”に発売とのことで。それも3年ぶりとのことですね!
松田一利:その間、いろんな方の作品のプロデュースをさせて頂いたり(田場盛信、
島袋辰也、
年中エイサーなど)、CD制作に参加したりしてきたんですけど、自分自身のアルバムとしては3年ぶりですね。この3年という時間に、けっこう世界が拡がったなぁ〜という感じですね。
今回は、知名勝さん(アコースティックM)にサウンドプロデュースをして頂いた作品です。昔歌もカッコ良く、沖縄民謡に興味が無い人にも“おぉっ!”って思ってもらえるように取り組んでみました。
たとえば、1曲目の『花口説(はなくどぅち)』はとても古い歌で、もしかしたら若い人はよく知らないかもしれなくても、アレンジが良くて洋楽器が伴奏に入れば、曲や歌の良さが理解してもらいやすく、興味を持ってもらえるのではと。で、一方では、ちゃんと伝統的なスタイルでも継承しながらやっています。
昔歌は三線一本でもカッコいいんですけど、どんな洋楽器を使った編成でやっても原曲のカッコ良さは伝わると思っています。
今回は、様々なタイプの曲を収録しています。その中でも昔歌とエイサーの曲が好きな歌ですね。
——松田一利さんが「歌で伝えたいこと」とは。
松田一利:オリジナル曲も作っていたりしますが、三線をやればやるほど昔の唄に戻っていくような気がしているんですよ。
自分も、以前はエイサー曲ばかりが好きで、でも師匠のところに稽古に行くと昔歌ばかり教えられて、最初の頃は「こんな古い曲ばかりを知りたいんじゃない」と思っていたんですが、今では大好きですね。それは三線を極めようとすればするほど、原点(昔歌)に行き着くのかもしれませんね。
昔からの沖縄の音楽って素晴らしいじゃないですか。それを僕なりの表現の仕方で作った
『うた みち あるき』などを通じて起点にして、さらに興味を持ってもらえたら、ぜひ原点のほうにも行き着いてほしいなと。若い人たち向けにも、このアルバムがキッカケになれたらいいなと思っています。
(つづく)
(取材: KUWA、写真: 喜瀬守昭、取材協力:
キャンパスレコード)