めでたいレコード音源『山里勇吉集』(マルフク)

去年の暮れに沖縄音楽界の二つの巨星が沈んだ。喜納昌永氏と吉田安盛氏の二人だ。彼らの音源については日を改めて書きたいと思う。今回は新春ということで、めでたそうなレコードを紹介したいと思う。

(マルフクレコード FL-1014 1960)
このアルバム、見るからにおめでたそうなデザインだ(与那覇朝大装幀)。ジャケットの中央に扇が広げられ、白地の紅型模様。少し年を重ねたウチナーンチュなら、多分めでたい発想しか湧かないとだろうと思う。そして見るからに古そうなのである。LP盤(45回転)でありながら小さめでSP盤(78回転)サイズである。ということは発条仕立ての蓄音機から電動ターンテーブルへと移り変わりの頃のレコードということになる。
アメリカでは1955年頃にはEP盤(45回転)が生産され、普及していったが、日本では60年頃からドーナッツ盤(EP)に変わり、62年頃に蓄音機盤の生産はほぼ終了する。
さてさて、レコード。サイズが小さいということは曲数も少ないということになる。曲目を見てみよう。
A面に赤馬・シューラー節、鷲ン鳥、桃里節、トバルマ。
B面に古見の浦、夏花、殿様節、みるく節・ヤーラーヨー。
録音も太鼓の音ががんがんかぶるようなフワフワ録音だが、それでも若い頃の山里勇吉のスタジオからはみ出るような力強い「トバルマ」には身震いさせられる。なるほど、第一人者の喉というのはこういうものかと平身低頭だ。山里勇吉が那覇に移り住んだのは1960年というから、氏が35歳の頃。その2年前の1957年には八重山群島トゥバラーマ大会で優勝している。そして1963年にはNHKのど自慢大会に沖縄代表として出場している。もちろん曲は「トゥバラーマ」。日本の民謡は、歌と囃子が交互に掛け合うのだが、トゥバラーマもそうだが、沖縄の民謡は囃子が歌に被さってくることがよくある。当時の日本民謡の審査員達にはどうもそれが理解できなかったようだ。
正月ということでめでたい歌を紹介し解説したかったが紙数が尽きたようだ。ともあれ、山里勇吉の50年前の音源で、赤馬〜鷲ん鳥〜トバルマそしてみるく節で年を明けると気が引き締まる思いだ。
●小浜 司の『ryuQ100歌』バックナンバー:
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筆者プロフィール:小浜 司(こはま つかさ)

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