ryuQ 特集ページ

10月1日に、『ryuQ』はリニューアルし、てぃーだのデイリー特集『てぃーだなトピックス』として新たにオープンしました!新しいアドレスは、http://tidana.ti-da.net/
てぃーだブログ › ryuQ 特集ページ › 琉球百科シリーズ › 「普久原恒勇」特集(by.小浜司)

「普久原恒勇」特集(by.小浜司)

「普久原恒勇」特集(by.小浜司)
今回は普久原恒勇さんを絡めつつアルバムを、「響」と「The Last session」の2枚をご紹介したい。

響(とよむ)民族音楽/詩曲「響(とよむ)」演奏・響の会、作曲・普久原恒勇
(日本コロムビア株式会社 FX-7077 1981)

 先日ある友人と話をしていて、このアルバムレコード「響」がCDに復刻されてないと聞いて驚いた。このLPを初めて聴いた頃、凄い作品が出来たものだと、ひとり感心していたことを思い出す。古典ファンも民謡ファンも一度は耳を傾けるべき一枚だと思っていたけど、レコードに針を落とすということは私自身そんなになかった。琉球の歴史の独自性に音楽で、民族楽器による大編成の管弦楽の演奏で、表現しようとするスケールの大きな意欲にはついひれ伏してしまう。この間あらためて聴いてみて、そう感じた。普久原氏の年譜を見てみると、氏が49歳のときの作品だ。「芭蕉布」、「ゆうなの花」、「遊び仲風」などの作品を生み出した、表現者=沖縄の戦後最大の作曲家の野望を今更ながらみる思いがした。この作品で冊封使ならぬ、黒船が来たとき、ペリー提督の眼前で「響」を演奏していたら、などと勝手に想像してしまった。


THE LAST SESSION「THE LAST SESSION」嘉手苅林昌/普久原恒勇
(東芝EMI TOCT-9551 1996)

 1999年に他界した嘉手苅林昌であるが、晩年にも結構な作品(アルバム)を残している。例えば前回紹介した「沖縄の魂の行方」や山里勇吉、嘉手苅林昌「うたあわせ」(BCレコードBCD-GXY 1999)などもそうだ。彼自身が精力的に取り組んだというより、周りが放っておかなかったというのが事実に近いかもしれない。晩年の作品の中でとりわけ私が評価したいのが、この「ザ・ラスト・セッション」だ。とにかく嘉手苅林昌が安心しきっているのが良い。晩年の嘉手苅林昌を本当の意味で緊張させ、そして甘えさせきれる伴奏者は普久原恒勇以外にいなかったのではないか。76歳の嘉手苅林昌の全体重をもたせかけさせ、なおかつ、背筋一本通した気品さまで高めたアルバムといえよう。“枯れにぞ枯れし”色気漂うほどにその声を引き出し得たのは、やはり嘉手苅の呼吸を知り尽くしている、普久原の三線のツボに十分任せ歌いきっているからに他ならない。若い頃や絶頂の頃の嘉手苅林昌もいいが、晩年にこのような巡り合わせのアルバムを出せるのもやはり嘉手苅林昌だと感慨せずにはいられない。

小浜 司の『ryuQ100歌』バックナンバー:
http://ryuq100.ti-da.net/c73392.html

「普久原恒勇」特集(by.小浜司)
筆者プロフィール:小浜 司(こはま つかさ)
沖縄県国頭郡本部町出身。幼少期を那覇市で過ごし、中学以降宜野湾市に遊ぶ。大学卒業後ヤマトへ。季節工などの底辺労働に従事しながら、アメリカ、東南アジア、中国、アラブの国々を旅する。沖縄に帰り、クリーニング屋の経営をしながら大城美佐子や嘉手苅林昌のリサイタルなどをプロデュース。「風狂歌人」(嘉手苅林昌)や「絹糸声」(大城美佐子)など沖縄音楽CDを多数製作。2002年、国際通りに島唄カフェまるみかなーを開く。2004年沖縄音楽デジタル販売協同組合に参画しインターネット三線教室を始める。2006年、拠点を壺宮通り(那覇市寄宮)に移し、島唄カフェいーやーぐゎーを開店。沖縄音楽の音源や映像の楽しめる店として好評を博している。
島唄カフェいーやーぐゎーHPhttp://www.ryucom.ne.jp/users/iyagwa/


【ryuQ最新記事】
今月のryuQプレゼント!!


プレゼント情報をもっと見る>>

プレゼントの応募は下記の応募フォームからご応募ください。
※酒類のプレゼントへの応募は20歳未満の方はご応募できません。
応募フォームはこちらから

ryuQは携帯からでも閲覧できます!!
ryuQは携帯からでも閲覧できます!!
ブログランキング【くつろぐ】 ランキングはこちらをクリック!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】
にほんブログ村 沖縄情報
同じカテゴリー(琉球百科シリーズ)の記事
『木、気、奇、器』
『木、気、奇、器』(2010-09-27 09:00)


Posted by ryuQ編集室 at 2009年08月10日   09:00
Comments( 1 ) 琉球百科シリーズ
この記事へのコメント
普久原恒勇で検索してきました。
youtubeで初めて響を聴いたのですが素晴らしいですね!
http://www.youtube.com/watch?v=HdhfDvzwlEY
もっと知られてもいいと思うんですが、やはり普久原恒勇=芭蕉布なんですね(決して悪くはないですが)
これが1981年発売とはビックリですね!
Posted by 沖縄ファン at 2011年02月14日 19:26
[公開]
[非公開]
※管理人のみ管理画面から確認することができます。
[公開]
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
[公開]
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。