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スクスク育つ前のスクをスクって食べよう

スクスク育つ前のスクをスクって食べよう
 先月6月18日は旧暦5月4日のユッカヌヒーで、県内各地の漁村では大雨のなかハーリー(糸満市ではハーレーというけど)が行われた。前回、このコーナーでボクは、沖縄では「ハーリー鉦が鳴り響くと梅雨が明ける」と書いたが、ハーリーの当日は大雨であったにもかかわらず、ハーリーが始まる頃にはやや小降りになり、終わる頃には小雨となった。そして夜には星も出て、さらに翌日には空は晴れ上がり、なおかつ梅雨前線まで消滅していたので、ボクは、さすがというか、梅雨前線まで消してしまう「ハーリー鉦の威力、恐るべし!」と思った。ウチナーンチュならば梅雨が明けるとハーリー鉦が梅雨を追い払ったと思うけど(かどうかはしらないが)、情報社会の現代では某国の諜報部あたりが梅雨前線を消滅させたハーリー鉦に目をつけ、兵器として利用しないか心配である。願わくば、ハーリー鉦が平和利用されることを念じてやまない今日この頃である。

 で、何が言いたいのかといえば、早い話、ハーリー鉦が響いたら梅雨が明けた沖縄は、旧暦の年中行事どおりにちゃんと動いているなぁと、ちょっと自慢したかっただけである。あ、それから、6月の22日は夏至だったので、沖縄ではカーチーベー(夏至南風)が吹いて、むせるような夏の香りが風の中に含まれていたよ、とも言いたかったのである。

 というわけで7月の行事である。新暦では7日の七夕があるが、旧暦6月の行事では6月15日の「六月ウマチー」(新暦7月28日)、6月25日(新暦の8月7日)の「強飯折目(カシチーウイミ)」がある。「六月ウマチー」とは「稲大祭」と呼ばれる稲の収穫祭で、稲の豊作を感謝して、神様に「五月ウマチー」と同じように収穫した五穀やミキと呼ばれるお粥を醗酵させた飲み物、泡盛、ウサチ(酢の物や和え物のこと)を供えるという。また、「強飯折目」は「六月カシチー」とも呼ばれ、各家庭で新米の糯米で作った強飯(カシチー)とお汁を作りヒヌカン(火の神)や仏壇に供えて豊作を感謝するという。

スクスク育つ前のスクをスクって食べよう とはいっても、どちらかといえば子どもの頃から年中行事を欠かさなかった我が家ではナゼか「六月ウマチー」や「六月カシチー」をやった記憶がない。「五月及び六月ウマチー」がどちらかといえば国家的プロジェクトとして公の農耕儀礼として行われており、「六月カシチー」は農家を中心とした行事だったこともあり、那覇の貧しい士族の流れを汲む我が家としてはあまり関連性のない年中行事だったからではないかと思われるのである。それから、最近では「ウマチー」も「カシチー」も我が家だけでなく、ほとんどの家で関係なくなってきているのである。

 というわけで、今月もボクは紹介する食べ物はどうするか悩んだのである。この悩んだ現状を誰かに救ってもらいたいと思ったとき、「救って、救う、スクう、スク」と考えたところで「ピーン」と閃くものがあった。「そうだ、今月はスクを紹介しよう」何しろスクは毎年、旧暦5月25日から6月25日前後の大潮になると、沖縄近海のさんご礁の浅瀬の海に大群をなしてやってくるからである。

 海の色が変わるほどのスクの大群がやってくると、ウミンチュはもちろん、海のそばに住む勤め人や農業人も、どんな仕事をしていてもほったらかして海に飛び出していき、力を合わせてスク漁に勤しむからで、スク漁は今のシーズンというか、初夏の風物詩ともいわれているからである。ちなみにスクとはアイゴの稚魚のことで、浅瀬の藻を食べたとたん磯臭くなり、スクとしての味わいや風味が劣り、商品としての価値もなくなってくる、まさに季節限定、かつてはウミンチュ限定の夏の初めの味わいともいえる食べ物であった。
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Posted by ryuQ編集室 at 2007年07月16日   00:00
Comments( 2 ) 琉球百科シリーズ
この記事へのコメント
「すく」一皿800円、なんと、
羨ましいなぁ~

大潮で大漁だったんだ!!!

食べたいなぁ~

腹が食べたいと鳴っています・・・
Posted by 琉球弧風来坊・風人琉球弧風来坊・風人 at 2007年07月17日 12:03
ちょうど大潮だったんですヨ。
台風あとでしたが、新聞でもといあげられていました。

一皿800円のものは結構な量がありましたよ。
刺身で。そして余った分をテンプラで^^

100gがだいたい、480円〜500円くらいでした。

嘉手川学さんの食しかたもぜひぜひご参考にされてみてくださいネ。
Posted by ryuQ編集室ryuQ編集室 at 2007年07月17日 12:09
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