クイチャーは宮古のアイデンティティー。喜びの時のほか、島の神々への豊年豊作や雨乞いの祈願などでもクイチャーアーグ、クイチャーブドゥイで表現する場面もあるという。
さらに沖縄本島のカチャーシーと違うのは、大勢で円陣を組み舞う巻き踊りであり、宮古諸島の中でも地域によってそれぞれに特色がある。
沖縄本島や本土にいるとその違いがあるのになかなか気が付かないけれど、クイチャーフェスティバルでは各地域ごとのクイチャーが一同に会す機会。
ぜひ、クイチャーフェスティバルでその違いを実際にご覧になって確かめていただけたらと、そのクイチャーフェスティバルを立ち上げた中心人物・下地暁さん(同大会実行委員長)に、開催直前インタビューし、メッセージを伺ってきました。
——まず、宮古島でクイチャーフェスティバルをはじめようと思ったきっかけは?
下地暁:その理由は、いたってシンプルなんです。そこ(島)に“クイチャーがあるから”です。そしてそれは宮古独自の文化だからです。
「なんで宮古にはクイチャーがあるのに、そのクイチャーを次の世代に繋げようという機会がなかなか無いのだろう?」というのが以前からあって“もし誰もやらないのなら、自分たちだけでもやらせてもらおう”という事がきっかけでした。
——新しい事を興すわけですからご苦労なども多々あったことでしょう。このお祭りを興すのに構想8年の年月が掛かったそうですね。
下地暁:クイチャーフェスティバルを立ち上げるまでの経緯は、ふるさとの宮古島に戻ってきて2年目の年に、琉球國まつり太鼓とやらせて頂いた時に、とても大きな感動と喜びと一緒に、もの凄い悲しさもあったんです。
こんなに地元沖縄の文化を頑張って発信しようとしているその姿に感動し、また一方で悲しかったというのは“自分たちの宮古にはクイチャーがあるのに”なのに私たちは…と。そこが寂しかったですね。
実際に宮古の小学校を回ってみても、宮古の伝統芸能は?と訊ねてみても、子ども達はみんなクイチャーとはいわず「エイサー」って答えてしまうんですね。これは、やっぱり寂しいことですよね。
決して、ほかと対抗しようとかそういう意味では無いんです。自分たちからまずどうにかしなくちゃいけないんじゃないかなという想いがあったんです。
それは、実は内なるメッセージなんです。
人様のために頑張ってきたという部分は確かに外側に向けたメッセージでもあるのですが、
僕の狙いとしては、クイチャーの曲を提供して、宮古の“ソフト面”を使うことで、島に対する“誇り”や“喜び”になってゆくのではと思ったんです。そしてそこからもっと島も活性化してゆく。
宮古に戻ってきてからちょうど10年目の時が“人頭税が廃止されて100年目の年”だったんですが、そのタイミングに、これは“やりなさい”といわれているかのようなメッセージだと受け取ったんです。
自分の仕事は1年間手をつけずに、クイチャーフェスティバル開催の為に実行委員会を立ち上げたり準備をしてきて、ようやく実現することができたんです。
——なぜ、そこまでつき動かされるでしょう。
下地暁:それはもう“想い”ですね。
ただ、島の良さを気づいてほしいだけなんです。
それはなぜかというと、島(地域や故郷)を愛せなければ、親も愛せないのではと思うんですね。
もしそこに気づいたんだったら、何かひとつでもいいから“こういうので宮古を感じる”“こういうので故郷を感じる”それを自分で出来る範囲でやる、それが島の活性化につながってゆくんだと思うんです。
——そして11/4に開催予定のクイチャーフェスティバル2007について。
下地暁:今年は、クイチャーのほか、宮古の伝統芸能もご覧頂けます。それぞれ皆さんの地域にも素晴らしい伝統芸能や文化があると思いますので、そこで感じたものを持ち帰って頂けるよう頑張っていきたいと思いますので、会場にお越し頂ければと思います。
観に来て頂くだけでも参加になると思いますので、この機会に宮古島にぜひご来島頂いて、体感してください。
『第6回 クイチャーフェスティバル2007』
日時:11月4日(日)
開演:16:00〜
会場:カママ嶺公園多目的広場(宮古島市平良)
公式ブログ:
http://quichafestival.ti-da.net/
(取材+撮影: KUWA、協力: クイチャーフェスティバル実行委員会)
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