『おきなわのわらべ歌』スペシャル【前編】

ryuQ編集室

2010年05月05日 09:00


5月5日はこどもの日。沖縄のわらべ歌特集をお届けします。「沖縄の将来を担う子供たちが健やかに育つように」という想いから、沖縄に伝承されているわらべ歌をみんなの共有財産として、10年前から県内各地で出前コンサートを行って普及させているのが、NPO法人沖縄児童文化福祉協会のみなさん。

北は国頭村から南は糸満市までの保育園、児童施設、公民館などへ、年間10~12回くらいは出前コンサートを行っているそうです。
沖縄の民話やわらべ歌、伝承あそびなどを、ほぼ毎月のペースで届けています。

「小さなお子さんから中学生まで、もちろん保護者のみなさんもいらっしゃいますので大人まで、そして地域の方々も一緒になって、社会教育の面からも推進しているわけなんです」と、同会長の松本淳さん。

「今年でちょうど活動10周年を迎えるので、さらにこれからも社会的使命を果たしていくために、気持ちをまた新たにしてさらに頑張っていきたい」と、設立10周年記念コンサート『ハッピーキッズおきなわ2010』が先月3日にパレット市民劇場で行われました。


今回の公演の見所は、まず最初の【プログラム1番】が、玉城流玉扇会『若みんな』の賛助出演で、総勢35名の2歳から中学生までの子供たちが、ステージいっぱいに昔の子供たちの遊びの姿を再現。

毬つき歌、お手玉、なわとびなどの昔遊びをしながら、今ではほとんど聴かれなくなった沖縄方言によるわらべ歌24曲をメドレーで披露してくれました。沖縄の児童文化財ともいえる演目でした。


【プログラム2番】が、話し手・中村初子さんによる民話の朗読『花さき山』。
「善いことをする度に美しい花が一つずつ、綺麗な『花さき山』になる」という昔話を朗読するのですが、長い物語なのに本を一切見ずに語りかけてくれるものでした。子供たちも引き込まれるように聞き入ります。

【プログラム3番】は、沖縄のわらべ歌を洋楽器などを使って、『てぃんさぐぬ花』『月ぬ美いしゃ』など全10曲が披露されました。
【プログラム4番】では、日本の唱歌や世界の童謡曲を声楽家のみなさんが歌うという豪華なもの。

特にこのプログラムの3番目と4番目が、同会100名の会員の中から出張して行っている日頃の活動そのものなのだそうです。

この公演に客として来場していた宮古島市長の下地敏彦さんに感想を伺いました。
「孫が出演するというので来場したのだけど、昔耳にしたわらべ歌や、おばあちゃんから歌ってもらっていた歌などがたくさん聴けて懐かしかったですね。こういう歌はちゃんと残しておいてほしいなと思いました。今の若い子たちはテレビ文化とかゲームとかで歌わなくなってきているのでね、やっぱり地域に根ざした唄を歌い継いでいってほしいなと、そう思いますね」。

最後に、会長の松本さんに再びお話を伺いました。
「私たちの活動は、家庭福祉と児童文化を普及していくという複眼的な志向を持って取り組んでいます。
毎月、わらべ歌や民話の出張コンサートを行っていますので、各地区の子供を育成している団体の方々が我々を呼んで頂ければ喜んで伺わせて頂きます。わらべ歌や民話を1時間無料サービスで行っておりますので、どうぞご活用ください。また会員も同時募集中です」。

※わらべ歌特集の【続編】は→コチラに公開中です。(つづく)

(取材: 桑村ヒロシ、取材協力: NPO法人沖縄児童文化福祉協会)

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