現代版組踊「肝高の阿麻和利」with東儀秀樹インタビュー

ryuQ編集室

2008年08月22日 09:00


日本を代表する雅楽奏者の東儀秀樹と、現代版組踊『肝高の阿麻和利』(演じるのは勝連の子供たち)との感動のジョイント公演を再び。昨年11月17日に世界遺産の勝連グスクで行われたあの感動的なステージの再演が実現する事に! 今度はなんと、4回連続公演(8月23日(土)・24日(日)の各昼夜)が決定! 早くも一番高いRS席が完売するほど、今話題の公演です。その公演直前に、昨年11月の公演の際に東儀秀樹さんにインタビューした時のメッセージを今ここにお届けしたいと思います。

——沖縄には、これまでも何回か来られたことがあるそうですね。

東儀秀樹:何度か仕事で沖縄には来たことがあります。プライベートではなかったのでゆっくりとは出来ませんでしたが、離島では石垣島や西表島までは行ったことがあります。

——世界遺産での公演は、G8九州沖縄サミットでの首里城公演、そして勝連グスク公演で2回目となりましたね。勝連グスクと首里城ではまた場が違ったと感じられたと思いますが、どのように感じられましたか?

東儀秀樹:場所的には世界遺産ということで重厚であり、そして世界遺産に選ばれるだけあるというだけあって、単に美しいとかだけではなく歴史的な背景とかがしっかりあるから、そこに来ただけで人は感動できるのだと思います。
そういうところで演奏するということは、自然と気持ちも高ぶるというのもあり、また自分では意識はしていないけれども、演奏の力にも関わってくるところはあると思います。

何よりも凄いのは、この場で、そして地元の子供たちと熱演する。それは単に仕事としてだけではなく、“伝えたいものを/自分たちの力で/楽しみながら”、それを頑張っている姿がとても僕の心を動かしましたね。

——勝連グスクは遺構ではありますが、そのグスクを作った先人の子孫たちと共に今も生きているというか。そして、その勝連の子供たちのエネルギーとの共演となりますね。

東儀秀樹:純粋で一生懸命になっているというのが何よりも人を感動させるのであって、しかも、地域の人たちや子供たちにとって関わりのある重要な場所でやるということも、そのエネルギーを倍増させているということになると思うんです。そして、その渦に巻き込まれてゆく喜びみたいなものをかみしめています。

——共演される子供たちにとってはもちろんルーツということになりますが、東儀さんにとっては、沖縄の場でやるという事についてはどのように思われますか?

東儀秀樹:これまでも沖縄では首里城で演奏してきたり重要な仕事をしてきたのだけれど、『肝高の阿麻和利』に関わったおかげで、地元の子供たちと接する機会ができました。そしてまた、自分も一緒になってその渦の中に入っているということで、沖縄に対する想いというのが今まで以上に濃くなりつつありますね。

沖縄の人たちと、もっともっと深く交流するきっかけを頂けたのは、とてもありがたい事だなと思っています。

——そこから一緒に共有できるような新しい創造が生まれてきそうですね。

東儀秀樹:ハートの部分でいろいろ共有できると思っているのだけれど、だからといってボーダーレスにして一緒になろうというのではなく、沖縄には沖縄芸能の誇りがあり、雅楽には雅楽の誇りがあるというのをお互い尊重し、理解して、その上でコミュニケーションを取るということがとても大切な事。
世界的に皆は“ボーダレス”というけれど、ボーダーというのはそこに意味があって境界線があるのです。その線の内側にいる人たちはそれを守り抜いて個性に自信を持つ、そうすると線の向こう側で誇りを持ってやっている人たちを理解しやすくなる。そして、認め合うこと。それを音楽を通して出来るのではないかと。それがこのジョイントになると思っています。

——最後に『ryuQ』読者の皆さんにメッセージをお願いします。

東儀秀樹:ほんとうに子供たちの力というのは、純粋に人を動かすことが出来るんだということを。そして、ストーリーとかよりも、その大切なハートの部分を感じてもらえたらと思います。それがどんなものよりも価値があるものだと、また教育の場にも合っていると思います。

あの感動の舞台から9カ月。東儀秀樹さんは当時このようなコメントを残してくださっていました。今回、再演ではまたどのような想いで参加されるのだろう。そして、あらためて今度の公演がどのように進化するのか楽しみです。ぜひ、その歴史的瞬間を一緒に感動体験してみませんか。


現代版組踊「肝高の阿麻和利」with東儀秀樹』公演詳細:
日時:2008年8月23日(土)、24日(日)
   昼の部 13:00〜 / 夜の部 18:00〜
   ※開場時間は、全公演とも30分前。
場所:うるま市民芸術劇場 響ホール
料金:RS席:7,000円 (※RS席は完売致しました)
   S席:6,500円、A席:5,000円、B席:4,500円
  ※エリア内の指定席 (※当日500円増)
  ※未就学児膝上無料。但し、お席が必要なお子様は有料。

※チケット購入先:
 あまわり浪漫の会 TEL&FAX:098-978-0608
                090-3796-9222
                090-3796-7222
          E-mail:amawari-roman@woody.ocn.ne.jp
 あまわり浪漫の会ブログ http://amawari.ti-da.net/

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