沖縄県産の連続ドラマ『キムタカ!』対談(RBC『スゴてれ』)
南島詩人・
平田大一。彼の半生を描いた著書『キムタカ!』を原作にしたドラマが、本日4/24よりRBCの新番組『スゴてれ』で放送予定の連続ドラマ『キムタカ!』としてスタートします。(主演は若手三線シンガーソングライターの
伊禮俊一、ほかキャストや主題歌にも注目)
その原作者の平田大一氏に原作本とドラマの魅力と見所を語って頂こうという企画。また脚本を手掛けた鍵山直子氏をゲストに迎え、対談トークでお届けします。
原作者・平田大一:今年40歳になるのですがそこで半生を振り返るというか、これまでずっと地域興しとか島興しに携わってきて、その地域に有る素材(地域に伝わる伝統芸能など)を活かして、例えば、小浜島の場合はキビ畑で体験農業などしてきたり、勝連(うるま市)の場合は子供たちとの舞台づくりで現代版組踊『肝高の阿麻和利』とかをやってきました。
また現代版組踊『肝高の阿麻和利』も今年10年目の節目も迎えるということで、それらを一冊の本にまとめてみたいとそこに全国発売の出版のお話がありました。
昨年、勝連グスク公演にて東儀秀樹さんともジョイントした現代版組踊『肝高の阿麻和利』は、今年はハワイ公演を実現させるという目標があって、それらをやっていくキーワードとして“肝高(キムタカ)”という誇り高いスピリッツを意味する言葉は、もう“阿麻和利”という枠さえ越えて、沖縄全体に通用する“黄金言葉(くがにことば)”ではないかと思うんです。さらには海を越えて世界にも通用する“スピリッツ(志)”を意味するキーワードになるのではないかと。心を豊かにできるものだと思うんです。
その子供たちが頑張る姿をドラマにしたいというお話をRBCさんから頂いた時に、「実は、こんど僕はこんな本を出すんですよ」というタイミングも重なり、この“肝高(キムタカ)”をキーワードにして新たに脚本をおこしてもらってドラマにしてゆくことになりました。
原作本の『キムタカ!』にもある“子供たちが変わることで地域が変わる”という子供たちとの島興し(地域づくり)というところをベーシックにしてそのテーマ性は変えないまま、沖縄をバックボーンにした新しいエンターティメントをドラマで描けたらというところを、構成作家の鍵山直子さんに脚本をお願いして見事に作り変えてもらいました。
またドラマのほうは奇想天外な物語になっていますので、ぜひドラマと原作本の両方をお楽しみ頂きたいと思います。
脚本家・鍵山直子:そのドラマの依頼を受けて現地取材を積み重ねたところ、舞台も凄いけど、そのバックボーンにある舞台裏にも“肝高(キムタカ)”な世界があるんだということを知り、とても感動しました。この舞台を作り上げてきた人たちを描くことが、今の時代背景に合うだろうと気付いたんです。
沖縄のひとつの地域に限らず、全国にも格差社会が広がってきて同じ様な地域の問題などを抱えています。そして平田大一さんが興した地域興しの舞台づくりは他の地域にも、勇気や希望を与えられるのではないかと思ったんです。RBCの制作局長もおっしゃったように「これをドラマ化して、多くの人に観てもらう価値がある」とそこに共感しました。
ドラマとするなら、さらっと観てもらうというよりは、そこにエンターティメント性を加えてアレンジし、原作本とはまた少し離れた主人公の人間模様を激しく描きました。
原作者・平田大一:僕の中では“青春爆走ドラマ”なんですね。カメラのフレームからはみ出るような疾走感が欲しかったんです。
というのも、僕の30代のこの10年間はすべて『肝高の阿麻和利』に関わってきたんですね。だから、40歳の節目にこのドラマが出来るのは不思議ですね。ちょうど9年前の沖縄尚学の甲子園優勝に始まり、今年春の沖縄尚学の甲子園優勝にひとつの区切りになったんですよ。
あの9年前の沖尚甲子園優勝のあとに続くかのように、沖縄がこれまでの限界を飛び越えて、TVドラマ『ちゅらさん』が放送されたり、kiroroやBEGINなど“沖縄”が注目され、一気に流れに乗ってきた10年間だったと思うんです。
新しい沖縄のアイデンティティが育まれてきた10年間だったと思うんですよ。その沖縄と、自分が関わってきた地域づくりの10年間が重なり、このドラマがひとつの集大成でもあると思っています。
そして次の10年間に向けて新しい時代“ネオ・トラディッショナル”をこのドラマから創ってゆきたいと思っています。
●インフォメーション:
4/24(木)18:55〜 RBCの新番組
『スゴてれ』にて、
連続ドラマ『キムタカ!』が放送されます。
乞うご期待!
(取材:
桑村ヒロシ、取材協力:
琉球放送、
TAOファクトリー)
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