「若狭を走っていた電車の歴史を歩く」(那覇市若狭公民館講座)

ryuQ編集室

2010年08月31日 09:00


那覇市内にかつて電車が走っていたのをご存知ですか? 軽便鉄道よりも先に誕生した「沖縄電気軌道」の電車は、大正3年(1914年)5月開通、昭和8年まで通堂から首里まで1両編成の電車が走っていたそうです。

*那覇に電車が走っていた?!

「えー!電車があったの?!」と、今ではこの歴史を知る人も少なくなり、「軽便鉄道」の歴史と混同したり、勘違いしていることも多いとか。

そこで、自分の地域の大事な歴史にふれあい、地元への愛着心を育てようと、電車の走っていた那覇市・若狭公民館では「若狭を走っていた電車から歴史をたどる」と題して、全3回シリーズの高齢者講座が開かれ、実際の軌道跡歩きに同行してきました。

*首里高校前に集合し、安里十字路まで軌道跡巡り

今でも安里から首里城までの道は曲がりくねった坂道です。かつての電車も今バスや車が通る同じところを走っていたそうです。

その軌道跡に沿って歩きながら、電車の線路跡が住宅地用の道路になった場所や線路跡に沿って曲がって建てられたというマンションを外から見学。

そして、沖縄都ホテルの裏側に残る鉄橋の土台跡には、特別に敷地に入っての見学となり、実感のわく、電車の歴史に直接ふれる遺構に皆感激しました。

沖縄都ホテルの松本さんからも「今も貴重な歴史を伝える遺跡として、ホテルとしても大事に保存管理していること。電車の歴史などについてときどき問い合わせがある」など説明も頂きました。そして…
*公民館講座の意義

企画、ガイドを務めた 若座公民館・一柳亮太氏が伝えたいこととは、

「たとえば保存されている沖縄都ホテルの電車軌道の遺跡はとても貴重です。見ただけではコンクリートのかたまりですが、雄弁に歴史を語り継ぐ遺産。
過去のものは、実は未来へつながっているものであり、その場所を大事にするきっかけになると嬉しい。首里のなにげない路地も、見方が変れば電車の走っていた特別な場所として、これからの歩き方も話題でも変化がでるでしょう。そのように歴史は豊かな生き方への想像力にプラスされ、自分の地域や沖縄への愛情が育まれることを期待しています」。

*公民館講座のこれからは?

一柳氏「公民館の講座ですので、広いニーズに対応して今回は高齢者講座で開催しましたが、みなさん熱心で関心も高く、学ぶ姿勢が意欲的で、何よりお元気なことが印象的でした。あらためて今後も地域に根差した、より地域を愛する暮らしへとつながる充実した講座を企画したいと思います」と、お話頂きました。

公民館では、さまざまな企画、講座を通して交流し、明るく活力ある街づくりを推進しながら地域の豊かな発展に向け、いろいろな取り組みが行われています。

自分の身近な街について触れ合いながら、暮らしを楽しんでみませんか?

若狭公民館
住所:那覇市若狭2-12-1
電話:098-891-3446 
HP:http://naha-kouminkan.city.naha.okinawa.jp/wak-kou/

(文+写真: 吉澤直美、編集: KUWA)
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